【過去の仕事の振り返り#1】地域住民に信頼される「かかりつけ薬局」を目指して-患者満足度調査分析結果から-
ゴールデンウィークの連休を利用して、過去に行ってきた仕事を整理して振り返りをしようと思い立ちました。PCに保存している資料を整理してnoteにまとめていこうと思います。
残存している資料で一番古いのが2012年12月に徳島大学で行われたポスターセッションの抄録です。
目的
少子高齢化が顕著に進む徳島県西部地区において、人口が年々減少している一方で、65歳以上の高齢者は3割を超えている。また保険調剤業務のみでは多様化する医療ニーズに対応できなくなりつつあり、薬局・薬剤師の役割や価値を問い直す時期に来ている。新たな薬局・薬剤師の役割や価値を創造し、地域住民に信頼される『かかりつけ薬局』を目指すための第1歩として患者満足度調査を実施した。
方法
グループ薬局4店舗で合計1,190枚の返信封筒付きのアンケート用紙を配布した。第3者機関に調査を依頼することで遠慮のない意見を記入してもらうように配慮した。
結果
配布アンケート用紙486枚が回収できた(回収率40.8%)。満足度は93%以上と高かった。高齢患者が多い店舗では、その患者さんの「かかりつけ薬局」となっているが、小児患者の多い店舗での「かかりつけ薬局」度は50%未満と低い。薬局利用の理由で最も多かったのは「病院から近い」であり、次いで「丁寧な説明」、「スタッフ対応が良い」であり、他に「待ち時間が短い」や「よく話を聞いてくれる」などであった。
考察
当グループ薬局を選択している理由の第1位が「病院から近い」ということから、現在提供している医療サービス内容では立地以外の決定的な違いが見いだせていない。調剤薬局は差別化しにくい業態ではあるものの、立地以外の価値を創造していく必要性があることが判明した。徳島県西部地区は3大生活習慣病が全死亡の5割強を占め、特に糖尿病による死亡割合は全国平均よりも高く、生活習慣病予防について「かかりつけ薬局」の担う役割は重要である。「かかりつけ薬局」として地域住民の健康問題に対し、積極的に情報発信する必要がある。今回の調査で明らかになった問題点を認識・改善し、多様な医療ニーズに対応することを通して地域医療に貢献し、住民に信頼される「かかりつけ薬局」になる第1歩を踏み出していきたい。
振り返ると10年前に感じていた課題は、現在でも解決していないですね。努力不足なのか努力の方向性が悪いのか検証する必要があります。オンライン診療・服薬指導、リフィル処方せんで「立地依存」の世界線が変わる可能性がでてきたので、変化に対応しないといけないですね。