2024年上半期自選二十句
2024年1月から6月、冬と春の十句ずつ、
主にどこかしらの入選句から。
正直、今はまともに句作出来る環境でも
なく、吟行も基本一人でしかダメなので、
いつか、こんな時期だったなと振り返る
備忘録のつもりで記録を残します。
秀句ではなく佳句ばかりな気がしますが、
今の、ただ俳句が好きな等身大の私です。
二〇二四年上半期自選十句〈冬〉
かくれんぼ鬼になりたき寒さかな
〈夏井いつき先生選〉
龍鱗へ利休白茶のうすく霜
〈夏井いつき先生選〉
こんにゃくへ隠し包丁片時雨
〈星野高士先生選〉
冬の弥撒ひと塩の魚ならべ干し
〈西村麒麟先生選〉
セーターの肘は毛玉のこのあたり
〈成田一子先生選〉
大天狗小天狗へ酌む寒造
〈山田佳乃先生選〉
シャロームもミールも平和ふゆの薔薇
〈五十嵐秀彦先生選〉
山茶花の蘂より濃き香孤灯の香
〈夏井いつき先生選〉
うづたかし大寒の未決の書類
〈夏井いつき先生選〉
白龍のヘッドマークや初電車
〈自選・俳句LOVE新年詠〉
この冬の季題までは角川俳句やNHK俳句にも
投句していたので、選者の先生もさまざま。
選んで下さいました先生方に、改めて御礼
申し上げます。ありがとうございました。
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2024年上半期自選十句《春》
本郷のカフェの木の椅子はるの風
〈夏井いつき先生選〉
かげろふをくゞりてかげろふのまなか
〈夏井いつき先生選〉
松毬を拾ふ子のかげ春あかね
〈西村麒麟先生選〉
母の居へ父まよはずに夕霞
〈夏井いつき先生選〉
ビーグルへ指笛ぴぴゅう山笑ふ
〈夏井いつき先生選〉
終点やビブスとりどり種案山子
〈夏井いつき先生選〉
墓参り兼ぬる花見となりしかな
〈夏井いつき先生選〉
松枯葉に好かれ春蚊にも好かれ
〈西村麒麟先生選〉
なのはなやかぜはくゎんおんさまのこゑ
〈夏井いつき先生選〉
躑躅燃ゆ４分潜りきった河馬
〈自選・R-1グランプリ2024お笑いバトル〉
改めて選んで下さいました夏井いつき先生、
西村麒麟先生、ありがとうございました。
いま、周りは結社に入るのがブーム。
私は、入っていた結社がなくなり、
いつき組や屍派にお世話になりつつ、
細々と俳句と繋がっていると思います。
リアでは、88歳と86歳の父母との同居生活。
在宅メインですが、仕事もしています。
そもそも、俳句を楽しむことを、周りが
必ずしも応援してくれるとは限りません。
ひとめぼれして衝動的に動くタイプでは
ないので、しばらくはこの状態でしょうか。
こんな今の私ですが、ぼちぼちと俳句とも
仲良くして、自分の心を立てていければ
いいなと考えています。
これからも、よろしくお願い申し上げます。 明 惟久里
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