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長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する 疑義解釈資料のまとめ

2024年10月から後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養が実施されます。長期収載品の処方や調剤の取扱いについて、疑義解釈資料(その1・その2)を以下にまとめました。


【医療上の必要性について】

医療上の必要性が認められる場合とは?

医師が長期収載品の処方を「医療上の必要性」として認めるには、次のような条件があります。

  1. 効能・効果に差異がある場合: 長期収載品と後発医薬品で薬事上承認された効能・効果に差異があり、その差異が患者の治療に影響を与える場合。

  2. 副作用や治療効果の差異がある場合: 患者が後発医薬品を使用した際に副作用が生じたり、治療効果に差異が見られる場合。

  3. 治療ガイドラインでの推奨: 学会が作成したガイドラインで、長期収載品を使用している患者について後発医薬品への切り替えを推奨しない場合。

  4. 剤形上の問題: 後発医薬品の剤形が患者にとって服用しにくい場合、または吸湿性のため一包化が困難な場合など、剤形の違いにより長期収載品を選択する必要がある場合。

医療上の必要性って、具体的にどういう場合に該当するんだろう?

効能や効果に差がある場合や、副作用が出た場合、それにガイドラインが後発品への切り替えを推奨しない場合だね。

副作用が出たら、長期収載品に戻すのは保険適用されるの?

うん、安全性を考慮して戻すことが認められるよ

ガイドラインが後発品への切り替えを推奨しない場合も?

その場合も保険適用が認められるね

剤形が合わない場合はどう?

それも医療上の必要性として認められる。ただ、好みだけではダメだけどね。

問1 :医療上の必要があると認められるのは、どのような場合が想定されるのか。
(答)保険医療機関の医師又は歯科医師(以下、医師等)において、次のように判断する場合が想定される。
1.長期収載品と後発医薬品で薬事上承認された効能・効果に差異がある場合(※)であって、当該患者の疾病に対する治療において長期収載品を処方等する医療上の必要があると医師等が判断する場合。

(※)効能・効果の差異に関する情報が掲載されているサイトの一例:PMDAの添付文書検索サイト、日本ジェネリック製薬協会が公開する「効能効果、用法用量等に違いのある後発医薬品リスト」

2.当該患者が後発医薬品を使用した際に、副作用や、他の医薬品との飲み合わせによる相互作用、先発医薬品との間で治療効果に差異があったと医師等が判断する場合であって、安全性の観点等から長期収載品の処方等をする医療上の必要があると判断する場合。

3.学会が作成しているガイドラインにおいて、長期収載品を使用している患者について後発医薬品へ切り替えないことが推奨されており、それを踏まえ、医師等が長期収載品を処方等する医療上の必要があると判断する場合

4.後発医薬品の剤形では飲みにくい、吸湿性により一包化ができないなど、剤形上の違いにより、長期収載品を処方等をする医療上の必要があると判断する場合。ただし、単に剤形の好みによって長期収載品を選択することは含まれない。

また、保険薬局の薬剤師においては、1、2及び3に関して、医療上の必要性について懸念することがあれば、医師等に疑義照会することが考えられ、また、4に関しては、医師等への疑義照会は要さず、薬剤師が判断することも考えられる。なお、この場合においても、調剤した薬剤の銘柄等について、当該調剤に係る処方箋を発行した保険医療機関に情報提供すること。

長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する 疑義解釈資料の送付について(その1)

治療ガイドラインで後発医薬品への切り替えが推奨されない場合、医療上の必要性が認められるか?

認められます。医師が問1に記載された条件に基づいて、長期収載品を使用する必要があると判断した場合、それは保険給付の対象となります。ガイドラインが後発品への切り替えを推奨しない場合、長期収載品の使用が医療上の必要性として認められます。

使用感が理由で長期収載品を選ぶことって、医療上の必要性として認められるのかな?

