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自分の政治信条に合わせて壁打ち相手のLLMを決めよう

以前からwokeだwokeだと言われていたChatGPTですが、再度LLMの政治思想をチェックしたエッセーが8月7日にリリースされました。

その結果、最も自由主義(リバタリアン)左派なのはGPT-4であり、最も権威主義右派なのがMETAのLLaMAだと判明しました。

ここでアメリカ人の言う、左派とは自由主義とは右派とは権威主義とは日本人の感覚と少し違うので先に解説します。

アメリカ人の左派リバタリアンを理解する

アメリカの左派の特徴

アメリカにおける左派は、一般に以下のような価値観や政策を支持することが多いです。

  1. 社会的平等: 左派は、経済的な不平等の削減と社会的な公正を強調することが一般的です。これには、所得の再分配、教育と医療への公平なアクセスの提供などが含まれることが多いです。

  2. 個人の自由と権利: 左派は、性的指向、人種、宗教などの多様性を尊重し、個人の権利を保護することを重視します。これには、LGBTQ+の権利、女性の権利、移民の権利などが含まれます。

  3. 環境保護: 環境保護と持続可能な開発は、左派の重要なテーマ性の一つです。気候変動対策などの環境政策を強く支持します。

  4. 労働者の権利: 労働者の権利と福祉の向上を強調し、労働組合の権限強化などを支持します。

  5. 国際協力: 多国間主義と国際協力を重視し、外交と協調を通じた国際問題の解決を求めることが一般的です。

アメリカのリベラルとリバタリアン

アメリカの左派には、リベラルとリバタリアン(自由主義)の両方が含まれることがありますが、これらは異なる思想を持っています。

  • リベラル: 上記の左派の特徴の多くを共有し、政府の積極的な役割を支持することが一般的です。

  • リバタリアン: 個人の自由と責任を強調し、政府の介入を最小限に抑えることを主張します。経済的には自由市場を支持し、社会的には個人の選択とライフスタイルの自由を強調します。

アメリカ人の右派権威主義を理解する

アメリカの右派の特徴

アメリカにおける右派は、以下のような価値観や政策を支持することが一般的です。

  1. 経済的自由主義: 右派は、政府の規制を最小限にし、自由市場経済を強調します。企業の競争力を高め、個人の起業と創造性を促進することを重視します。

  2. 伝統的価値観: 伝統的な家庭価値観や宗教的価値観を重視し、社会の道徳的基盤としての役割を強調します。

  3. 国防と安全保障: 強力な軍事力と国家の主権を保護する政策を支持します。国際問題に対しては、一国主義的な立場を取ることが一般的です。

  4. 移民政策の厳格化: 国の安全と経済的利益を守るため、移民政策の厳格化を支持することがあります。

  5. 税制の簡素化と減税: 税金の削減と税制の簡素化を推進し、個人と企業の経済的自由を拡大することを目指します。

アメリカ権威主義の特徴

権威主義は、政治的なスペクトラムの一部として右派に位置づけられることがありますが、以下の特徴を持っています。

  1. 強いリーダーシップ: 権威主義は、強いリーダーシップと中央集権的な政府を強調します。

  2. 社会的秩序の維持: 法と秩序の厳格な維持を重視し、反対意見や異なる価値観に対しては制限をかけることが一般的です。

  3. 国家主義: 国家や民族の一体感と誇りを強調し、外部からの影響や脅威に対して防御的な立場を取ります。

  4. 個人の自由の制限: 社会的な安定や一体感を保つため、個人の自由や権利を制限することがある場合があります。


これらを踏まえてGPT-4とLLaMAがどういうバイアスを持っているかを解説します。

GPT-4:の傾向とは?

左派リバタリアニズム

  1. 個人の自由: リバタリアニズムと同様に、個人の自由と自主性を強調します。

  2. 社会的平等: 左派の価値観として、経済的な不平等の削減と社会的な公正を追求します。

  3. 反権威主義: 政府や企業などの権威構造に対して批判的で、権力の分散と民主化を支持します。

  4. 共同体主義: 個人の自由と共同体の福祉をバランスさせることを目指し、共有資源や共同体の支援などを重視します。

LLaMAの傾向とは?

右派権威主義

  1. 強いリーダーシップ: 右派権威主義は、強力なリーダーシップと中央集権的な政府を強調します。リーダーの権威と決定力が重視されることが一般的です。

  2. 伝統と秩序の維持: 社会的な秩序と伝統的な価値観の保護を重視します。道徳的な基準や文化的な規範を強化し、社会的な一体感を促進することが目的です。

  3. 国家主義: 国家や民族の一体感と誇りを強調し、外部からの影響や脅威に対して防御的な立場を取ります。国家の主権とアイデンティティの保護が重要視されます。

  4. 個人の自由の制限: 社会的な安定や一体感を保つため、個人の自由や権利を制限することがある場合があります。反対意見や異なる価値観に対しては制限をかけることが一般的です。

  5. 経済的保守主義: 経済的には、自由市場よりも国家の介入と規制を支持することがある場合があります。国家の利益と安全保障を最優先とする政策が採られることが一般的です。

  6. 強い法と秩序: 法と秩序の厳格な維持を重視し、犯罪対策や治安の強化などを強調します。

どっちのLLMが貴方に合っている?

