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プレガバリンが効かないという80歳女性の考察から薬歴作成まで

背景

神経障害性疼痛でプレガバリンを服用中の80歳女性の患者さん。
プレガバリンを服用していてもなかなか痛みがおさまらないので、薬の服用も滞りがちになっている。

処方:プレガバリンOD錠25mg 2錠 1日2回 朝・夕食後 30日分

年齢80歳 女性
クレアチニン・クリアランス:50.5mL/min

リリカの服用は有害事象に注意をしながら初期用量から開始し、維持用量、最高用量と増やしていく必要がある。維持用量になるまでは効果が少ないので、服用の脱落がないように増量の見通しをたてて説明する必要がある。

リリカの効果がない (1)

Ccr≧30-<60mL/minでのリリカ®服用量を考える

今回の80歳女性のケースについて考察してみます。プレガバリンの用量は、クレアチニン・クリアランスが30~60 ml/minの場合、50mg/日とされています。したがって、現在の効果が不十分なのは、まだ適切な薬の量を服用していないためだと考えられます。有害事象を見ながら徐々に薬の用量を増やしていく方針を説明しました。次回も処方の変更がない場合、トレーシングレポートを活用する必要があるでしょう。

リリカ®電子添文より

電子薬歴GooCoの雛形を作成する

プロブレム:維持量まで継続してもらう(プレガバリン)
S:薬をのんでも痛みがおさまらない
O:50mg/日
O:クレアチニン・クリアランス(CCr)50.5mL/min
A:クレアチニン・クリアランスが30~60mL/minの患者の維持量は150mg/日であり、現在の投与量はまだ維持量に達していない
A:有害事象がなければ、維持量まで根気よくつづけてもらう
EP:維持量の見通しについて説明
OP:神経痛は改善したか?
OP:プレガバリンが漸増したか確認する
OP:次回処方変更がなければトレーシングレポートを活用
FR:常用量:初期150mg/日(1日2回)、維持300mg/日(1日2回)、最大600mg/日(1日2回)

プロブレム:腎機能に応じた投与量や投与間隔(プレガバリン)
A:腎機能の応じた投与量のため問題ない
EP:継続服用すること
OP:腎機能を定期的に確認する
FR:透析:初期25mg、維持25-75mg 、最大100-150mg
FR:Ccr<15:25-75mg/日→初期25mg/回(1日1回)、維持25-50mg/回(1日1回)、最大75mg/日(1日1回)
FR:15<Ccr<30:25-150mg/日→初期25-50mg/回(1日1回)、維持75mg/回(1日1回)、最大75mg/回(1日2回)or150mg/回(1日1回)
FR:30<Ccr<60:75-300mg/日→初期25mg/回(1日3回)or75mg/回(1日1回)、維持50mg/回(1日3回)or75mg/日(1日2回)、最大100mg/回(1日3回)or150mg/回(1日2回)
FR 60<Ccr:150-600mg/日→初期75mg/回(1日2回)、維持150mg/回(1日2回)、最大300mg/回(1日2回)



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