フィンランドの5月1日VAPPUに思う事

英語ではメーデーと呼ばれる5月1日は、フィンランドではVAPPUと言う名の祝日。

何の日なんだろう。たぶん調べたらわかるけれど今日は省略。なにが行われるかはおよそわかっているものの、なんでこの日?、さらに、日本人には発音しにくいVappu。

学生は、学校あるいは学部の色のつなぎを着て、外に出ます。結構な確率で、白い学生帽をかぶっています。日本の中学校の黒い学生帽の、上の部分だけ白い者。高校卒業時(=大学に入る資格を手に入れた)に、かぶるのが一般的らしいです。

この「白い卒業帽」は、かつて学生だった人々、つまり大人もかぶって街を歩きます。結構なご年配の方も。(つなぎは着ていませんが)年配のカップルがふたりとも帽子をかぶって歩いていらしたり、完全におひとりさまの男性も。おひとりさまは男性の方が多いような気がします。昔は、高校卒業に大きな意味があったのではないだろうか、と想像します。

おしゃれをしている人も、つなぎの学生も。普段よりいろんな人が外を歩いているのです。もしかしたら、いちばんフィンランドっぽい人々の絵を見られる日かもしれません。ハイヒールとスカートに白い学生帽。え、この組み合わせ?でも見慣れてくると、なんだかとても素敵に思えてきます。

昨年はコロナのあおりで何もなかったと思います。現在住んでいるところでは、ここ数日前に「コロナゼロ!!」を記録し、レストランなど再開業しています。2021年、無事に普通のVappuを迎えた、と言うことでしょうか。数日ゼロ、それから数人感染数あり、とのこと。私は人込みを避けますが、教会の周囲の公園には、久しぶりに見る学生たちがいっぱいです。

一瞬、雪も降ったんですけどね。

5月1日の雪は、あるあるだそうです。

もう夜10時になっても明るい季節。しばらく前からかもめたちは、戻ってきて、ピーキャーわめいています。渡り鳥だったんですね、ほんとに。街中でおっかけっこをしながら飛び、ビルの屋根の上では、逢引きが始まっています。

今日の日の入りの時刻は、ちょうどほぼ今、夜9時25分との事。日本は太陽が沈むとすぐ暗くなりますが、こちらでは太陽の描く角度が浅く、あと一時間ほどは「トワイライト」で明るいままです。温度予報はそろそろ2度、そして23時にはマイナス1度。

そういえば、Vappuは5月1日!と思い込んでいるのですが、多くのイベントは「前夜」の方が大事に思えてきました。だって夜に、酒が飲める飲めるぞ、です。4月30日、バーは18時から開店だとか。バーそのものは遅くまで開いているのかもしれません。さて、「外」はいつ静かになるのかな?昼間から学生たちは集まっているので、もしかしたら22時に静かになるのかしら。

この日は、ドーナツを食べるようです。2種類くらいあるようですが、ひとつは昔ながらの素朴な、穴のあいたものです。ツイッターにはよく写真が出てくるので、食べたくなってしまいます。家族で集まってパーティされる方は、ドーナツを必ず作るのかもしれません。そう、ドーナツはお家で作れるのです。とってもおいしそうです。

そのほか、手に持つものは風船、紙のわしゃわしゃしたもの。(うちの猫が怖がる)首都ヘルシンキでは、女性像の頭に帽子をかぶせるのだとか。ヘルシンキの場合、大きい公園で夜じゅう飲んでいてもいいらしく?翌朝、なかなか見事な眺めだそうです。文化の授業や、フィンランド語の授業では主にヘルシンキの様子を学ぶのかもしれません。

フィンランドの文化は、ヘルシンキや、極北だけではなく、いろんな町で、いろんな普通のくらしとともにあるのです。

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