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物は使いよう

格闘技は基本、前に居る相手を想定している。

そらそうよ。
一対一で、よーいどんで始める競技なのだから。

観客がいて、見せて楽しませるための「演物(だしもの)」
なのよ、最初の成り立ちから。


様々な制約…レギュレーションを付けて、個の優劣を現すんだけど。

興行として、
「強さ」
を全面に押し出すほど、公平であることが望まれる。

となると、前提条件として
「閉鎖空間で、目の前に居る相手」が対象となる。


武術となると、条件が変わる。
「生き延びること」
これだけが絶対目標で、
あとのものはそれを達成するための有利な条件、でしかない。

精神論も、平和主義も、組織力も、言ってしまえば「世を生き抜くための方便」でしかないわけで。

これを応用して、武道…模範的な人格形成になっていったんだろうね。

社会で受け入れられる、有用なものとして。
これも生き抜くための行動…というのも捻くれ過ぎかね。


前置きが長くなったし、話が斜め上にかっ飛んでいった気がするけど…

普段目にするのは
「相手が前に居る」想定の動きなのよ。

でも、闇討ち不意討ち袋叩き雪隠詰めなど、有利になる条件は前からじゃないのばかりよね。
(まあだからルール化されて制約されてんだけど)


空手も元は荒事のためのものだから、
その対処も含まれてたりするんだけど…
普通想定しないよな、そんなことw

じゃあどうすんのよ?と。

「顔の方向が正面」よ、ということを型は教えてくれてる。

型を打つときの基本として、進行方向に目線を向けてから動作する。

情報の9割を視覚から得る、という人間だからこその習性よね。

でも、これの出来てる人ってほぼいない。
なんとなーく見てて、なんとなーく動いて、できた、できない、と。

まず本当に「見てる?」

視点を固定して凝視すると言うんでなくて。
全体を絵として把握し、動きを判断して対処してく。


顔、視線さえ向ければ、正面は移行するんだけど…
じゃあどうやって動けばいいの?となると、
「変わらんよ」と。

体の捩じり、なんて言われてるものは、うまくなるほど体の中で作って見えなくなるものなんだけど…
それを表に出すだけで、横への攻撃になる。

例えば中段正拳突きは、自分のみぞおちあたりを狙って突くと言われるんだけど。(あくまで一例)

顔を横に向け、足を半歩引いて…それだけでしっかり腰の入った突きになる。

こないだ教えた壁に大の字に貼り付いて、自分の手を蹴るのもそう。


これが普通の突き蹴りの制御の仕方だけど…

多分聞かれたのは、他に技はないのか、という意味なんだろな。


鉄槌や裏拳、足刀、体当たり、肘打ちも使えるな。
旋回して当てるものは、遅くなるけど牽制にはなる。

鉄槌も裏拳も、正面に打つときは上から回して打ち付けるけど、(一例)
横のときは肘から先で相手を見て、腰からのバネを使って濡れタオルのように横に振る。

足刀は膝をあぐらみたいに掻い込んで、そのまま真っすぐ横に飛ばす。

体当たりは体重移動やね。
腰骨や肩甲骨のところで弾き飛ばしてやる。

肘は、ねじ込むように直線で打ったり、振り回したり。

最後はてけとーになってるなw
見せんと言葉では分からんもんなあ、こういうのは。

でもまあ、こういうのがあるよ、ということで。
もちろん、他にもいくらでもすごいのがあるんだろうけど…

私は普通の人なので、超人的なことはできやしませんてwww