基本的には、使用感だけでは認められないんだよ。でも、もし有効成分に関係する重要な理由があれば、医師が判断して保険適用されることはあるよ。

じゃあ、医師が適切な理由を持って選んだ場合は、保険給付も認められるんだね。

そうだね。問1に書いてある条件に該当する場合なら、医療上の必要性として保険適用が認められるよ

問2 :治療ガイドライン上で後発医薬品に切り替えないことが推奨されている場合については、長期収載品を使うことについて、医療上の必要性が認められるということでよいか。例えば、てんかん診療ガイドライン 2018(一般社団法人日本神経学会)では、「後発医薬品への切り替えに関して,発作が抑制されている患者では,服用中の薬剤を切り替えないことを推奨する.」、「先発医薬品と後発医薬品の治療的同等性を検証した質の高いエビデンスはない.しかし,一部の患者で,先発医薬品と後発医薬品の切り替えに際し、発作再発、発作の悪化,副作用の出現が報告されている」とされているところ、この場合に医療上の必要性は認められるか。
(答)医師等が問1の3に該当すると判断し、長期収載品を処方等する医療上の必要があると判断する場合であれば、保険給付となる。

長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する 疑義解釈資料の送付について(その1)

使用感などの理由で医療上の必要性を認めることは可能か?

医師が適切な理由を持って長期収載品を選択した場合に限り、その選択が保険適用されます。基本的には使用感のみを理由とすることは認められませんが、問1に記載された条件に該当する場合であれば、医療上の必要性として保険給付が認められます。

使用感だけを理由に長期収載品を選ぶことって、医療上の必要性として認められるのかな?

基本的には、使用感だけでは医療上の必要性としては認められないんだ。でも、医師が適切な理由を持って選んだ場合で、問1にある条件に該当すれば、その選択が保険適用されることはあるよ

つまり、有効成分と関係ない理由では難しいけど、特定の条件が揃えば認められるってことか

その通り。医師が慎重に判断して、必要性があると認めた場合なら、保険給付が認められるケースもあるんだ

問3|使用感など、有効成分等と直接関係のない理由で、長期収載品の医療上の必要性を認めることは可能か。
答|基本的には使用感などについては医療上の必要性としては想定していない。
なお、医師等が問1の1〜4に該当すると判断し、長期収載品を処方等する医療上の必要があると判断する場合であれば、保険給付となる。

長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する 疑義解釈資料の送付について(その1)

【薬局における医療上の必要性の判断について】

薬剤師が疑義照会なしで長期収載品を調剤できるか、また、その場合に保険給付が可能か?

先発医薬品(長期収載品)が処方されている場合(「変更不可欄に記載なし)
保険給付する場合、問1の4(剤形上の違い)による理由を除き、疑義照会が必要です。

後発医薬品銘柄処方した場合(変更不可欄に記載なし)
現下の医療用医薬品の供給状況における変更調剤の取扱いについて」に基づき、疑義照会なしで長期収載品を調剤することが可能です。その上で、問1の4(剤形上の違い)のみ、疑義照会不要で医療上の必要性を判断することができます

薬先発医薬品と後発医薬品の処方について、医療上の必要性の判断はすればいいんだろう?

まず、医師が先発医薬品(長期収載品)を処方している場合だけど、基本的に問1の4(剤形上の違い)を除いて、長期収載品を調剤する場合は疑義照会が必要になるんだ。

なるほど。じゃあ、後発医薬品が処方されている場合は?

後発医薬品が処方されている場合は少し違っていて「現下の医療用医薬品の供給状況における変更調剤の取扱いについて」に基づいて、疑義照会なしで長期収載品を調剤することができるんだよ。その上で、問1の4(剤形上の違い)による医療上の必要性を判断するようになるんだよ。

問4 |「長期収載品の処方等又は調剤について」(令和6年3月 27 日保医発0327 第 11 号)の「第1 処方箋様式に関する事項」の「3 長期収載品を銘柄名処方する場合における取扱について」の(4)において、「処方の段階では後発医薬品も使用可能としていたが、保険薬局の薬剤師において、患者が服用しにくい剤形である、長期収載品と後発医薬品で効能・効果の差異がある等、後発医薬品では適切な服用等が困難であり、長期収載品を服用すべきと判断した場合には、医療上必要がある場合に該当し、保険給付とすることも想定されること。」とあるが、このような場合には処方医へ疑義照会することなく、薬剤師の上記判断に基づいて、従来通りの保険給付が可能という理解でよいか。
また、医師等が後発医薬品を銘柄名処方した場合であって、「変更不可(医療上必要)」欄に「✓」又は「×」が記載されていない場合に、長期収載品を調剤する医療上の必要があると考えられる場合は、処方医へ疑義照会することなく、薬剤師の判断で従来通りの保険給付は可能か。
答|それぞれの場合について、考え方は次のとおりである。

