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無観客試合における球団施策まとめ(プロ野球編)

「リモートマッチはプロ野球では使わないのでは?」というご指摘を頂き、確かに「日本トップリーグ連携機構」には所属していないので「無観客試合」という表現にに修正しております(6/19)

いよいよ明日からプロ野球の2020年シーズンが開幕します。当初は3月20日に開幕でしたので、3か月遅れでの開幕になります。4月下旬あたりでは全く先が見えず、「本当に開幕できる日なんて来るのかな」と思っていた日々も懐かしく思います。

そして、開幕するといっても「無観客での開催」となりますので、「チケット」「MD(グッズ)」「飲食」などのビジネスはほぼ売上が0になってしまいます。そして、各球団ではそんな中でもビジネスをし、ファンの皆様により楽しんでいただく為に様々な企画を実施しますので、今回はその企画をまとめてみました。

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上記一覧の通り、『パ・リーグ』より『セ・リーグ』の方が積極的に様々な企画をリリースしているのがわかります。また、『ホークス』からは4つの企画が発表されており、リサーチ時点では最多となっています。

1.基本的なパターン

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リリースされている企画を整理すると、上記のようなパターンになっていることがわかります。目的は2つで、「①売上」と「②応援サポート」。手法としては球団の売上が大きく棄損している「チケット」「MD・飲食」で売上を立てる為の企画。無観客の中でもスタジアムを盛り上げ、ファンの皆様に参加してもらうための「イベント」。このような状況下でも試合に没入してもらうための新たな「試合観戦」方法の提案となっています。

それでは、各カテゴリでの実施例をいくつかピックアップしてご紹介していきます。

2.売上×チケット

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『ベイスターズ』の企画では「応援パネル」や「オンライン・ファンミーティング」がついているチケットを販売しています。また、「2020開幕応援チケットDX(デラックス)」という種別では「監督・選手サインを刻印したメモリアルプレートプレゼント」「ご希望選手とご自身の2ショットパネルをプレゼント(直筆サイン入り)」などの豪華グッズに加えて、開幕3連戦いずれかの公式戦試合球プレゼントされるプランが10万円で販売し、即完売したようです。

『ライオンズ』の企画では2020年シーズンのチケットデザインを活かし、そこに当企画限定で2選手が加わった合計10種の特別デザインのチケットになっています。そして、10,000枚限定で販売開始をしましたが、好評につき合計20,000枚を販売しています。また、チケットには選手のメッセージとサインが入った台紙が付いてます。そして、購入者特典として「応援ボード掲出権」と無観客試合で使われた試合球が抽選で貰える「選手直筆サイン入り公式球抽選権」の特典が付いています。

3.売上×MD・飲食

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『ジャイアンツ』の企画ではシーズナルイベントの「橙魂(とうこん)2020」で配布予定だったユニホームを活用した企画になっています。また、売上の一部を球児や医療関係者を招待する企画に活用するということで、社会貢献の要素も含まれているのも素敵です。

『ホークス』はドライブスルー形式で事前購入した商品を受け取る企画を実施しており、スタジアムに入れなくてもスタジアムフードを楽しむことができます。また、8,000円以上購入した方には「15周年記念ユニフォーム」をプレゼントするなど、アップセルの促進企画もセットで実施しています。

4.応援サポート×イベント

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『ロッテ』は通常試合時に実施している「サブマリーンズ」という企画をオンラインミーティングサービスの「Zoom」を活用して、リモートマッチでも実施します。公式ファンクラブのジュニア会員の中からの抽選になりますが、参加者には選手の直筆サインボールがプレゼントされるなど、特別な体験をすることができます。

『イーグルス』の企画は『パ・リーグ』6球団合同で実施する「ラッキー7」の企画に加え、ファンから募集した動画を集めてビジョンで放映する企画も実施します。リモートマッチでもファンの方々が参加でき、試合の盛り上げに繋がるような企画になっています。

5.応援サポート×試合観戦

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『ジャイアンツ』は「バーチャルビューチケット」と題して、ライブ配信アプリを活用して新しい試合観戦の形を提案しています。アプリでは視聴者同士で会話ができ、実際の試合の時に発生するコミュニケーションを生むことにチャレンジしています。

『ホークス』はVR技術を活用し、臨場感あふれる映像を家で見ることができるようです。『VR SQUARE』というアプリ内には「ソフトバンクホークスチャンネル」という有料コンテンツがあり、ホークスの公式ファンクラブ会員へは31日間無料視聴券がプレゼントされるなど、この機会に新規視聴者獲得へ繋げる為の施策にもなっています。


このように、無観客試合で売上が減少している中でも各球団知恵を絞り様々な企画を実施しています。これからも様々な企画がリリースされると思いますので、良いものは真似していきながら、スポーツ業界全体でこの苦境を乗り越えていければと思っています。


最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
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