一人称にまつわる価値観
今回は男の子が小学生くらいのときに上るちっちゃい大人の階段の話。エロくないですよ。
「男の子って可愛いなぁ」ぐらいの気分で読んでくれれば良いです。
僕は幼稚園のとき、
クレヨンしんちゃんが大好きでした。
毎週金曜日の19:30からかぶりつくようにテレビを見てたし、2ヶ月に1回通ってた床屋ではボロボロの漫画版しんちゃんを真剣に読み漁ってました。
しんちゃんは、自分のことを「おら」と呼ぶ。
なので、幼稚園年少の時「ぼく」だった一人称を年中になって数ヶ月だけ「おら」にしたことがある。
思い返せば恥ずかしい。
でも当時初めて「おら」に一人称を変えたとき、妙な高揚感があった。
昨日までの自分ではなく、新しい自分になった気がして。でも程なくして、やっぱり「おら」はしっくりこなかったので一人称を「ぼく」に戻しました。
僕はこんな回り道をしたけど、
多くの男の子はふつう、こっちの道を通る。
「ぼく」が「おれ」になる道。
多くの男の子が幼稚園年長から小学生のときに、こんな大人の階段を登るのは世間が仕掛けた罠だと24歳になった僕は見込んでいます。
(お気づきかもしれませんが今回の話は本当にしょうもないです。)
幼稚園年少のときの絶対的スター・アンパンマン。見た目の可愛さから、かなり子供向けな印象を受けます。
男の子なんてものは、ほぼバカ野郎なので、5歳を超えると自分は大人だと思いはじめます。なので大人はアンパンマンを見なくなる。
年中に上がった男の子の憧れの的が、
仮面ライダーとスーパー戦隊シリーズです。
子供向けのアンパンマンは自分のことを「ぼく」と呼び、大人向けの仮面ライダーは自らを「おれ」と称す。
仮面ライダーとスーパー戦隊シリーズの厄介なところは、毎年ストーリーとキャラクターが変わるから5,6年飽きずに見てられるところだ。
こうして長い時間をかけて「おれ」への憧れが小学生男子の脳みそに刷り込まれていってしまう。
社会実験として3年連続で仮面ライダーの一人称を「ワシ」にしたら、その世代はほぼ「ワシ」になるんじゃないかとまで思ってる。
当時小学生3年生だったぼくは、
早くおれになりたかった。
いつの間にやら板についたおれは、
最近は場面によって僕や私を使いこなす。
「おれ」は、男の子が
人生で初めて纏うファッションだ。
髪型も服装も、めちゃくちゃダサいのに小さな男の子が初めてカッコつけた証が、きっと「おれ」なんだと思う。
似合うかわからないけど、少し背伸びして着飾ってみる。
おれにも可愛いとこあるだろ?
そういえば最近、免許更新をしました。
神奈川県の公安も認めてくれました。
この思い出深い写真ともおさらばです。
やっぱ可愛いよなぁ、おれ。
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