医師等が長期収載品を銘柄名処方し、「変更不可(医療上必要)」欄に「✓」又は「×」が記載されていない場合に、薬剤師として長期収載品を調剤する医療上の必要があると考える場合
医療上の必要性の判断の観点から、問1において保険薬局の薬剤師について記載するとおりの取扱いとなる。

医師等が後発医薬品を銘柄名処方し、「変更不可(医療上必要)」欄に「✓」又は「×」が記載されていない場合に、薬剤師として長期収載品を調剤する医療上の必要があると考える場合
変更調剤に該当するところ、「現下の医療用医薬品の供給状況における変更調剤の取扱いについて」(令和6年3月15 日厚生労働省保険局医療課事務連絡)において、当面の間、疑義照会なく、変更調剤できることとしている。
その上で、医療上の必要性の判断の観点から、問1において保険薬局の薬剤師について記載するとおりの取扱いとなる。

長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する 疑義解釈資料の送付について(その1)

【一般名処方について】

患者が長期収載品を希望し、薬剤師がその理由を聴取した際の対応は?

疑義解釈その1の問1の4(剤形上の違いにより、長期収載品を処方等をする医療上の必要があると判断する場合)以外は疑義照会が必要です。

患者さんが一般名処方の薬を持ってきて、長期収載品を希望した場合って、どう対応すればいいのかな?

疑義解釈その1の問1の4(剤形上の違いにより、長期収載品を処方等をする医療上の必要があると判断する場合)以外は疑義照会が必要だね

じゃあ、効能・効果の違いやガイドラインで推奨されていた場合も疑義照会が必要なの?

問1の後段に記載する通りと書かれているからね。問1の4(剤形上の理由)以外は疑義照会が必要だね。医療上の理由がある場合は先発医薬品の銘柄+変更不可(医療上必要欄に✔または✕)、署名または印でないといけないからね。
厚生労働省,長期収載品の処方等又は調剤について(保医発 0327 第 11 号 令和6年3月 27 日)

問5|「長期収載品の処方等又は調剤について」の「第 1 処方箋様式に関する事項」の「4 一般名処方する場合における取扱について」の(2)において「一般名処方の処方箋を保険薬局に持参した患者が長期収載品を希望した場合には、選定療養の対象となること。」とあるが、一般名処方された患者が薬局で長期収載品を希望し、薬剤師がその理由を聴取した際に、患者希望ではあるものの、患者の疾病に関し、長期収載品と後発医薬品における効能・効果等の違いがある等の医療上の理由と考えられる場合には、保険薬局の判断で従来通りの保険給付とすることは可能か。
答|1の後段に記載する通り。

長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する 疑義解釈資料の送付について(その1)

院内処方での長期収載品の使用には記録が必要か?

診療報酬を請求する際には、その処方理由を診療報酬請求書等に記載する必要があります。医師の判断のみではなく、適切な記録が求められるため、手続き上の透明性が確保されます。

問6|院内処方用の処方箋がない医療機関において「医療上の必要性」により長期収載品を院内処方して保険給付する場合、単に医師等がその旨の判断をすれば足りるのか。あるいは「医療上の必要性」について、何らかの記録の作成・保存が必要なのか。
答|診療報酬を請求する際に、「「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正について」(令和6年7月 12 日保医発 0712 第1号)の別表Iを踏まえ、診療報酬請求書等の「摘要」欄に理由を選択して記載すること。

長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する 疑義解釈資料の送付について(その1)

院内採用品に後発医薬品がない場合の対応は?

後発医薬品がない場合、従来通りの保険給付として扱われます。しかし、後発医薬品の使用促進が推奨されているため、可能であれば後発医薬品の採用を進めることが望まれます。

問7 |院内採用品に後発医薬品がない場合は、「後発医薬品を提供することが困難な場合」に該当すると考えて保険給付してよいか。
答|患者が後発医薬品を選択することができないため、従来通りの保険給付として差し支えない。なお、後発医薬品の使用促進は重要であり、外来後発医薬品使用体制加算等を設けているところ、後発医薬品も院内処方できるようにすることが望ましい。

長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する 疑義解釈資料の送付について(その1)

入院期間中の「退院時処方」は選定療養の対象となるか?

