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データサイエンティスト需要急増で、MBAバブルの崩壊がXにて語られる

MBAバブルがついにはじける(MBAは何の役に立つ指標でもないことを忘れないでください。MBAが教えている戦略はまったく役に立たず、文字通りサウスパークでからかわれています)

アダム・シンガー

というポストなのですが、添付のグラフを見ると就職に対するMBAの価値が急激にさがったのは2023年からだとわかります。

これに対する正しい答えは以下のポストであるように思えます。

上位 10 校の コンピュータサイエンス 卒業生をプロットすると、ほぼ同様の傾向が得られます。はじけているのはMBAバブルではなく、ホワイトカラー企業の雇用バブルだ。そうですね、Twitter では CS 卒業生よりも MBA をからかうほうがずっと楽しいのはわかっています (笑)

boov

たぶんの正規の コンピュータサイエンス学科の 卒業生は間違いなくいつでも仕事に就くことができますが、中間管理職に常により多くの人材が必要なわけではありません

アダム・シンガー

アメリカ米国労働統計局(BLS)の2032年までの年収の伸び予測

こちらにデータサイエンティストの2032年までの収入の伸び予測のページがあり、ものすごい伸びを見せているわけですが、上位20位の職種の伸びと比べても明らかにおかしいほどの収入の伸びをしめしています。

データ サイエンティストの雇用は 2022 年から 2032 年にかけて 35% 増加すると予測されており、これは全職業の平均よりもはるかに速いペースです。
この 10 年間では、平均して毎年約 17,700 人のデータ サイエンティストの求人が見込まれています。これらの求人の多くは、別の職種に異動したり、退職などで労働力から離脱したりする労働者の補充の必要性から生じるものと予想されます。

下記の212職種の2032年までの収入の伸び予測データのテーブルがあります。この中で「Professional, scientific, and technical services(専門的、科学的、技術的サービス)」が最も高い事がわかります。

「Professional, scientific, and technical services(専門的、科学的、技術的サービス)」が2032年の雇用予測でトップにランクインしていることは注目すべき点です。この業種カテゴリーは幅広い分野をカバーしており、AI(人工知能)を含む多くの先端技術が含まれています。

AIとその関連技術(機械学習、データサイエンス、ロボティクスなど)は、現代の科学と技術の分野で急速に成長しており、ビジネス、ヘルスケア、教育、金融サービスなど多くの業界に影響を与えています。そのため、AI関連の職種の成長は、「専門的、科学的、技術的サービス」業界全体の成長に大きく寄与していると考えられます。

さらに、この業種には、AI以外にも研究開発、エンジニアリングサービス、コンサルティング、設計、分析などの分野が含まれるため、その他の技術革新や専門的な知識も雇用の増加に貢献している可能性があります。

データサイエンティストの年収の伸びがぶっ壊れている

上記のテーブル中の伸び率上位20業種にデータサイエンティストを加えてグラフを作成してみました。「専門的、科学的、技術的サービス」業界全体と比べてみても約三倍の伸びがある事がわかります。

このぶっ壊れ年収の伸びは、OpenAI社でたびたび掲載される採用募集ページに書かれている表示年収を見てもわかります。そのぶっこわれた年収の高さを詳しく解説しているNoteをいくつか執筆済みですので合わせてご覧ください。

上記の超知能開発チームの契約年俸は$245,000—$450,000 USDです。

日本で需要のないデータサイエンティスト

そもそも日本ではデータサイエンティストの需要がないのか年収は2022年のデータでは平均513万円とされています。

米国のデータサイエンティストの平均年収は1527万円

米国労働統計局の職業展望ハンドブックによると、米国のデータサイエンティストの年間賃金中央値は、2022年5月時点で10万3500ドル(15,274,168 円)で日本でのデータサイエンティストの平均年収の三倍でした。

この数字は賃金分布の中間を表しており、データ サイエンティストの半数はこの金額より多くの収入を得ており、残りの半数はそれ以下の収入を得ていることを意味します。このハンドブックにはパーセンタイル賃金に関する追加情報も記載されており、データサイエンティストの下位 10 パーセントの年収は 58,510 ドル未満である一方、上位 10 パーセントの年収は 174,790 ドル(25,796,470円)以上であることが示されています。

日本での年収1位がコンサルティングファーム

「コンサルタント(経営戦略)」という職種は、マッキンゼーをはじめとする戦略コンサルティングファームに勤めるプロフェッショナルを指すことが一般的です。これには、ボストン コンサルティング グループ(BCG)、ベイン・アンド・カンパニーといった他の有名な戦略コンサルティングファームで働くコンサルタントも含まれます。

