なぜテーブルを使うのか?STUDIOのCMSテーブルで学ぶ
この記事は STUDIO アクセシビリティ委員会のマガジン vol.5 です。
STUDIO 株式会社のフロントエンドエンジニアの akiho です。
今回は STUDIO CMS テーブルを使って、 テーブルを使う理由と、使い方のポイントついてご紹介します。
と、なんとなくテーブルを使っている方や、STUDIO ユーザーに読んでいただき、世の中のサイトが少しでも優しいサイトになれば嬉しく思います。
ボックスレイアウトとテーブルの違い
STUDIO ではテーブルっぽいデザインを作る2種類の方法があります。
ボックスレイアウトで組み上げる
CMS テーブル
これら2つは、視覚的には同じデザインにも見えますが、スクリーンリーダー利用時は全く異なる体験になります。どのような体験になるのか、みていきましょう。
この記事では、説明に macOS の VoiceOver を利用しています。
動画は再生すると音が出ます。
ボックスレイアウトの例
実際に触れるサンプルサイトもご活用ください。
CMS テーブルの例
実際に触れるサンプルサイトもご活用ください。
体験の違いを解説
ボックスレイアウトでは、左右矢印キーのみ操作可能で、移動できる方向がボックスレイアウトのタグ構造に依存します。この例では、縦方向にのみ移動可能です。読み上げは、セルの中のテキストのみです。
CMS テーブルでは、VoiceOver 修飾キー ※1 + 上下左右矢印キーで、テーブル内のセルを上下左右自由に移動可能です。読み上げは、見出しセル(th)と、データセル(td)が組み合わせられます。
ボックスレイアウトでは移動できる方向が 1 次元なのに対し、CMS テーブルでは 2 次元です。視覚的には 2 次元である情報を、ボックスレイアウトで組んでしまうと、1 次元の方向にしか操作できないため、理解不能な情報になってしまいます。
今回の例は macOS の VoiceOver ですが、利用者が多いスクリンーリーダー Windows NVDA でも同じような挙動となります。
なぜ異なる体験になる?
スクリーンリーダーは、タグの構造を読み取って動作しています。どのタグを使うかによって、スクリーンリーダーの解釈が変化するため、利用する人の体験に影響をあたえます。
ボックスレイアウトでは、div タグを積み上げ
CMS テーブルでは、table タグを利用
div タグで 2 次元の情報を視覚的に表現することができても、スクリーンリーダーなどのマシンへ 1 次元の情報として伝わります。table タグを利用することで、マシンへ 2 次元の情報であると解釈させることができます。
STUDIO CMS テーブル利用時に押さえたい2つのポイント
見出しセル(th)を使う
テーブルの直前に見出し(h1, h2 要素など)を配置
見出しセル(th)を使う
スクリーンリーダーなどの支援技術でテーブルを読むとき、見出しセル(th)が存在すると、データセル(td)と組み合わせて読み上げられます。見出しセル(th)がないと何の行・列のデータかの理解が困難になります。※2
さきほどご紹介した CMS テーブルの例から見出しを消して比較してみましょう。以下の操作手順を実行したと想定して、以降の解説をご覧ください。
プラン名「CMS」から開始
右に1つ移動
「1,980」へ
右に1つ移動
「使える」へ
実際に触れるサンプルサイトもご活用ください。
5の操作完了時、読み上げが「使える、列 3/3」となり、「何プラン」の「何が使える」のか理解が難しいことがわかります。
見出しセル(th)が存在するケースでは、「独自ドメイン 使える、列 3/3」となり、「独自ドメイン」の情報であることが理解できます。
プラン名の見出し「CMS」が読み上げられていないのは、CMS の行内移動のためです。CMS の行の中で「1,980」から「使える」へ、右に移動している、このケースの場合、スクリーンリーダー利用者は「CMS」の情報であることを理解できます。
テーブルの直前に見出し(h1, h2 要素など)を配置
テーブルの直前に見出し(h1, h2 要素など)を配置することを推奨します。
なぜテーブルの直前に見出しを配置する?
スクリーンリーダー利用時によく使う機能として見出しジャンプがあります。テーブルの直前に見出しが配置されていると、見出しからテーブルの存在と場所を把握でき、便利です。
次の例のように、料金表を何度も閲覧するケースなどで活躍します。
料金表をみる
商品の紹介をみる(料金表ではない箇所)
また料金表をみる
テーブルジャンプも機能としては存在しますが、テーブルジャンプはテーブルが存在していることを知らないと使わないため、よく利用する見出しジャンプが重宝されます。
また、見出しを配置することでセクションと示すことができ、そこからテーブルであることを伝えることも可能です。
見出しとテーブルの内容を結びつけ、支援技術利用者に見出しからテーブルの手がかりを与え、情報及び関係性を保つことが大切です。
STUDIO CMS テーブルの使い方はヘルプ記事をご参照ください
テーブルの追加方法、でできること、できないこと、デザインの方法まで記載されています。
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参考
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