入院中の処方と同様に扱われ、選定療養の対象外とされます。退院時の処方も入院中の一部とみなされます。

問8|長期収載品の選定療養について、入院は対象外とされているが、入院期間中であって、退院間際に処方するいわゆる「退院時処方」については、選定療養の対象となるのか。
答|留意事項通知において「退院時の投薬については、服用の日の如何にかかわらず入院患者に対する投薬として扱う」とされているところであり、入院と同様に取り扱う。

長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する 疑義解釈資料の送付について(その1)

在宅医療での自己注射は選定療養の対象か?

在宅医療においても自己注射を処方した場合、選定療養の対象となります。

問9|在宅医療において、在宅自己注射を処方した場合も対象となるか。
答|そのとおり。

長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する 疑義解釈資料の送付について(その1)

【後発医薬品を提供することが困難な場合について】

後発医薬品が供給困難な場合の判断基準は?

供給状況に基づいて判断するのではなく、実際にその薬局や医療機関で後発医薬品を提供できるかどうかが基準となります。供給が困難な場合は、長期収載品を選択することが認められます。

後発医薬品が供給困難な場合、どうやって判断するんだろう?供給状況で決めるのかな?

実は供給状況だけじゃなくて、実際にその薬局や医療機関で後発医薬品を提供できるかどうかが基準なんだよ。もし提供が難しければ、長期収載品を選ぶことが認められるんだ

なるほど。つまり、出荷停止や調整があったかどうかじゃなくて、その場で本当に提供できるかが大事なんだね

その通り。現場の状況が判断の基準になるんだよ

問 10 |「当該保険医療機関又は保険薬局において、後発医薬品の在庫状況等を踏まえ、後発医薬品を提供することが困難な場合」について、出荷停止、出荷調整等の安定供給に支障が生じている品目かどうかで判断するのではなく、あくまで、現に、当該保険医療機関又は保険薬局において、後発医薬品を提供することが困難かどうかで判断するということでよいか。
答|そのとおり。

長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する 疑義解釈資料の送付について(その1)

【公費負担医療について】

公費負担医療を受けている患者が長期収載品を希望した場合って、どう対応すればいいんだろう?

その場合でも、医療上の必要性が認められない限りは、選定療養の対象になるんだ。だから、通常の患者と同じように扱われるよ

つまり、医療上の必要性がない場合は、患者が希望しても選定療養として自己負担が発生するってことだね

そうだね。国の公費負担医療制度や地方単独の公費負担医療を受けている患者も、他の患者と同様に、医療上の必要性がなければ選定療養の対象になるよ。ただし、医療上必要と認められた場合は、従来通り保険給付が適用されるんだ

・・・

公費負担医療の患者が長期収載品を希望した場合の対応は?

公費負担医療を受けている患者であっても、医療上の必要性が認められない場合は、選定療養の対象となります。つまり、長期収載品を希望する場合、通常の患者と同様に選定療養の対象として扱われます。

問 11| 医療保険に加入している患者であって、かつ、国の公費負担医療制度により一部負担金が助成等されている患者が長期収載品を希望した場合について、長期収載品の選定療養の対象としているか。
答|長期収載品の選定療養の制度趣旨は、医療上必要があると認められる場合等は、従来通りの保険給付としつつ、それ以外の場合に患者が長期収載品を希望する場合は、選定療養の対象とすることとしたものであることから、今般、対象外の者は設けておらず、国の公費負担医療制度の対象となっている患者が長期収載品を希望した場合についても、他の患者と同様に、長期収載品の選定療養の対象となる。
なお、医療上必要があると認められる場合に該当する場合は、従来通りの保険給付として差し支えない。

長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する 疑義解釈資料の送付について(その1)

地方単独の公費負担医療を受けている患者の場合はどうか?