下記の「価値観診断テスト」をして自分がどっち寄りなのか確認し、自分に合ったLLMを利用しましょう。

日本人の政治的な価値観分布

上記のチェックサイトによれば、日本人の政治傾向分布は下記の様に満遍なく分れます。

  • ポピュリスト17.8%

  • 保守28.8%

  • リベラル25.3%

  • リバタリアン 27.2%

それぞれの価値観に合ったLLMの選び方

以下は、それぞれの政治傾向に合わせたLLMの特徴を説明するための一般的なガイドラインです。これらを日本人目線でアレンジすると良いかもしれません。

1. ポピュリスト

  • 特徴: 大衆の意志を重視し、エリートや専門家の意見に対抗する傾向。

  • LLMの選び方: 大衆の価値観や感情に共感するモデルを選ぶ。

2. 保守

  • 特徴: 伝統的な価値観や社会秩序を重視。

  • LLMの選び方: 伝統や保守的な価値観に基づいた分析を提供するモデルを選ぶ。

3. リベラル

  • 特徴: 個人の自由や権利、多様性を重視。

  • LLMの選び方: 多様な視点を尊重し、個人の自由を強調するモデルを選ぶ。

4. リバタリアン

  • 特徴: 個人の自由と責任、政府の介入の最小化を重視。

  • LLMの選び方: 個人主義や市場原理に基づいた分析を提供するモデルを選ぶ。

デジタル権威主義について

中国政府は、デジタル技術を積極的に活用していることで知られており、その方法と目的は多岐にわたります。

デジタル権威主義の主な特徴

1. インターネットの検閲
中国政府は、インターネット上の情報へのアクセスを厳格に制御しています。特定の外国のウェブサイトへのアクセスが制限されたり、政府にとって不都合な情報が削除されたりすることが一般的です。

2. 監視技術の活用

中国では、顔認識技術などの監視技術が広く展開されており、治安維持や社会的なコントロールに使用されています。これにより、個人の行動や位置情報がリアルタイムで追跡されることがあります。

3. 社会信用システム

中国政府は、個人や企業の行動を評価し、信用スコアを割り当てる「社会信用システム」を導入しています。このシステムは、法律や規則の順守、倫理的な行動などを奨励する目的で使用されていますが、個人の自由に対する制限とも捉えられることがあります。

4. プロパガンダと情報操作

政府は、インターネットやソーシャルメディアを通じて、政府の立場や価値観を強化するプロパガンダを展開しています。反対意見や異なる視点の抑制も行われることがあります。

5. データ収集と分析

政府機関や企業は、個人のデータを広範に収集し、分析しています。これにより、市民の行動や傾向を理解し、政策やサービスの提供に活用しています。

最も右派権威主義よりのLaMAはデジタル権威主義向きなのか?

LaMAがデジタル権威主義に向いているかどうかは、非常に複雑な問題であり、具体的な使用目的、文脈、倫理的な考慮事項などを総合的に評価する必要があります。

  • 一致する価値観: もしLaMAが右派権威主義の価値観や言語的特徴を反映しているとすれば、それらの価値観を強化または拡散する目的で使用される可能性があります。

  • 倫理的な問題: 一方で、言語モデルを特定の政治的目的や権威主義的な目的で使用することは、倫理的な問題や議論を引き起こす可能性があります。

  • 技術的な側面: LaMAの技術的な特性や能力が、デジタル権威主義の目的(例: 監視、検閲、プロパガンダなど)にどれだけ適合するかは、具体的な分析と評価が必要です。

サム・アルトマンはAIに対する共通認識を目指し世界を旅したが?

そこで、最も左派自由主義のLLM、GPT-4に次の質問を投げかけました。
筆者問:サム・アルトマンは世界のAIに対する共通認識をまとめるため旅に出ました。しかしながらイスラム圏や、デジタル権威主義圏で共通認識を持つのは難しく、ほとんど不可能な事に近いのではと思います。

GPT-4返答:
あなたが指摘したように、世界は多様で複雑な場所であり、特にイスラム圏やデジタル権威主義圏など、異なる文化、価値観、政治体系が存在する地域では、共通の認識を築くのは非常に困難な課題です。

なぜ共通認識を築くのが難しいのか

  1. 文化的な違い: 世界中の異なる文化は、個人の自由、プライバシー、人権などに対する異なる視点を持っています。

  2. 政治的な違い: デジタル権威主義のような政治体系は、情報のコントロールや監視が一般的であり、西側の価値観とは根本的に異なることがあります。

  3. 経済的な違い: 資源や技術へのアクセスの不均等も、共通の基準や認識を築く障壁となることがあります。

しかし、努力は無駄ではない

このような困難にもかかわらず、共通の認識や倫理基準を追求する努力は、AIの未来を形作る上で極めて重要です。異なる文化や体系と対話し、共感と理解を深めるプロセスは、より包括的で人間中心のAIの開発につながる可能性があります。

最終的に、完全な共通認識を達成することは難しいかもしれませんが、異なる立場や背景を尊重し、共通の目標に向かって努力するプロセス自体が、AIの未来にとって価値のあるものであると言えるでしょう。


さすが、wokeなLLMの模範解答。

サム・アルトマンのポリティカルな傾向は?

2023年10月28日に民主党からディーン・フィリップス氏が大統領選に立候補したことを受けて支持表明をXのポストでしています。詳しい解説は以下のNoteでご覧ください。


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