「アフターコロナ」を見据えて 仕事の価値観はこのように変わる

私は今回のコロナウィルスの蔓延で日本国内に多く起こっていることについて、いろいろ考えさせられることがあり、このノートを作成してみました。

この「アフターコロナ」と言う言い方はある意味語弊があるかもしれないがこれは日本に与えられた試練であると同時に、あえて言わせてもらえれば、産業構造の変化を起こす十分なチャンスであると言うことができると思う。

一言で言うとコロナウィルス問題で注目された事は以下の点に収斂される。


1 強制的な働き方改革
2 デジタル化の飛躍的チャンス
3 産業構造の変化
4 無駄なことに気が付いてしまった


1  強制的な働き方改革

コロナウィルスが蔓延することで大企業を始めいろんなところでテレワークと言う働き方が急に一般的になった。これは今まで提唱されていたものの具体的にそれを実行するチャンスというのがなかったのであるが、ここにきて急に試験段階から本番になった一例である。今回、ウィルスの蔓延に接し、大手企業で実験的に行われていたテレワークを本格的に導入することが多くなった。それにより、これでほんとに働くことができるかどうか、仕事になるかどうかということを検証するいわばトライアル&エラーを兼ねて行った大きな社会的実証実験のような気がしてならないのだ。

2 デジタル化の飛躍的チャンス

今回、特に注目されたのがデジタル化だ。一例を取り上げてみると、現金を使いたくないニーズが増大し、これを機に現金からクレジットカードや非接触型の決済システムなど決済手段が大きく変わってきた。これは私の顧客においてもそうである。
 また、いかに人に接することをしないで、既存のサービスを提供できるかをみんなが真剣に考えた。一例を挙げてみると、「インターネットでの教育システム」の浸透がまず挙げられる。学校が政策により長期休業に入って、民間のNPO法人や塾がiPadやパソコンを通じ、AIを用いた教材を使い学習する機会を与える映像、初めてオンラインで授業を行う学校の映像がテレビで何回も流れてきた。これらは技術的には今までもあったものの、今回のコロナウィルスの騒動がこれを機会を強力に後押ししたと言う事は周知の事実である。また、今まで敬遠されてきた遠隔医療や夢の技術と言われていた遠隔手術などもこれを機会に飛躍的に発展するということが期待される。

3 産業構造の変化

3つ目は、これらの状況が最終的に作り出す「産業構造の変化」である。具体的に言えば、人が集まらなくても物事が完結する、人が会わなくても仕事ができる、デジタルの世界だけで現実の物事が終了すると言う点である。中国の機械化やIT社会の映像を見て感じることだが、あれは極端な例ではあるが究極をとらえた姿であり、あながち間違いではない。例えば、今まであった「営業」と言う概念がすべてスマホやデジタルの世界の中で完結したり、買い物が人を介さずに行われたり、人と対峙するとも医療が完結したりできるということである。今回のウィルスの危機に際し、大変不謹慎な言い方ではあるが、これらは大規模な社会的な実験をしているとも言える

4 無駄なことに気が付いてしまった

 4番目は、私たちは無駄なことに「気が付いてしまった」のである。

これはどういうことかと言うと、今まで仕事が終わってから飲みに行くのが普通であったビジネスマンたちが、コロナウィルスの影響で飲みに行く機会が減り自宅に帰るようになった。そこで「家」を中心に生活をすることによって、ウィルスの脅威が亡くなった後に果たして、「家飲み」人種が再び街に戻るかと言うことである。ただお酒を飲む、友達と話すと言うことであるならば、あえて街中の居酒屋に行ったり、女性が多くいるお店に行く必要があるかと言うことに気がついてしまうのである。
今までサラリーマンの付き合いと言えば、アフターファイブで同僚と酒を飲みに行くことが多かったと思う。また、お気に入りの女の子目当てにクラブに足しげく通っていた人たちも多かったと思う。それがこの1ヵ月にわたる休息期間、クールダウンの期間を経た後に、実はそれらの娯楽がそれほど楽しく面白いものではなかったね、お金と時間を費やしてそれだけの価値があったのであろうかと言うことを冷静に考えさせられてしまう期間になってしまった。

私は、今回このウィルスが私たちの思考や行動、産業構造等を図らずとも変える良い機会になってしまったと言うことを申し上げたい。

私は、これらをもとに今後発展していく可能性があるものをいくつか抽出してみた。また今後衰退されると思われる産業についてもいくつか列挙してみた。
この記事をご覧になっている皆さんはこれらを参考の上、新たなビジネスモデルの創造や業態の変化などを考える機会になっていただけるとありがたいと思う。

今後発展していく可能性がある分野
・遠隔による教育産業
オンデマンドの授業システム、事業のデータベース化、オンライン講義、オンラインの英会話学校、ヨガスクール、ゴルフスクール、文化教室

・遠隔による医療、保健衛生
オンライン診察、オンライン処方、ホームドクターの普及、見守りサービス、

・オンラインの専門サービス(弁護士、税理士、コンサルティング)

・運輸、物流サービス

・特にこれから短期間で発展すると思われるのが、これらを導入するサービスの提供業者である。つまり、今まで将来の世界だと思っていたオンラインの診察やオンラインの医療オンラインのサービスをこれから積極的に導入する企業が爆発的に増える。しかも短期間のうちに。
したがって、短期的にはzoomやSkypeなどのオンラインサービスを使い、もしくは独自のシステムを使ってこれらのサービスを具体的に導入させるコンサルティングやサービスを提供する会社に大きなチャンスが訪れることになる。これは今後1年の間が勝負である。おそらく、この分野においてはどのような会社にもチャンスがあると思われる。そして確実に利益を上げることができるであろう。まるでホームページをすべての企業が一斉に作り出したように。

・運輸、物流分野においては、最後のラストワンマイルの重要性がますます高まる。人は動かなくなるのに今後も物流の量はあまり変わらない。もちろん一般的にはデジタル化が進むと物流量は減少する。しかし、今回は物流自体は短期的にはそれほど減らない。むしろ増えるという方が正しいかもしれない。その原因は、物流を削減する技術が確立する前に今回の機会が訪れてしまったからだ。例えば、オンラインで処方箋が発行された場合、これは誰が届けるかということが問題になる。また、外出を怖がるあまり、生活に必要なものは自分で買いに行くのではなくすべて配達してもらうと言うライフスタイルが確立されてしまうことが予想される。したがって物や宅急便等の声はますます人が足りなくなることが考えられる。物流量はコロナウィルスが蔓延する前と比べて後増えると言う事は十分に考えられる。

一方これから業態変革が必要なのは以下の業態であると考える。

・キャバクラやクラブなどの接客を主としたお店や飲食店

・全員を1つに部屋に集めて時間を指定して開催するビジネス、英会話教室や大学、各種教室

・移動を伴うビジネス、対面営業や対面販売、

もちろんこれらのビジネスが全部ダメだと言うわけではない。大切なのはやり方なのである。

つまり我々が理想としていたデジタル化社会は、思いもよらぬ形でその機会が急に出現し、その必要性に迫られて産業構造を変化させなさればならない機会が急に訪れたと言える。
それに対してきちんと対応していけば生き残れる、対応できなければ消滅していく。
厳しい言い方をすればそれだけのことである。ただ、我々が考えていたアナログからデジタルへのなだらかな移行がこの数ヶ月で急激に訪れてしまうと言う事は誰もが考えていなかったことであろう。

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