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Salesは顧客に”売る”ことが出来るのか?それとも、購入頂いているのか?

というような色々な角度から矢が飛んできそうなタイトルの文章を書きたいと思います。まずは、2つの経験談から。

買い替えサイクルが存在する商材

僕は20年前ぐらいに営業分野のアウトソーシングを受ける部門にいたことがあり、その際にたままた担当したのがインサイドセールスの案件でした。
その当時は、インサイドセールスという言葉もなく、テレアポのコールセンターと何が違うのだろう?というところからのスタートで、外資系で既にインサイドセールスを実践されていらっしゃる企業様に見学をさせて頂きながら仕組みを構築する、という内容でした。

クライアントは通信キャリア様で、電話、インターネット、ネットワーク、サーバー周り、後々には今でいうSaaS系(その当時はASPサービス)の商材も扱うという案件でした。

ここで学んだことの1つが、通信系サービスには、買い替えサイクルがあるという事で、現在のSaaSとは違い、機材のリースや長期割引等があり、2年、3年、長ければ5年サイクルで見直しをするというものです
この期間はどう足掻こうとSalesは出来ず(違約金以上のメリットが出れば別ですが)、じっと来たるべきタイミングを待たなければなりません。

今でいうABM的なインサイドセールス部隊なので、100社~150社をアカウントしてコールをしていく訳ですが、上記のようにタイミングが合わないからといって、次々とターゲット企業を増やす訳にはいかなかった訳ですね。
それで取り組んだので、顧客カルテを埋めていくという取り組みで、電話、インターネット、ネットワーク等など、どこのサービスを利用し、何年の契約なのか、そして、不満はどこにあるのか?といった項目が全体で100項目ぐらいあり、何項目埋められているのか?=顧客理解度、というような事をしていました。(スタッフは項目をどれぐらい埋められているのか?で評価されるという感じです。)
いっとき、データベース・マーケティングという言葉が流行りましたが、それをインサイドセールス部隊が実践していた感じです。

項目を埋められれば、あとは簡単。
契約期間が終了する3ヶ月前~半年前(※商材によります)から仕掛けに入り、提案活動に持ち込む、という感じです。
この機会を逃すと、また数年待たなければならないし、他社からの切り替えをするならば、かなり早めに動き出さなければならないので、出遅れる訳にはいかない。
そのために、仕掛けるタイミングになったらシステムから自動でアラートが鳴り、きちんとアクションをしているのか?を把握出来るようになっていました。

顧客の声を集めるのが営業の仕事?

次の経験談に。
僕は、ソフトブレーンという会社のグループ会社に属していたことがあり、短い期間ですが宋さんとも一緒に働いたことがあります。
宋さんの言葉には今でも記憶に残っている名言がいくつもあるんですが、その一つが「君たち(=営業担当者)には売るということは期待していない。君たちに期待していることは、お客さまの声を集めることだ。現場に1番近いのは君たちで、その声を届けてほしい」というものです。
これを聞いた時、「なるほどなー」と感じたことを今でも覚えています。

直接、真意を聞いた訳ではないので、僕の解釈になるんですが、以下のような事を伝えたかったのかな?と思ってます。
1,何を差し置いても、プロダクトが良くなければならない。
  :その為には、一部の顧客の声を、一部の人が聞くだけでは足りず、
   より多くの顧客の声を、より多くの人(部署、役職を含め)が
   聞く必要がある。
2,誰でも成果を出すための仕組みを構築する必要がある。
  :その為には、まず顧客が何を評価し、何を評価していないのか、を
   正確に把握し、それぞれを反映した仕組み・ツールを用意する
   必要がある。
3,ニーズは作れない。
  :潜在的、顕在的はありますが、そもそものニーズは作れない。
   もちろんSPINのスキルを駆使し、潜在的なニーズを顕在化させる、
   という事は出来る、しかも、それが営業の仕事といっても過言では
   ないのですが、そもそものニーズは作れない。
4,追客する顧客と、追客しない顧客を白黒つける。
  :ハイパフォーマーとローパフォーマーの違いの一つに、
   時間の使い方の違いというのがあります。
   ハイパフォーマーは、見込みがある顧客に時間を費やし、
   ローパフォーマーは、見込みがない顧客に時間を費やす、と。
   ハイ、ローの違いは何なのか?それは上記のニーズに対する考え方が
   一つです。(これは、過去コンサルでの知見を別途記事にします)
ということなのかな、と思ってます。

Salesが”売る”というエゴ

というような経験から、

Salesは顧客が購入するサポート(アシスト)は出来はするが、ニーズを1から作れる、というのはエゴである

と考えています。
(※上記はかなり過激な表現で記載してますが、Sales活動と、それを受けている顧客のギャップを見ていると、一度、全振りして考えてみるべきなのでは?と思っておりの表現となっております。)

あなたはどう思いますか?ご意見等あればメッセージください。

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