相手の立場で寛容たれ

今回はこの記事について考えたい。

岸田首相の発言に対して、子育てする側から「岸田は子育てをする立場になって考えてほしい」と批判が野党を中心に巻き起こった。

そんな批判に対して私はこういいたい。
「岸田首相の立場になって考えてほしい」と。

まずは状況を整理しよう。岸田総理の発言は、自民党の大家参院議員の代表質問である、「リスキリング支援を行う企業の支援は、子育てを前向きに取り組むことにつながる」という内容に答えるものであった。「この発言が質問と呼べるのかどうか」という話はさておき、岸田首相が取り得る最善の発言について考えたい。「子育てを前向きに取り組むための手段として、リスキリング支援を行う企業の支援を行うべきではない」と判断していたとしても、回答として論理構造的にクリティカルであるとは言えない。発言の否定は、子育て政策に重きを置くこと自体の否定や、リスキリング支援を行う企業の否定と捉えられる可能性がある。そのため、あの場でできることは、「いったん発言を肯定しておきながらも、時間をおいて効果を検証することを示唆する」ことである。それが、首相として多様な可能性を保持したままできる改善の策ではないだろうか。

長くなってしまったが私が言いたいのは、「他人の立場を顧みずに自己主張をすることは正しい議論の形ではない」ということである。批判によって議論を進めていくのではなく、暗い話題が多い時代だからこそ、それぞれの立場を慮ったうえで適切な相手に建設的な意見を投げかけること、これが明るい時代の第一歩になるのではないか。

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