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そもそも気候変動って、実際には何が起きてるの?(その1)

そもそも「気候変動問題」って、実際に何が起きているの?

気候変動のメカニズムは専門ではありませんが、自分がいろんな方面から見聞きして学んだことを何回かの記事に分けて共有したいと思います。

今回は「その1」として、
「そもそも気候変動や地球温暖化って本当に起きているの?」について取り上げたいと思います。

ここに興味深いアンケート調査があります。

Q. あなたは、次の意見にどれくらい賛成/反対ですか? 「人間の活動は、気候変動に影響を及ぼしている」

IPSOS, 20590人オンライン調査(16-74歳, 2020年)

世界各国でオンラインで2万人以上から聞き取ったアンケートの調査です。

日本には赤棒の「そう思わない」人が17%います。これは、発展途上国を含めても一番多い。一方、緑棒「そう思う」人が日本には53%います。これは、他国に比べて圧倒的に低い数値となっています。

なぜか?

正直、わかりません。
もしかしたら、日本は気候変動の影響が他国に比べて小さいということが要因かもしれません。
ただ、ここから日本人は気候変動問題に対する危機感が低いことが伺えます。

冒頭の質問に戻ります。
そもそも「気候変動問題」って、実際に何が起きているのか?
そして、「気候変動」や「地球温暖化」って本当に起きているの?

地球が暖かい理由

地球は太陽の力で暖められています。
ほとんどの太陽熱は再び宇宙に逃げますが、一部の熱は大気に閉じ込められます。これを温室効果(Greenhouse Effect)といいます。地球の大気を農業で使う温室(農業ハウス)に見立てた効果です。

その温室効果を促す大気の代表格が、二酸化炭素(CO2)です。
CO2がどれほどの温室効果をもたらすのか?を次の例で見てみましょう。

太陽に近い惑星から順に水星・金星・地球・火星です。
通常、太陽から近い惑星ほど気温が高い傾向にあります。
しかし、水星と金星はその傾向から外れます。

その要因の一つが、惑星のCO2濃度と言われています。
CO2濃度が高い金星は、水星に比べて太陽から遠いにも関わらず、太陽に近い水星よりも高温となっています。これは、金星の温室効果が高いために、水星よりも太陽からの熱を吸収しているためと考えられています。

Source:米国エネルギー省

そして、人類は産業革命以降、大量のCO2を排出しています。
その発生源の多くは、化石燃料から生まれています。
その量は、現在100億t-CO2に上ります。

地球の「CO2濃度」と「気温」は、過去80万年の歴史を見ても関係しています。しかし、下記のグラフのように、産業革命以降にCO2濃度が急激に上昇を見せています。

Source:National Climatic Data Center

もちろん、地球の歴史はもっと長く、現在よりも高い気温を記録したこともあります。例えば、恐竜が絶滅したと言われる6500万年ほど前には、現在よりも気温が10℃ほど高かったと言われています。一方で、氷河期も何度かあり、地球は温暖化と寒冷化を繰り返してきました。

では、今回の「地球温暖化」の何が問題なのか?

それは、急激な温度上昇だからです。
ここ100年間で平均気温が0.7℃ほど上昇しています。

、、、、、え?、0.7℃だけ???
と思う人がほとんどかと思います。私もです。

平均にすると小さな変化に見えますが、実際に私たちが直面している温度変化はもっと大きいようです。

「極端に暑い」気温の発生頻度が、半世紀前の0.1%から現在の14.5%まで増えています。それは、実際に起きた現象として確認することもできます。

New York
Paris
Siberia

普段、寒い地域でも熱波が次々と記録されています。
日本でも、同様の熱波による被害が出ています。

東京

このように、日本でも熱波による熱中症の被害者が増えています。
さらに、南極大陸でも次々と異例の気温を記録しています。

南極で18℃なんて!と驚いた記憶があります。
しかし、、、

その1週間後に、南極の別のエリアで20℃を超え、再び驚いたのを記憶しています。

このように、「そもそも気候変動や地球温暖化って本当に起きているの?」という疑問に対して、この記事では「いろいろ変化が起き始めている」ことを示してみました。

私自身、気候変動の影響を感じています。
しかし、地域に住む農家さんや漁師さんは、私たち以上に気候変動の影響を敏感に感じ取っているようです。
その内容は、いずれ別の記事でお伝えしたいと思います。

日本国民の多くは、都市部に住んでいます。
世界の中でも、都市部の住環境やインフラは整っています。もしかすると日本人に危機感がないのは、自然による影響を感じ取りにくい環境にいるからかもしれません。

しかし、「気候変動」と「地球温暖化」は確実に起きています。
これが地球にどのような影響を及ぼすか、人類にどのような悪影響を及ぼすか、正直わかりません。

私たちが分かるのは、各方面の研究からしか知ることができません。
そして残念なことに、過去の研究で予測された地球温暖化による気候変動の影響は、年々現実になっています。しかも、予測よりも早く、悪く。

今回は、「そもそも気候変動って、実際には何が起きてるの?」(その1)として、「気候変動や地球温暖化は実際に起きている」根拠をいくつか並べてみました。また別の視点からも記事にしてみたいと思います。

私自身も気候変動について学び続けていますので、もし何か気になることや間違い等がありましたらコメントを頂ければ嬉しいです。

最後に、1968年にバックミンスター・フラー著の「宇宙船地球号」。
地球を、資源は有限かつ外部からの供給がない宇宙船に例えた本。
前回投稿した記事の最後に載せた「Earthrise」と同じ1968年です。
だいぶ前に読んだことがありましたが、内容も忘れかけているのでもう1回読んでみよう。

*今回投稿した写真資料の多くは、NPO法人The Climate Reality Projectの研修でもらった資料データを日本語に編集して使用しています。

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