エトナ山麓 夏の終わりのバール

「白ぶどうはいつ収穫する?」
「来週雨らしいから、その前に行こうと思ってるよ」
「ああ、うちも同じ」
「うちはもう〇〇の畑は終わったよ」

なんて会話が、朝のバールで繰り広げられる9月の初め。8月の後半くらいから、収穫の準備や収穫前に終わらせておきたいワイナリーの整備などで、エトナ山麓のワイナリーは忙しくなり始めます。9月に入ると、まだまだ終わらないワイナリーの整備や諸々の事務手続きなどに追われながら、これから始まる収穫時期のために心を整える。そんな時期。

畑の環境(標高や降雨量、日照や土壌条件など)、ぶどうの状態、天気の移り変わりなどを考慮しながら、畑ごとに収穫時期を判断することになるけれど、この時期、天候が不安定になると、雹が降ることもあり、油断はできません。雨は必ずしも悪者ではないが、カビや病気の原因になりうるのです。

夫が「ワイン好きの人たちの間には、美しく楽しい収穫のイメージがあるみたいだけど、こんなにストレスフルな時期なんてないよ」と何年も前にボソッと言ったことがあったけど、本当にその通りなんですよ。

白ぶどうから始まり、ロゼ向けの黒ぶどう、熟しやすい比較的暖かい地区の黒ぶどう、寒い地区の黒ぶどうと…..これから2ヶ月間近い収穫の幕開けも、もうそろそろ。

(2018/9/17 の記事)

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