地方単独の公費負担医療を受けている患者も同様に、医療上の必要性がない場合は選定療養の対象となります。医療上の必要性が認められれば、従来通り保険給付の対象となります。

問 12 |医療保険に加入している患者であって、かつ、こども医療費助成等のいわゆる地方単独の公費負担医療の対象となっている患者が長期収載品を希望した場合について、長期収載品の選定療養の対象としているか。
答|長期収載品の選定療養の制度趣旨は、医療上必要があると認められる場合等は、従来通りの保険給付としつつ、それ以外の場合に患者が長期収載品を希望する場合は、選定療養の対象とすることとしたものであることから、今般、対象外の者は設けておらず、こども医療費助成等のいわゆる地方単独の公費負担医療が対象となっている患者が長期収載品を希望した場合についても、他の患者と同様に、長期収載品の選定療養の対象となる。なお、医療上必要があると認められる場合に該当する場合は、従来通りの保険給付として差し支えない。

長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する 疑義解釈資料の送付について(その1)

【処方箋の記載について】 

「変更不可」と「患者希望」欄に両方に✓や×がついた場合の対応は?

通常、そのような事態は想定されておらず、もし発生した場合は、保険薬局から医師に疑義照会を行う必要があります。医療機関のシステムでもこのような記載はできないようになっています。

問1 |「変更不可(医療上必要)」欄及び「患者希望」欄の双方に「✓」又は 「×」がついた場合、保険薬局においてはどのような取扱いになるか。
答|「変更不可(医療上必要)」欄及び「患者希望」欄の双方に「✓」又は「×」 がつくことは、通常は想定されず、医療機関のシステムにおいても双方に 「✓」又は「×」を入力することはできないと考えられるが、仮にそのよう な場合があれば、保険薬局から処方医師に対して疑義照会を行う等の対応 を行うこと。 
なお、医療機関では、「長期収載品の処方等又は調剤について」(令和6年 3月 27 日保医発 0327 第 11 号)において、「「変更不可(医療上必要)」欄に 「✓」又は「×」を記載した場合においては、「患者希望」欄には「✓」又 は「×」は記載しないこと。」としているところであり、医療上の必要性が ある場合は、「変更不可(医療上必要)」欄にのみ「✓」又は「×」を記載すること。 

長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する 疑義解釈資料の送付について(その2)

制度施行前に処方された薬品の取扱いは?

制度施行前に処方された長期収載品は、従来の取扱いが適用されます。

問2|令和6年 10 月1日前に処方された長期収載品であって、保険薬局に 10 月1日以降に処方箋が持ち込まれた場合は制度施行前の取扱いとなるの か。
答|そのとおり。 

長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する 疑義解釈資料の送付について(その2)

リフィル処方箋や分割指示のある処方箋が持ち込まれた場合の取扱いは?

制度施行の処方に基づくものであれば、従来の取扱いが適用されます。

問3|令和6年 10 月1日前に処方された長期収載品であって、保険薬局に 10 月1日以降に 2 回目以降の調剤のためにリフィル処方箋や分割指示のある 処方箋が持ち込まれた場合は制度施行前の取扱いとなるのか。
答|そのとおり

長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する 疑義解釈資料の送付について(その2)

旧様式の処方箋で、理由記載がないものの取扱いは?

保険薬局は、処方医師に疑義照会を行う必要があります。記載内容に不備がある場合は、必ず確認が必要です。

問4|令和6年 10 月1日以降に旧様式の処方箋で処方された長期収載品であって、後発品変更不可にチェックがあるものの、理由について記載がされていないものについてどう扱えばよいか。
答|保険薬局から処方医師に対して疑義照会を行う等の対応を行うこと。

長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する 疑義解釈資料の送付について(その2)

掲示内容について参考にするものは?

厚生労働省が提供するポスターを参考にすることが推奨されています。ポスターには、後発医薬品の利用促進や、長期収載品の取扱いに関する情報が示されています。

問5 |「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定め る掲示事項等」(平成 18 年厚生労働省告示第 107 号)第三の十四(三)に おいて、「後発医薬品のある先発医薬品の処方等又は調剤に係る費用徴収 その他必要な事項を当該保険医療機関及び当該保険薬局内の見やすい場 所に掲示しなければならないものとする。」とされているが、掲示内容に ついて参考にするものはあるか。
答|院内及びウェブサイトに掲示する内容については、以下の URL に示すポ スターを参考にされたい。 
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_39830.html

長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する 疑義解釈資料の送付について(その2)

【診療報酬明細書の記載について】 

電算化が未実施の医療機関・薬局では、薬価が175円以下の場合、薬剤名や投与量の記載は不要ですが、医療上の必要性に基づいて長期収載品を処方した場合の理由は記載が必要ですか?

