私のことは嫌いになってもパワポのことは嫌いにならないでください。
なんかパワポってやたらと悪者にされてないか。
Amazonでパワポ禁止令が出たのが、ニュースになってたけど、他にも結構あるみたい。facebook、Linkedin、トヨタ、サントリーなど国内外のいくつかの企業で、パワポの使用についてなんらかの制限がかけられているらしい。
パワポが禁止されるのには、ちゃんとした理由があることがいろんな記事でも書かれているけど、パワポ禁止という表面的な事実だけが広がっていて、かなり誤解も多い気がしてる。「PDCAはもう古い」「SWOTは役に立たない」みたいなアレと一緒。結局、ツールそのものの問題ではなく、使い手の問題なんだけど。
個人的にはパワポを重宝して使ってる立場なので、パワポに批判的な記事を目にするたびに、なんか友達がいじめられてるような気持ちになってめっちゃ嫌だった。だから今回はその誤解を解きたい。
誤解その1:パワポでは伝わらない
本当にプレゼンが上手い人はスライドなどに頼らず、自らのパフォーマンスで顧客にストーリーを伝え、会場の空気を作ります。プレゼンに自信がない人たちはグラフィックやエフェクトに頼り、顧客の目を自分ではなくスライドに集中させようとするため、一番重要な感情の部分が伝わらないのではないでしょうか。(中略) これまでも、これからも徹夜で作ったプレゼン資料で人を感動させることは絶対にできないのではないでしょうか。https://lrandcom.com/no_ppt
一番やばいのがこれ。下手な人も頑張ってスライドなしで喋れってことか!?下手な人がパワポで上手にプレゼンできるならめっちゃいいことだと思う。最近ではプレゼン上手な人は、パワポも上手く使いこなす人が多い。道具に振り回されず、プレゼン全体を構成する一部としてちゃんとコントロールできてる。たぶんこの手の誤解をしてる人ってそもそもプレゼンテーションをあんまり分かってない人だと思う。
誤解2:パワポのせいで議論できない
クライアントは(パワポ禁止の)こうした変化を肯定的に見ている。パワポのプレゼンを廃止することで、議論を深める際に、思考の流れをせき止めることなく、エージェンシーと連携していくことができるからだ。https://toyokeizai.net/articles/-/106158
これもパワポのせいじゃなくて、場のデザインとかファシリテーションの問題。単に目的と用途を間違えただけ。パワポの資料があった方が論点が整理されて、議論しやすいこともあるしね。仕事を通じてクライアントのリテラシーを高めていくのもエージェンシーの重要な役割で、それが業界の健全なサイクルだと思う。
誤解3:いきなりパワーポイントを開くのはダメ
資料作成を頼まれたとき、「まずはパワーポイントを開く」という人が大半ではないでしょうか。しかし、これは愚の骨頂。仕事が遅くて、結果の出ない人ほど、このような間違った行動を起こしてしまいます。資料作成は、80%を構想に使い、20%を作成に使う。(中略) 構想段階からいきなりパソコンを使ってしまう人がいますが、絶対にNGです。構想段階ではやり直しが多いので、いきなりパソコンを使うと資料の作成と修正に時間がかかってしまいます。https://toyokeizai.net/articles/-/118104
これもまあ分からなくもないんだけど、自分の場合はいきなりパワポから始めた方が、効率的でクオリティも上がる。「構想→作成」ではなくて、作成と構想が同時平行で、行ったり来たりしながら、作っては壊したり、磨き上げたりしていく。プロトタイピングとかアジャイルの思想に近くて、作ることで思考が整理されたり、ひらめきを得たりすることできる。パワポで作成してみないと気づかないことが多く、最初からパワポで構想と作成を並行して進めた方が結果的に時間も早くクオリティも上がる。
なんかいつのまにかちょっと批判的な書き方になってしまったけど、悪意はなくて誤解をときたいだけなのでどうか許してください。みんながパワーポイントを上手に使って生産的なコミュニケーションができるようになるといいなと思います。私のことは嫌いになってもパワポのことは嫌いにならないでください。。。
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