へなちょこ急戦(Sugar流超早仕掛け)対策[後手・三間飛車編 つばめ返し]

超早仕掛け(へなちょこ急戦)の対策。三間飛車編。
前回は、「マント流▽22銀」 の 超早仕掛け対策をみた。
※へなちょこ急戦(Sugar流超早仕掛け)対策[後手・三間飛車編 マント流]

今回は、▽35歩と桂頭を攻め、飛車・角をさばいていく「つばめ返し」を調べていきたい。
前回と同じく、図は先後逆、手前が後手三間飛車。

基本図

なお、厳密には「つばめ返し」という名称は、▽43銀(▲67銀)型の三間飛車で、▽35歩と突く戦法をいうらしい。
なぜ三間飛車が▽43銀型なのかというと、▽43銀~▽54銀の腰掛銀~、銀を前方に繰り出していくという、5筋を突いた(穴熊狙いの)居飛車に揺さぶりをかける三間飛車戦法「かなけんシステム」の途中に、相手が超早仕掛けをしてきたときの対応が、もともとは「つばめ返し」と呼ばれていたからだそうだ。

かなけんシステムの出だし 対 超早仕掛け

ただし、本記事では、対超早仕掛け(へなちょこ急戦)では一番多いであろう、▽42銀型での▽35歩も、「つばめ返し」の名称で解説したい。

YouTube動画で、(▽42銀型)つばめ返しの動画を一番あげられている方は、三間飛車強豪のもっくんさんだろう。
研究動画もあり、本記事はその動画をもとにしている。


では研究を解説。基本図に戻って、
▽35歩には▲同歩と取るのが最善で、多い。
角道を開ける▽45歩。居飛車はそれには角をさばかせない▲44歩。
つばめ返しは、桂頭攻めをみせつつ飛車角をさばく構想なので、自然な手だ。

ただし、振り飛車は角を端角に飛び出せば飛車角がさばける。
かねてより振り飛車の狙い筋である▽36歩。
それには居飛車は、▲26飛! と桂取りを催促する好手がある。

▽37歩成り、▲同銀。
振り飛車は一時的に桂得なのだが、居飛車が▲36銀~▲45銀とプレッシャーをかけていけば、振り飛車のの大駒がさばくことができず、居飛車ペースの将棋になってしまう。
そこでこの局面の振り飛車の対策が、▽54歩!

▽53銀と出て、44の歩をむしるのが狙い。
また、▽55歩、▲同角 と呼び込んで、▽53銀と出る狙いもある。
以下、▲36銀、▽55歩、▲同角、▽53銀。
▲45銀と出る手には、▽42飛(図)。

▲34歩の角取りには、角をぶつけて▽44角、▲同銀、▽同銀。
▲66角、▽35銀 (図) と飛車に当てて順当だ。

次に、▲36銀に代えて、▲24歩と、飛車先を軽くした手をみてみる。
これには▽同歩としてしまうと、角が捕まってしまうので、▽同角の一手。

▲43歩成、▽同銀、▲44歩で、54歩型なのでこちらの銀が捕まってしまう。(▽同銀に代えて、▽同金だと、▲11角成で香車を拾われての香車打ちが痛打)
もともと桂馬得してるので、ここは攻め合いで大駒(角)をさばいていく。
▽35角、▲23飛成、▽44角、▲同角、▽37飛成(▽44同銀は、飛車を取られてしまうので)。(図)

以下、▲11角成、▽46歩、▲48歩 と受けて最善だ。

また、居飛車には▲26飛 と桂取りを催促する手に代えて、端角を消した ▲16歩 という手もあるのでみてみる。

振り飛車は角がかなり狭く、▲34歩からすぐに捕まってしまいそうだ。
なのでここで桂馬を取る手は、疑問手になってしまうようだ。(相手の銀が前に出つつ、歩切れなのに歩を与えてしまうため。)
ソフトの正着は、 ▽51銀!と銀を引く手。
固めつつ、角を広くした手だ。これは知らなければ指せないだろう。

▲45桂 と桂馬を逃げる自然な手には、▽22角! と角のラインを維持しつつ左に下がる。飛車先が通って飛車もさばきやすくなった。

▲24歩、▽35飛、居飛車は歩成りを受けて▲47金に、▽43歩の合わせの歩!(図)

手順に角を逃げる土台をつくる手だ。
これで振り飛車としては満足な展開だろう。

▲45桂 と桂馬を逃げる前に、▲24歩と飛車先を軽くしてくる手もある。むしろこちらが本筋だ。
これには当然、▽24同角。
▲43歩成、▽同金、▲11角成、▽35飛。(図)

▲21馬と金取りにしてくる手には、▽37歩成で攻め合う強手もありそうだが、人間的には▽52銀と、金取りを受けて、イーブンだと思う。

いかがだっただろうか。
もっくんの動画を文字おこしにしただけの気がしなくもないが(苦笑)、より詳しい変化を知りたい人は、もっくんの上の動画を参照されたい。

「▽42銀型つばめ返し」の本記事の研究は以上である。
もし機会があったら、「▽43銀型つばめ返し」の研究もしてみたい。いつになるかはわからないが…

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