後手ゴキゲン中飛車の序盤定跡(5筋の歩を早めに交換!)

第8期叡王戦 挑戦者決定戦  永瀬拓矢王座 対 菅井竜也八段

の棋譜並べをしました。
戦型は後手ゴキゲン中飛車だったのですが、この序盤定跡が私が知らなくて面白かったので、ここで解説します。

後手・ゴキゲンに対し、先手は超速銀。
後手の左銀は42なので、44銀型にする「銀対抗」は間に合わない。

ところで、中飛車を指していて「よくわからない」のは5筋の歩を切るタイミング。角交換になるので、飛車取りに角を打たれないようにする必要があるからだ。

そしてこの局面では、さっそく△56歩と5筋の歩交換にする手がある。

▲33角成の角交換から、▲56歩、△同飛までは一直線。
とあれれ…これは▲65角打ちの両取りがあるけど大丈夫か??と思いきや…

当然切り返しがある。
△51飛、▲43角成り、に △74角打ちの切り返し!

これは▲21馬で桂馬を取ると、△42金で馬の戻るところがなく、馬が捕獲されてしまうのだ。
ということで、▲58金左、△42金、▲61馬、と馬金交換して
▲75金打ち。

後手の角も捕獲になって、先ほどの馬(角)・金交換と合わせて駒の損得はなし。
この馬・金・角の交換は「ダイレクト向かい飛車」の角打ちの切り返しによく出てくる筋ですね。

ということで、ゴキゲン中飛車の序盤定跡(早めの5筋歩交換)でした。
この永瀬ー菅井戦は、振り飛車の熱戦譜でとても面白いので、皆さんもぜひ棋譜並べしてみてください!
ではまた~


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?