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Shinnosukeさんインタビュー 前編【クリエイター図鑑Vol.2】

Shinnosukeさんインタビュー ―――――

秋葉原のどこかで喫茶店を営む、リサ・ナナの2人がインタビューしていく『あきかふぇクリエイター図鑑』第2回!
今回は、SOUL'd OUTの元メンバーであり、ミュージシャン、作曲家、作詞家、編曲家、音楽プロデューサー、DJ等幅広く活躍中のShinnosukeさんにインタビュー!

あきかふぇぷろじぇくと ナナ・リサ

こちらのインタビューは、秋葉原を中心に配布しているフリーペーパー秋コレ55号・56号紙面記事として掲載しています。通販もございます!!


フリーペーパー秋コレ55号

💟Shinnosukeさんのお仕事は…?

リサ:あの有名なShinnosukeさんにインタビュー……緊張……!

ナナ:まずは自己紹介をお願いしたいにゃ!

Shinnosuke :2014年にSOUL’d OUT を解散してからは楽曲提供やプロデュースなどのスタジオワークスをメインとしながら色々とユニットやバンド活動などなど、たまにDJなんかもやってます。と猫様の召使い業務。基本的には引き篭もりストな活動内容です(笑)

ナナ:猫様にゃ~!!!!

リサ:……楽曲制作について教えてください。

Shinnosuke:メジャー/インディーズ、2次元/3次元、などなど内容問わず関係者繋がりでお話や、ご指名いただいたり。コンペなんかもやります。不採用でも忘れた頃に違う案件で採用された、なんて事もたまにあったりしますね。
SOUL’d OUT を好きで、当時聴いて下さってた方が今はレコード会社や事務所のスタッフになって自分で好きに制作できるので僕を使ってくれたり、なんかもあります。彼等にとっては「夢でした」なんて言ってくださったりもしますが…本当にありがたいです。

ナナ:大好きな方と一緒にお仕事できるようになりたい!というのは夢だもんにゃ……!

Shinnosuke:最近はアニメ関係の仕事が多いのですが、元々僕はJ-Pop業界でデビューして活動していたので今でもいわゆる「アニメ(アニソン)業界」に詳しいわけでもないのです。最初は結構未知数な面もありました。
声優さん達がご自身のアーティスト活動で歌われる曲とキャラソン的なアニメ作品の中で歌う曲は色々と違うなどは新鮮でしたし、楽曲の制作自体のやり方もJ-Popとは少し違うなと感じる事もあったりとか。とか、いまだに少しずつ慣れていってる感じです。

リサ:同じ音楽業界でも違いがあるのね!

Shinnosuke:アニメの世界観を知らないと作り込めない面も多分にあるので事前に資料をいただいてデモを作っていきます。ただ根本的なところは僕自身のクリエイティビティとして昔と変わりなく自分の個性を重視してやらせていただいてますね。それが面白いから使っていただけてるんだとも思います。あとはSOUL’d OUT時代のパブリックイメージなどもあるでしょうし、今でもそういう面を求められてるケースも少なくないんだろうな、とか。
締切の都合など色々な事もあるので、僕の場合は「作品をじっくり見てから(プレイしてから)完全に理解した上で作る」ということはあまりありません。
逆にそこまで理解しすぎない方が新しい要素で作れる、というポジティブな面もありますしね。ケースバイケースですけど自由に楽しくやらせていただいてます。

💟楽曲制作のこだわり

リサ:キャラクターユニット等の楽曲制作の際、世界観をどのように作品に落とし込んでいるんですか?

Shinnosuke:やっぱり一番は「そのキャラクター(作品)が最も輝ける楽曲を」なんですが、「そのキャラのファンが喜んでくれる曲」ということになると思うんですよ。
ここ数年は「アイドリッシュセブン」というコンテンツ内の男性アイドルユニットへ数曲提供させていただいてます。具体的なイメージなども僕なりに蓄積されてきているので勝手ながら「僕が彼等をプロデュースするとこうなるよ」という感覚もあったりします。(実際には「出過ぎた真似をするな」になってしまいますのでそこまでではないですけど。内心、ね。)

Shinnosuke:CVを担当されている声優さん達の声質とかも分かってきているので、そういう面でもそれぞれが活きるようなメロだったり音域だったり歌詞だったりを意識して使い分けたり。
キャラの背景や作品のストーリーなどを踏まえた楽曲というのがほとんどなので「そのキャラにこの歌詞を歌ってもらいたいな」と思って書くフレーズもあるし、連想ゲーム的にどんどん脳内で絵を何枚も出して膨らませて描いて行くことも多いです。僕の場合は最初にバックトラックを作ってからその上にメロディーを乗せて、最後に歌詞、という作り方が多いんですね。

