ダイレクト向かい飛車の序盤定跡(例の▲6五角 に、△4二飛と回る)紹介

2024-04-26 王位戦 斎藤慎太郎 八段 vs. 佐藤天彦 九段 伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦 挑戦者決定リーグ紅組

の棋譜並べをしました。

振り飛車に転向した佐藤天彦のダイレクト向かい飛車。
この将棋の序盤がちょっと面白かったので、紹介。よくしらなかったけど、定跡だった模様。

ダイレクト向かい飛車に、▲65角、▽74角合わせ、▲43角成 のよくある進行。というか定跡。

▲65角打ち周辺の定跡は、下の記事に詳しいので、ここでは割愛する。
ダイレクト向かい飛車をよく知らない人は読んでみてね。
ダイレクト向かい飛車の棋譜紹介や定跡・対策を解説  

さて、ここからは馬切って、▲75金で、後手の角を殺すまでは一直線。

このあとに角を取ると、後手は金を手持ち、先手は1歩を手持ちにして、駒割りはほぼ互角、という将棋である。
ただし、後手は43の歩が取られてしまってない。

「歩の無い所に歩を伸ばせ」は将棋の基本的考えなので、先手は4筋から攻めるべく右四間飛車にするのが有効だ。
なので、後手は右四間飛車に対抗すべく先受けして、▽42飛車と回る。

このタイミングで回ることで、先手は今、▲74金と角を取るしかない(▽47角成り~飛車成りがあるので)。▽同歩。

さて、先手居飛車がそれでも右四間飛車にするなら、
ここで ▲46歩! がある。

▽同飛は▲55角の両取りなので、できない。
ここで後手は▽55角 か ▽55金 で歩をとがめるのが定跡だそうだ。

▽55金 とゴツくいく手は、4筋を後手が突破するかどうかの激しい攻め合いになる。
本記事では解説しないが、この記事に詳しい。
向かい飛車 ダイレクト向かい飛車 ▲6五角型 一歩得VS持ち駒金01

本譜は▽55角だったが、この手は角で先手を牽制することが目的の、おだやかな展開になる手だ。

以下、▲78玉、▽46角、▲58金、▽82角。

と、ここからが一局の将棋だ。
アマチュアならばこのあたりまでの定跡を知っておけばいいだろう。
ダイレクト向かい飛車は、振り飛車が玉の薄い力戦系になるのでそこまで指さないのだが、たまに見ると面白い戦法だと思う。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?