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Photo Story

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美しいと思った瞬間を瞬間をカメラでキリトリ、毎日ちょっとした小話と共に投稿しています。お暇な時にでもゆっくりご覧ください。
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#スキしてみて

Photo Story|波色-なみいろ-/Namiiro

「波色-なみいろ-」 どこか遠いところで発生した波は、 長い長い時を旅してようやく砂浜へと辿り着く。 その最後は、 海の色でなく波の色として美しい姿を見せながら 思いっきり砂浜へと飛び込んでいく。 一つとして同じ波の形はなく、 そして波の色もまた同じものはない。 まるで波たちの発表会のようだった。 Photo Story相良サンビーチシリーズ。 僕が生まれ育った場所は海からは少し遠い場所だった。 車とか電車を使えば2時間くらいで辿り着く。 しかし、そ

Photo Story|夢幻-ゆめまぼろし-/Yumemaborosi

「夢幻-ゆめまぼろし-」 白くて綺麗な貝殻と 晶々輝く砂と海。 夢か現か幻か。 時の流れを忘れていく。 Photo Story相良サンビーチシリーズ。 アツバキミガヨランたちと写真で遊んだ後に、波打ち際の方へと近づいていった。 ここの海は晴れた日は本当に綺麗。 青色だけではなくて、ちょっとエメラルドグリーン色も混じっていたりと、ちょっとだけ沖縄にいる気持ちになれる。 少しだけ騒がしい波音を聞きながら、波打ち際を歩いていく。 綺麗な貝殻がないかなとあたりを探

Photo Story|夕紋-ゆうあや-/Yuaya

「夕紋-ゆうあや-」 川面の揺らぎが夕陽に照らされ 光と影のコントラストが幾重にも重なり 美しい紋様を作り出していた。 太陽が傾くその瞬間に見ることができる 束の間の幸せな瞬間。 Photo Story夕暮れ時。 いつも通り自宅で為事をしており、ひと段落が着いたところだった。 ふと窓の外を見るとすでに空は橙色に染まり始めている。 もうすぐご飯を作らなきゃ。 そんなことを思いながらぼーっと夕焼け空を眺めていると、先日浜岡砂丘で見たような登り虹が現れていること

Photo Story|立鳥-たつとり-/Tatutori

「立鳥-たつとり-」 水に浮かんでいたカモメが突然飛び立っていった。 小さな体の割には大きな翼をいちにのさんといった拍子で バサバサバサバサと羽ばたかせてそれはもう華麗な姿で。 立つ鳥跡を濁さずという諺がある通り、 飛び立っ後は濁るということは決してなかった。 むしろ水滴をわずかに散らせて、 水面もほんの少しだけ震わせているその描写が とても美しく綺麗な瞬間だった。 Photo Story前回の続き。 野鳥撮影をし始めてから約1ヶ月半が経った。 それまで

Photo Story|誰方-どなた-/Donata

「誰方-どなた-」 水辺をちょろちょろ動く1羽のハクセキレイ。 徐に水面に顔を向けると そこには水鏡に映るもう1羽のハクセキレイが。 え!?|誰!? とでも言わんばかりに一点を見つめている。 そんな微笑ましい姿に癒されながら。 Photo Story牧之原市にある相良サンビーチ。 白砂と青松が美しい海水浴場で、海がめちゃめちゃ綺麗なところ。 僕が静岡に引っ越してきて、最初に訪れた海がここだった。 今でもその感動は覚えているほど、本当にここの海は綺麗。 ••

Photo Story|鏡写-かがみうつし-/Kagamiutusi

「鏡写-かがみうつし-」 砂浜の水たまりにできた水鏡。 少ししゃがんで斜めから覗いてみると そこには世界が鏡写しになっていた。 瓜二つの世界。 それは全く同じ世界なのか あるいはちょっと違うパラレルなのか。 あなたはどう思うだろうか? Photo Story相良サンビーチシリーズ。 冬の海でもこの日は暖かかった。 静岡は47都道府県の中で降雪量は下から3番目の45位。 ちなみに47位は沖縄、46位は宮崎とのこと。 なので、引っ越してきてまだ2年目だけど、本

Photo Story|蘭々-らんらん-/Ranran

「蘭々-らんらん-」 海辺で咲いていたユッカの花。 海辺で咲いてた大きなお花。 南国気分で気持ちはルンルン。 甘い香りのお花はランラン。 Photo Story相良サンビーチシリーズ。 ここの海にはアツバキミガヨラン(別名ユッカ)という植物が群生している。 この植物の原産地は北アメリカで、明治時代に観葉植物として日本に渡来。 春と秋に釣鐘型の大きな花を咲かせるのが特徴らしい。 季節はもうすっかり冬だけど、ここの海では彼らはたくさんの花をつけていた。 あまり

Photo Story|房咲-ふさざき-/Fusazaki

「房咲-ふさざき-」 一本の茎からたくさんの花をつけた房咲き水仙。 これでもかと言わんばかりに ふさふさと白いお花を咲かせていた。 キラキラかわいい無邪氣なお花たち。 そんな賑やかな花たちとは裏腹に 茎はまるで猫背のように曲がっている。 どこかわちゃわちゃしている子どもと それを見守るお父さんのような感じ。 茎は曲がれど力強い支えがある中、 今日も花たちはキラキラした顔で咲いている。 最後の花が咲き終わるまできっと 優しく力強く支えているその在り方に心打たれなが

Photo Story|白花-しろばな-/Sirobana

「白花-しろばな-」 白いたんぽぽことシロバナタンポポ。 白と黄色のグラデーションが美しい花。 西日本ではよく見られるこの花だけど 関東以北ではその数はあまり多くないらしい。 特段珍しい花ではないかもしれないけど 見つけたらちょっと嬉しくなる白いお花。 Photo Story近所の散歩シリーズ。 散歩も終盤に差し掛かった頃合い。 折り返し地点まで到着したので、家路へと戻ろうとしていた時だった。 この日はシャッターチャンスが中々に多くて、おそらく美しいものやその

Photo Story|水沫-みなわ-/Minawa

「水沫-みなわ-」 波が打たれる際に現れる泡たち。 何度も何度もひっきりなしに打たれ続け、 その泡たちが波打ち際まで押し寄せられた時に、一筋の水沫になる。 その消える刹那が最も優しくて最も美しい。 その優しい泡を掬い取りたいなと思いつつも、すぐに消えていく。 儚くも美しいとはまさにこのことでもある。 Photo Story水の泡と書いて水泡あるいは水沫と呼ぶそう。 この名前を知ったのは今回が初めてで、でもずっと砂浜の波打ち際に現れる泡泡が綺麗だなと思っていた。