ナナ:いろんな工程を経て楽曲ができているんだにゃ~

Shinnosuke:最後に「ミックス」(※1)という作業があるんですが僕は昔からその工程をかなり重視してまして。
最近はそこも自分でやるケースや、他のエンジニアさんに作業を振る場合は信頼している方にお願いすることもあり「アニソンだからこんな感じ」みたいな雛形イメージがあるとします。
それはそれで「良いから」雛形になっているので大切にしますが、僕は元々洋楽だったりダンスミュージックだったりが大好きなので、その辺もアニソン的ではなく「洋楽的」な音像にしたいんですよね。少し低音を多めに仕上げたり、「歌がしっかり聴こえてれば良い」じゃなくて一緒にバックトラックの音もカッコ良く聞かせたいなという。その辺は J-Pop側でデビューして生きていたので、という感覚なのかもですね。どっちが良い悪いとかではなくて。僕の好みとして、という。
それが結果的にファンの方々にもかっこいいと思っていただけてるみたいなので僕の持ち味にもなってるのかな?と。
でも今のアニソンって本当にカッコいい曲ばかりなので、偉そうに語った上記の僕のこだわりも特にどうって事もないんですけどね。逆に勉強させていただきながらやってます。今の若い方達のセンスは素晴らしいです。

【※1】歌とか各楽器とかのバランスを取って整えていって聴きやすくしていく作業の事

💟秋葉原のイメージ

ナナ:Shinnosukeさんは秋葉原には来たことあるにゃ?イメージとかも聞きたいにゃ!

Shinnosuke:秋葉原と言えばアニメ!とか萌文化、とかだと思うんですけど、僕は楽器屋さんのイメージなんですよ。今は違うんですけど、デビュー前はバイトしてお金貯めて楽器を買いに行ってた街なんです。初めてローン組んでMac買ったりとか…
今はもうその楽器屋さんとかも無くなってますけどね。街自体がだいぶ変わったなぁ、という印象です。

リサ:秋葉原は、ここ数年でもだいぶ変わったわよね。

Shinnosuke:あ、でもフィギュアとかガンプラ系とかたまに観に行ったりしますよ。沢山集めてるわけではないんですけど、ほんとたまーにちょっと観に行ったりとかはあります。
昔はアニメイトさんとか行ったりもしましたけどね(アキバじゃなかったかな…?)。セル画の下敷とか缶ペンケースとか、ゲームのサントラとか買いに行ったなぁ。
最近はそういうアニソン系とか電子系とかのDJイベントも開催されてるんですよね?僕はまだアキバでプレイした事ないのでやってみたいなと前から思っていますよ!何か機会あったらぜひお声がけください!

ナナ:Shinnosukeさんご本人のDJイベント…とっても盛り上がりそうだにゃ!

💟幼少期の思い出

ナナ:Shinnosukeさんは幼い頃どんな子どもだったにゃ?

リサ:幼少期に好きだったこと、こだわりなどがあれば教えてください。

Shinnosuke:父親がグラフィックデザイナーだったというのもあってお絵描き・工作大好きっ子でした。
意味はほとんど分かってないけど「将来はデザイナーになるんだ!」みたいな気持ちを持ってました。
週刊少年ジャンプの黄金時代だったのもあって漫画やアニメ、特撮物なども大好きでしたね。
基本的には外で遊ぶより中で籠って遊ぶ方が好きだったのでテレビっ子だったし、初代ファミコンを買ってもらってからはゲームばっかりだったし。

ナナ:ゲームに工作……インドア派だにゃ!

Shinnosuke:あとは母の影響だと思うんですが小説なども好きで、一緒に近所の図書館や書店に行って本を買ってもらうのが嬉しかったなぁ。

リサ:本はどんなものが好きだったのかしら?

Shinnosuke:ファンタジー系の作品とかゲームブックとか大好きでしたね。自分で考えたオリジナルのイラスト描いてRPGの設定資料集みたいなのを作ったり、ゲームブックみたいな漫画っぽいのをノートに描いて友達にやらせたり。小学校の夏休みの自由研究で漫画も描きました。初めてケント紙とGペンとスクリーントーンを買ってもらって。

ナナ:まるで同人活動みたいだにゃ!

Shinnosuke:当時はまだオタクという言葉は出始めたくらい?で今ほど浸透してない時代だったと思いますが、間違いなくオタクでしたね(笑)
多分「世界観」を重視してたと思います。色々なコンテンツに触れて楽しんでましたけど、細かい設定とか好きだったし。

リサ:歌や音楽についてはどうでしたか?

Shinnosuke:歌番組が今より沢山色々とテレビで放送されてましたが、僕はそこまで熱心に観てなかったような…

ナナ:意外だにゃ!

