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親の間違った愛情が、こどもから奪うもの


年長の娘の、保育参観での出来事。

折り紙でこいのぼりをつくって画用紙に貼り、5月のカレンダーをつくる、という制作の時間の参観でした。

私は娘のテーブルの近くで見守り、同じテーブルの女の子のママが隣に立っていました。

背中に大きなキャラクターが描いてあるTシャツを着ている。
参観日にキャラT…?
しかもキャラの主張が強い。
ちょっと変わった人だろうなぁと思いました。

こどもたちが折り紙でこいのぼりを折り、画用紙に貼る場面になると、進み具合も個人差が出てくる。
パッとつくって見本の位置など気にせず画用紙に貼る子もいれば、
見本と同じになるように、向きと位置に気をつけて貼る子もいる。
折り紙の折り方も、多少ズレてても気にしない子もいれば、きれいにゆっくり慎重に折る子もいる。

それぞれの様子を観察していたら、その大胆なキャラクターのTシャツを着ているママさん(以下『キャラTママ』)は娘ちゃんに対し、
「早くやりな!早く!」
「見本みて!青が上でしょ!」
「(テーブルの端にあった台紙をみて)落ちるよ!落ちる!」
と、急に口を出し始めた。
もちろん、他のこどもたちは、自分からママー!みてー!と話しかける子はいても、親から口を出す人はいない。

このとき、周りを見渡してもキャラTママの娘ちゃんの作業の進み具合は、特段に遅いわけではなかった。
隣で超絶丁寧にこいのぼりに糊を塗るうちの娘より、よっぽど進んでいる。

キャラTママの娘ちゃんはある程度のところまで進めたら、もう次に進めていいのかな?と周りの様子を見ていたのに、ママが捲し立てるせいで、もうママの顔しか見ていません。

折り紙の位置を、
ここかな?ここで合ってる?
と自分の手元に間違いがないか、ママの顔色を見ながら確認している。
その間もキャラTママは、
「そこそこ!合ってるよ!貼って!早くやりな!」と、口を出す。

ママの表情をいちいち確認しながら作業をするので、余計に進行が遅くなる。



…このキャラTママは気づかないのだろうか。
自分が、こどもの考える力を奪っていることに。

遅くてもいいじゃん。
間違って違うところに貼ってもいいじゃん。
テーブルからものを落としちゃってもいいじゃん。

失敗させてやりなよ。
その子のやりたいようにやらせてあげなよ。
あなたはこどもの傍にずっと付き添うことはできないんだよ?
このママが気づかない限り、この子は「自分で考えて決める」という練習がなかなかできないのかもなぁ。
苦労するだろうなぁ…


…なんてことを考えながら私は、
「この人はキャリアグラムでいうと何タイプだろう?生年月日のタイプは〇〇〇っぽいな」とか、
「私にネタを提供してくれてありがとう」など考えていました←


愛情の与え方を間違ってはいけない。
こどもは親の所有物ではない。
こどもの人生はこどものものだ。
価値観は人それぞれ違うのだから、否定せず、尊重し合ったほうがきっと関係は良くなる。

キャラTママも、苦しいね。
手放せば、楽になることたくさんあるだろうに。
キャラTママも娘ちゃんも、お互いに生きやすくなるといいな。

そんなことを考えた、保育参観でした。



余談ですが、うちの娘はそんな中、丁寧に糊を塗り続けていました。
どうやら容器内の糊の残量がわずからしい。
そういえば、春休みの間に糊の補充したっけ…?
うーん、してない気がするぞ…

きっと後で「お母さんの忘れんぼう!!」と娘に怒られる。
それでいいのだ。
お母さんは忘れんぼうなのだ。
今日も参観日のネームプレートを幼稚園に返却するのを忘れて持って帰ってきてしまった。
別にいいのだ。
娘がバスで帰ってくるときに、バスの先生に渡して、謝れば。

緊急を要するものでも、命に関わることでもない。
迷惑はかけてもいい。
母はそれを身をもって娘に教えているのだ。

娘よ、しなやかさを身につけるのだ…
そして母は忘れんぼうだと認識し、自分の持ち物は自分で管理するのだ…

後で糊補充するよ、ごめんね。

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