見出し画像

#7. ポートワイン(3) トゥニーポートのカテゴリ

こんにちは!アドベントカレンダー8日目は、トゥニーポートのカテゴリについて見ていきたいと思います。

少し復習をすると、
・ポートワインには、赤、白、ロゼがあるが、赤がメイン
・ポートワインの赤には、大きくわけてルビートゥニーがあり、これはそのまま見た目の色を示している
・ルビータイプはフレッシュフルーツ、トゥニータイプはドライフルーツのようなニュアンス
・ルビータイプにもトゥニータイプにもさらに細かいカテゴリがある
・ルビーには、Ruby, Reserve, Late Bottled Vintage, Crusted, Single Quinta Vintage, Vintageなどがある。
というところまで学びましたね。

ルビーとトゥニーの違い

そもそもどうしてルビーとトゥニーという色の違いが生まれるかを見ていきましょう。

トゥニー色(茶色っぽい)になるのは、ワインが酸化することによって褐色化していくためです。すなわち、赤ワインでも赤のポートでも同様ですが、酸素と触れさせれば、最初は鮮やかな紫色だったワインがルビー色を経て、トゥニー色へと変化していきます。
すなわち、ルビーとトゥニーの違いの本質は、触れた酸素の量、ということになります。

適度に酸素と触れさせながら熟成させる方法といえば木樽ですよね。
前回の記事の最後で、ポートの分類法として、Wood Aged(木樽熟成)とBottle Aged(瓶内熟成)という分け方を紹介しましたが、トゥニーはWood Agedということになります。

トゥニーは木樽熟成によりもたらされるリッチさ、まろやかさが重要なのです。

熟成年数表記トゥニーポート"Aged Tawney"

というわけで簡単にいえば、木樽での熟成年数が長いほど高価です。

熟成年数付きトゥニーポートには、10, 20, 30, 40年があります。これらの認証には、実際に40年寝かせたか、というよりは「40年寝かせたようなスタイルになっているか」ということが必要だそうです。

単一年のトゥニーポート"Colheita"

またトゥニーポートにも単一年ものがあり、それがColheita(コリェイタ)です。これは最低樽熟期間が7年となっており、それ以上熟成させるものも多くあります。

ちなみにColheitaとは英語でいうと"Harvest"で、そこから転じて「収穫年」も表すポルトガル語だそうです。当然ボトルに収穫年、すなわちヴィンテージが表示されています。

長めに熟成させた"Reserve"

Reserve Tawnyもプレミアムな一つで、最低6年樽熟成をします。

カジュアルな"Tawny"

少し例外的なものは単にTawnyと書かれた、一般的なトゥニーポートです。価格は一番安いカジュアルなものです。

熟成の時間軸でみれば、赤ワインはルビー色を経てトゥニー色に変わっていくため、トゥニーの方が熟成が長いように思われますが、実は一般的なトゥニーポートがルビーポートより長い期間熟成しているとは限りません(むしろ短いことも多い)
それを証明するのが値段です。単に"Ruby"、"Tawny"と書かれたポートは値段に差がありません。トゥニーの方が熟成が長いのであれば、値段が高くなるはずですよね。

一番の理由は、使う樽の大きさです。
トゥニーには小さい樽、ルビーには大きい樽を使い、同じ期間熟成させてもトゥニーの方がより多くの酸素に触れ、色の変化が早くなるように造られています。

さらにトゥニーポートでは、
・あまり熟していない色素の薄いブドウを使う
・醸造時に色素をあまり抽出しない
ホワイトポート(白ワインのポート)をブレンドする
などによって色の薄いポートを作り脱色が早く進むようにしたり、あえて気温の高いドウロ渓谷で熟成させることによって、熟成を早めるなどの工夫をします。これを"Douro Bake"と呼んだりするそうです。ドウロ渓谷の環境の荒々しさがわかるようです😂笑

ちなみにポートは本来、涼しくて湿度の高い海沿いのヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア(ポルトの対岸)という街で熟成させます。

こういった工夫によって、同じ値段でルビーもトゥニーも飲むことができるんですね。
このカジュアルなトゥニーはフランス人が食前酒としてよく飲むそうです。

本日のまとめ

本日は以上です!今日は挿絵がなくてすいません...。
ルビーとトゥニーは結構好みが分かれると思うので、皆さんもぜひ飲み比べてみて、自分の好みはどっちか見極めてみてはいかがでしょうか?☺️

ありがたいことにこの記事を読んで、記事のアイデアをくださる方が登場しましたので、そういったことにもぜひ応えていきたいと思います!😆

ではまた、お楽しみに!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?