Shinnosuke:もちろん流行歌とかは母と一緒に見てたりしましたけど、そういうポップスにハマったのは中学上がるくらいからでしたね。それよりはアニメや戦隊モノやバラエティ番組。

ナナ:オタク気質…!!!

Shinnosuke:あと、これは今もなんですが「うるさい音が苦手」でした。自分も子供のくせに他の子が騒いでいるのが苦手、という冷めた子供でした(笑)
今でも地下鉄のレールが擦れるキーという音や飼い猫様が高い声でずっと鳴かれてると辛かったり。自分にとってノイズと感じる音は全て騒音なのでダメというくらい。子供の頃は絵とか視覚的な方でしたね。

💟現在の仕事に繋がる体験

ナナ:なるほどにゃ~!今度は、学生時代のことについても聞きたいにゃ!

リサ:中学・高校時代の頃に好きだった音楽など、現在の仕事に繋がっているような体験があったら教えてください。

Shinnosuke:ファミコンのドラクエ・FFのサントラが大好きでそこからオーケストラ系が好きになって、小学5・6年生でブラバンに入ってトロンボーンやって。映画音楽も好きでした。ジョン・ウィリアムズ作品や80年代のハリウッド映画黄金時代な作品の。その時の経験が今の原体験です。
今も映画音楽は大好きなので(独学ですが)オーケストラアレンジなどもやりますし、ファンキーな管楽器の音が好きなのはブラバンやってたからかな、とか思ってます。

Shinnosuke:中学生になるとCDの時代になるんですが、EPIC SONY・CBS SONY のアーティスト達が大好きで聴きまくってました。友達とCD貸し合いっこしたり。
その中でも一番深く刺さったのが TM NETWORK で、ユニットなんだけどロックバンドの音もするし、でもコンピュータを使ったシンセサウンドだし、衣装や髪型など見た目もスタイリッシュでオシャレだし、という感じでキラキラ輝いてる神様的な存在として憧れてましたねー。この頃は歌番組も自ら進んでたくさん観てたしラジオや音楽雑誌なんかもチェックしてました。

リサ:今のShinnosukeさんのルーツね…!

Shinnosuke:もちろん絵画やデザインが好きだった事も音楽に繋がってますよ。結局「造る」ことが好き、というね。
高校の時は美術部だったので、当時は完全に芸大・美大の受験生だったんです。

ナナ:ええ!美大というのは初耳にゃ!

Shinnosukeさん:だけど立体が苦手でどうしても合格できなくて2浪で諦めて、同時に音楽もやってたから、そっちへシフトチェンジ。高校入学時にお年玉貯めて初めてシンセサイザーを買ってコピーバンドやったり、拙いオリジナル曲を作り始めてたので、そっちでどうにかなるかな?という浅はかな考えで…と今振り返って考えると恐ろしいですね。
でも音楽も絵もアウトプットの仕方が違うだけで脳内クリエィティブとしては同じ感覚なんですよね。
使う楽器も色や形(面積)などでイメージして組み合わせたりしますし。(編曲の場合は特に)音楽は目に見えませんがバランスやデザイン力が必要ですしね。


リサ:インタビュー後編では、『Shinnosukeさんがプロのお仕事を受けることになったきっかけ』や、『これからのクリエイターに求められていること』などのお話をお届けするわ!

ナナ:次回をお楽しみに~!


💟Shinnosuke プロフィール


Shinnosuke

Song Writing (Compose / Words) , Arrangement , Produce , Remix , Mix
主な楽曲提供/リミックス:
『アイドリッシュセブン』TRIGGER、嵐、小室哲哉、access、Every Little Thing、中川翔子 他
BGM(劇伴):
ビブリア古書堂の事件手帖(2013年)」「魔術士オーフェンはぐれ旅」シリーズ 他


💟SNS リンク

▼公式Twitter(X)

https://twitter.com/Shinnosuke_Syn

▼公式Instagram

https://www.instagram.com/shinscapade/


💟Shinnosuke 最新情報

ナナ:Shinnosukeさんが劇伴を担当している、TVアニメ『魔術士オーフェンはぐれ旅 アーバンラマ編・聖域編』のオリジナルサウンドトラックが絶賛配信中にゃ!

Shinnosuke:2期分なので劇伴だけで全68曲の大容量で、ほとんどオーケストラ系の曲なので、そういうのがお好きな方は是非!
映画音楽好きな僕の面が出ている作品となっています。

Shinnosuke:僕がプロデュースして一緒に楽曲作りをしている Sarah L-ee が楽曲を配信中です。こちらも是非!

🐈後編の記事は後日公開!

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