ノーマル向かい飛車 対 居飛車・左美濃 序盤の細か~い?定跡

春日部将棋道場で、格上と対局した。
戦型は、先手ノーマル向かい飛車(私) 対 左美濃 になった。
向かい飛車が飛車先交換し、さらに攻めるべく、▲65歩と角交換を挑んだ局面。

この瞬間に、後手は面白い手がありました。(後で感想戦をしたところ、定跡だそうです)
それは ▽86歩! と飛車先を突く手。

振り飛車は、初志貫徹とばかり、角交換をし、▲64歩と取り込みますが…

ここで▽87歩成!

▲同飛▽同飛▲同金と飛車交換。
ここで▽54銀と歩の当たりを取らずに、かわすのがポイント。
こちらは先に▲82飛と桂取りに飛車を打ち込みますが…
(▽54銀でなく▽64同銀と歩を取ると、▲61飛が銀・桂両取りだった)。
83金と形が乱れているので、
▽69飛 と、銀・桂取りに飛車を打ち込まれると厳しい

以下、▲78銀▽68飛成▲77金。

この局面をみると、
1)振り飛車は片美濃に対し、居飛車は美濃囲いで居飛車の方が固い。
2)居飛車は次に▽73桂~▽65桂とすれば、桂が取られず、金か銀が取れそう。
3)▽58角、▲39金、▽47角成 の攻めが厳しい
の理由で、後手優勢です。

というわけで、ノーマル向かい飛車で負けました。
感想戦で、「飛車先交換したノーマル向かい飛車には、角道を開けた瞬間の▽86歩の飛車先の突き出しが定跡」と教えてもらいました。
皆さんもぜひ覚えてください。


はい。さて、話はここからです。
振り飛車がやられっぱなしというわけにもいかないので、ソフト解析して対策をみてみましょう。
では、▽86歩にどうすればよかったのでしょう?

本譜は角交換の▲33角としましたが、
正着は ▲86同飛!と 先に飛車交換をする手でした。
▽87歩成~同金で形を乱されて負けたので、歩成を避ける手ですね。
ここでの角交換は疑問手とは言わないまでも、次善手だったようです。

以下、▽同飛▲同角▽99角成▲64歩▽54銀までは必定、
ここから▲77角と王手馬で馬を消し、

~▽89飛に▲85飛と合わせて、手順に桂馬を跳ねる。


ここからは、
先手は、桂馬が使えそう &▲82飛で桂馬取れそう &相手は歩切れ。
後手は、香車持ってるので端攻めが可能。
ということで互角のよう。

そしてさらに、ソフトでさらに深く読み込ませると、面白いことが。
正着の ▲86同飛 とする前に、
▲64歩! と歩を突き銀当てにする手を最善候補手にしてきた。

▽同銀なら、飛車交換後に▲86同角とした手が、銀当たりになるという手だ。
以下、▽75歩、▲66歩とお互いの角を止めて、勝負。

「いきなり▲86同飛」の場合と比べて、ゆったりと、というか難解な将棋になりそうだが、これは実は激しい変化になる可能性がある。
▲64歩に、 ▽83歩成▲63歩成▽88と  と、歩成でと金の攻め合いになる変化だ。

先手は飛車を取られるが、後手の囲いの金銀を剥がすからOK、後手は攻めてる場所が遠いでしょ?ということらしい。
最善でいけば相手の囲いの金銀を剥がす先手がよさそうだが…ちょっとでもミスると逆転される手ではある。
ちょっとこの変化になるのは怖いかも。


ということで、
ノーマル向かい飛車には、
角交換の前に▽86歩! と飛車先を突く。
そうしたら、角交換の前に▲86同飛!と 先に飛車交換をする。
というのが定跡でした。  この項目は以上です。
ノーマル向かい飛車になったらぜひ試してみてください!


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