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AWS日本法人、AI利用を見越しインドへの投資を超える巨額投資開始

AWS日本法人が最近の記者会見で、日本市場への大規模な投資計画を発表しました。2011年から2022年の12年間で約1兆5100億円を投資してきたAWSは、2023年から2027年の5年間でさらに2兆2600億円を日本でのデータセンター設備に投じる予定です。

この計画は、成長著しいインド市場への投資を上回る規模で、AWSの日本市場への強いコミットメントを示しています。AWS日本法人の長崎忠雄社長は「日本の顧客のデータ利活用を支え、経済波及効果を生み出し日本の成長に貢献する」と意気込みを語りました。


AWS上でのAI利用を見越した日本への巨額投資

AWS日本法人の巨額投資は、AIサービスの拡張とその利用の増加を見越していると考えられます。この投資は、データセンターの設備投資や運用費に充てられることから、AWS上でのAIサービスの性能向上、スケーラビリティ、および信頼性の強化を目指していると推測できます。これにより、クラウド上での機械学習モデルのトレーニング、データ分析、自然言語処理、画像認識などの高度なAIアプリケーションがさらに強化される可能性があります。また、新しいAIサービスの開発や既存サービスの改善にも貢献するでしょう。これらの進展は、ビジネス、研究、開発など多岐にわたる分野でのAI利用を促進し、日本市場の技術革新を加速させることに繋がると考えられます。

日本の生成AI市場見通し、2023年の1118億円から2030年には1兆7774億円に成長

電子情報技術産業協会(JEITA)は、日本の生成AI市場が2023年の1118億円から2030年には1兆7774億円に成長すると予測しています。この間の年平均増加率は47.2%で、世界市場は2023年106億ドルから2030年には2110億ドルへと成長する見込みです。日本市場では生成AI関連アプリケーションが最大の需要セグメントとなり、2030年には1兆5209億円に達すると予想されています。

また、生成AI関連ソリューションサービスの増加率が特に高く、産業分野別では製造が最大の市場を形成する見通しです。生成AIの需要はハードウェア市場にも影響を与え、サーバーとストレージの需要が特に高まるとされています。

Amazonの生成AI、Amazon Bedrock

Amazon Bedrockは、テキスト生成において高い能力を持ち、ChatGPTのような機能を提供します。このプラットフォームは、複雑なクエリの回答やテキスト生成、さらには画像生成にも対応しており、様々なベンダーからの複数のモデルを統合して利用できる柔軟性を持っています。

ChatGPTと同様、Bedrockは自然な会話、情報提供、創造的なライティングなどを行うことが可能です。加えて、プログラミングインターフェースを通じて、様々なアプリケーションに統合することもできます。BedrockはChatGPTに匹敵するテキスト生成能力を持ちながら、価格性能比に優れた選択肢となっています​​。

Amazonの提供するジェネレイティブAI群

アマゾンは、いくつかのジェネレイティブAIサービスを提供しています。主要なサービスは以下の通りです:

  1. Amazon Bedrock: これは、テキスト、画像、オーディオ、合成データを生成できるアプリケーションを構築・スケーリングするための新しいサービスです。Amazon Bedrockは、AWSが提供するTitanファミリーのファウンデーションモデルなど、大規模な機械学習モデルへのアクセスを容易にします。

  2. Amazon EC2 Inf2インスタンス(AWS Inferentia2チップによる): このサービスは、超大規模なMLモデルを実行するためのコストを削減し、より多くの顧客がジェネレイティブAIを利用できるようにします。

  3. Amazonの新しいTrn1nインスタンス(AWS Trainiumチップによる): このサービスは、ジェネレイティブAIモデルのトレーニングをより迅速に行うためのカスタムシリコンを提供します。

さらに、アマゾンは販売者が商品の説明を書く際にジェネレイティブAIを使用しています。新しいジェネレイティブAI機能は、Amazonセラーがより魅力的で効果的な商品説明、タイトル、リスティングの詳細を簡単に作成するのを支援します。これにより、セラーは新商品のリスト作成を迅速化し、既存のリストを充実させることができ、顧客はより自信を持って購入決定を下すことができます​​​​。

Amazonサイトで起こっている意味不明の商品名問題

一方で、Amazon.co.jpで見られる奇妙な商品名の問題があり、ChatGPTなどのAIチャットサービスの利用が一因とされています。これらの商品名には、AIが理解できない質問や利用ポリシーに反する内容への応答と似た文章が使われています。

例えば、ChatGPTに意味不明な質問や性的な内容を尋ねると、AIは「答えられない」という旨の応答を返すことがあります。これが、一部のAmazonの商品名に反映されているようです。奇妙な商品名の背後には、AIサービスの使用が示唆されていますが、Amazon自身のLLM(大規模言語モデル)が直接関与しているかどうかは明らかではありません。


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