角換わり棒銀とその受け 「端歩受け」編

『1手ずつ解説する角換わり棒銀』(真田圭一)を読んだので、今回は角換わり棒銀定跡。
先手が棒銀。そして後手は、棒銀に有効とされる早繰り銀でいく。角換わりじゃんけん(3すくみ)で有名。
「棒銀には早繰り銀」と十回唱えて覚えたい。
対・腰掛銀や対・棒銀は、ここでは触れない。
角換わり棒銀の定跡は、いろんな定跡書やサイトにあって、今さらな気もするので、ゆるく解説していきたい。


端歩受け定跡

後手が端歩を受けて、先手の棒銀の進軍を防いだところ。
先手は端から攻めることになるのだが、
ここでは ▲15歩、▽同歩、▲同銀! と、香車でなく銀から攻めて、銀・香交換の攻めをするのは有名、というか絶対の攻め。
香車から攻めると、▽13歩と受けられて続かない。

なお、ここでは後手が早繰り銀の73銀型というのもポイントで、
腰掛銀を目指した63銀型だと、33銀を11歩成りで11にしてから、
▲84香という手がある(参考図)。

腰掛銀 参考図

▽同飛には▲66角で両取りだ。これも有名な攻め。
早繰り銀の73銀なら▲84香はない。なので、棒銀に早繰り銀がいい、といわれるゆえんだ。

戻って、銀・香交換したところ。
ここでは▽16歩(図)と垂らす攻めが定跡。▽13歩と受けないのが強気だ。

▽17歩成、▲同桂、▽19角 と飛車いじめを狙った手。これでは先手悪いので、ここは▲18歩と受けるしかない。
そして▽44銀。
後手としては、もう端は受からないので、端を捨てて中央志向にした手だ。香車成に▽33桂と桂馬が逃げる手にもなっている。
▲24歩に、▽19角 と飛車いじめ。これには(▽35銀の当たらない)▲27飛。(図)

▽24歩と手を戻し、▲12角。(図)

代えて▲24同飛は、▽23銀とがっちり受けられ、▽33桂や▽35銀で飛車を狙われてしまう。
本譜に戻って、▽22金(代えて▽33桂は、先手の飛車成りが受けにくい)、▲34角成。
これで互角か、先手の馬の分、先手やりやすいか、といったところだろう。
と、ここまでが本書に載っている定跡。
…なのだが、ソフト解析したところ、後手の反撃手段があった。

それが▽19角、▲27飛、▽17歩成!、▲同歩、▽18銀(図)。

この▽17歩成から、スペースを開けて銀を打ち込む筋はぜひ覚えておきたいところだろう。
以下、▲26飛、▽35銀、▲55飛、▽89銀成、▲53飛成、▽52金(図)、▲54龍、▽37馬、▲68玉。

これは互角といったところだろう。

▽18銀が両取りになるからなのか、ソフトでは▽19角に▲27飛ではなく、▲26飛が最善だった。
角換わり棒銀では▽19角を打たれたら、▲56飛と、狭い2筋からでなく5筋に転換して戦うのがいいのだろう。
▽19角、▲26飛、 以下、
▽24歩、▲同飛、▽23銀、▲26飛、▽35銀、▲56飛(図)、

▽62玉、▲22歩、▽33桂、▲21歩成、▽45桂、▲22と、
▽同金、▲31角(図)、▽32金、▲53角成、▽72玉。

先手は王手が入って好調なのだが、
後手もいずれは▽37桂不成(図)~▽37角成の王手が入るので、互角といったところだろう。

いかがだっただろうか。
角換わり棒銀の定跡は古くからあるが、ソフトで解析してみるとまた新たな攻め筋があって面白かった。

次は、角換わり棒銀では有名な受け、▽54角の定跡を見ていきたい。
角換わり棒銀とその受け 「▽54角」編





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