記載は不要です。医事会計システムの電算化が行われていない保険医療機関や薬局では、特定の条件を満たせば、薬剤名や投与量の記載は必要ありません。

問6|医事会計システムの電算化が行われていないものとして地方厚生(支) 局長に届け出た保険医療機関及び保険薬局については、薬剤料に掲げる所定単位当たりの薬価が 175 円以下の場合は、薬剤名、投与量等を記載する 必要はないとされているが、医療上の必要性等により長期収載品を処方等 又は調剤した場合の理由は記載が必要となるのか。
答|記載不要。 

長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する 疑義解釈資料の送付について(その2)

【公費負担医療について】 

生活保護受給者が長期収載品を希望した場合って、どう対応すればいいんだろう?

基本的には、医療上の必要性が認められない限り、生活保護受給者には後発医薬品を提供することになるね。医療上の必要性がない場合、長期収載品は選べないんだ

じゃあ、もし医療上の必要性が認められた場合はどうなるの?

その場合は、長期収載品も医療扶助の支給対象になるよ。ただし、あくまで医療上の必要性がある場合に限られるけどね

嗜好で長期収載品を選びたいと言われた場合、追加料金を取ることはできるのかな?

それはできないよ。嗜好だけで長期収載品を選ぶことは認められないし、後発医薬品が強制的に提供されるから、特別な料金を徴収することはないんだ

・・・

生活保護受給者が長期収載品を希望した場合の対応は?

医療上の必要性が認められない限り、生活保護受給者には後発医薬品が提供され、長期収載品を選択することはできません。しかし、医療上の必要性が認められる場合は、長期収載品も医療扶助の支給対象となります。

問7|生活保護受給者である患者が長期収載品を希望した場合は、どのように 取り扱うことになるのか。
答|【長期収載品の処方等が医療扶助の支給対象にならない場合】 「生活保護法第五十二条第二項の規定による診療方針及び診療報酬」(昭 和 34 年厚生省告示第 125 号)第2に基づき、生活保護受給者については、 長期入院選定療養以外の選定療養は医療扶助の支給対象とはならないとしている。 
このため、生活保護受給者である患者が、医療上必要があると認められないにもかかわらず、単にその嗜好から長期収載品の処方等又は調剤を希望 する場合は、当該長期収載品は医療扶助の支給対象とはならないため、生活保護法(昭和 25 年法律第 144 号)第 34 条第3項に基づき、後発医薬品処方等又は調剤を行うこととなる。 
長期収載品の処方等が医療扶助の支給対象になる場合 
長期収載品の処方等を行うことに医療上必要があると認められる場合は、 当該長期収載品は医療扶助の支給対象となる。 

長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する 疑義解釈資料の送付について(その2)

生活保護受給者が嗜好により長期収載品を選択した場合の料金徴収は?

患者の嗜好に基づいて長期収載品を選択することはできず、後発医薬品が強制的に提供されるため特別の料金を徴収するケースは生じません。

問8|生活保護受給者である患者が、単にその嗜好から長期収載品を選択した場合、「特別の料金」を徴収するのか。
答|生活保護受給者である患者について、医療上の必要性があると認められず、 かつ、保険医療機関又は保険薬局において後発医薬品を提供することが可能である場合は、長期収載品を医療扶助又は保険給付の支給対象として処方等又は調剤することはできないため、当該患者が単にその嗜好から長期収載品を希望した場合であっても、後発医薬品を処方等又は調剤することとなる。そのため、「特別の料金」を徴収するケースは生じない。

長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する 疑義解釈資料の送付について(その2)

結び

関連資料

厚生労働省,後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について

厚生労働省,長期収載品の処方等又は調剤について(保医発 0327 第 11 号 令和6年3月 27 日)

▼掲示物


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