これらのコンサルタントは、企業が直面している複雑な問題を解決し、経営戦略を策定し、業務の改善を図るための専門的なアドバイスを提供します。彼らは市場分析、組織再編、財務構造の最適化、新規事業開発など、幅広い分野での高度な専門知識を有しています。

日本の年収ランキングにおいて、このような職種が記載されている場合、それは高度な専門性とスキルを必要とする職業であり、通常、それに見合った年収が設定されていることを意味しています。戦略コンサルタントは一般に、高いストレスと働きがい、そして高い報酬が伴う職業とされています。

悲しいかなデータサイエンティストは年収ランキングトップ10にはでてきません。エンジニア関連はランキングに登る事がないのが日本の現状です。

また職種別での1位は外資系金融である事から日本で加熱しているNISAで運用する全世界株や米株のインデックス・ファンドの需要などが考えられます。

日本で年収1位のコンサルティングファームは米国では7位

上記のグラフで7位にランキングしている「Management, scientific, and technical consulting services」というカテゴリーは、経営コンサルティングサービスや科学的、技術的なコンサルティングサービスを提供する業界を表しており、マッキンゼーなどの戦略コンサルティングファームや、その他の専門的なアドバイザリーサービスを提供する企業が含まれます。

この業種は、企業経営や組織運営に関する戦略立案や助言、科学技術関連の専門知識を提供するサービスなど、幅広いコンサルティング活動をカバーしています。したがって、この分野には経営戦略コンサルタントやその他の専門コンサルタントの職種が含まれると考えられます。

なぜ日本経済の羅針盤としてマッキンゼーが君臨してきたのか?

外資系コンサルティングファームが高収入を得ていることは、そのサービスへの高い需要を反映していますが、それが日本企業が進む方向を決定する上で外部の助言に大きく依存していると一概に言うことはできません。コンサルティングファームは、経営戦略、市場分析、組織改革、財務構造の最適化など、特定の分野で高度な専門知識を提供し、企業が直面する複雑な課題を解決するための支援を行います。これらのサービスは、企業が新しい視点を得たり、競争力を高めたり、変化する市場や技術環境に適応するために利用されることが多いです。

日本企業が外資系コンサルティングファームのサービスを利用する理由は多岐にわたり、企業が自身の意思決定に自信がないからというよりは、戦略的な決断を下す際に新たな洞察や専門知識を求めていることが一因と考えられます。また、グローバルな視野でビジネスを展開する上で、国際的なベストプラクティスや業界のトレンドに対する理解を深めたいという目的もあるでしょう。

外資コンサルティング・ファームの思惑通りには行かない現状

マッキンゼーの提案で作られたトヨタのウーブンシティ構想のような革新的プロジェクトが直面する課題は、多様ですが、これらの一般的な解決策を通じて、日本企業はグローバルな知識とローカルな実装の間のギャップを縮め、より持続可能で実行可能なイノベーションを生み出すことが可能になるでしょう。

日本ももう少し開発に力を入れる国にシフトしていく必要があるのではないでしょうか?アメリカをはじめとする各国がぶっ壊れた資本を投入してでもAI開発を進める中、外資のコンサルに頼って己の未来を決めてもらうようでは衰退しか待っていない気がします。

機械学習エンジニアという職種の年収が爆上がり中

追加で記述すると2024/2/1の以下の記事だがフリーランスでは「機械学習エンジニア」という職種の年収が1000万円を超えてきてているという報告があります。

機械学習エンジニアはデータサイエンティストとは異なる役割を持ちます。機械学習エンジニアは、アルゴリズムやコンピュータープログラムを開発し、改善することで、機械学習モデルを実際の製品やサービスに組み込むことを専門とします。彼らは、データの前処理、モデルの訓練、評価、そしてモデルを本番環境にデプロイするためのシステムの設計と最適化を行います。

データサイエンティストとの違いは、データサイエンティストがデータ解析、統計分析、洞察の抽出に重点を置き、ビジネスへの応用を考えるのに対し、機械学習エンジニアはより技術的な側面、特に機械学習モデルの開発と実装に焦点を当てる点にあります。

アメリカでは、機械学習エンジニアも同様に「Machine Learning Engineer」と呼ばれており、技術産業やスタートアップを中心に需要が高まっています。AIや機械学習の分野が急速に発展し、様々な産業でその応用が進む中、機械学習エンジニアの役割はますます重要になっています。

日本でも、AI技術の普及に伴い、機械学習エンジニアの需要は増加しており、フリーランスとしても活躍の場が広がっていると言えるでしょう。この職種は、新しいテクノロジーを駆使して、革新的な製品やサービスを創出することに貢献できるため、年収が伸びていることは自然な流れかもしれません。


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