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FP学習日誌(16) -個人年金保険の仕組みと種類

個人年金保険は、老後の生活資金を得るために、契約時に定めた期間に毎年一定額の年金を受け取ることができる保険です。前回までに述べた生命保険は死亡などのリスクに対して、被保険者が亡くなったときに遺族に支払われる商品でしたが、個人年金保険は被保険者本人の老後のための商品です。

1.個人年金保険の仕組み
(1) 受取年金の構成
受取年金は、次の「基本年金」「増額年金」「増加年金」の合計額です。
・ 基本年金・・・契約年金ともいい、運用成果等に関わらず契約時に保証されている部分
・ 増額年金・・・年金開始時までに積み立てられた配当金によって買増しされる部分
・ 増加年金・・・年金開始後の配当金によって買増しされる部分
「増額」と「増加」は、配当金が原資となるため、基本年金のように契約時に金額は確定していません。
(2) 基本年金の受取型
毎年同額の「定額型」、毎年増えていく「逓増型」があります。その他、受取開始当初の一定期間の年金額を多く設定した「前厚型」というのもあります。
(3) 死亡給付金
年金受取開始前に被保険者が死亡した場合には、加入後の経過期間に応じた死亡給付金が支払われますが、保障機能は大きくありません。この死亡給付金の額をさらに低く抑えて、その時点での既払込保険料相当額とすることで、年金受取額を多く設定した生存保障重視型もあります。ただし、この場合でも加入後の経過期間(既払込保険料総額)に応じて死亡給付金の額は増加していきます。

2.個人年金保険の主な種類
(1) 有期年金
10年や15年など一定の年金受取期間内で、かつ被保険者が生存している場合に限り年金が支払われるものです。
(2) 確定年金
保証期間付有期年金の一種で、年金受取期間と保証期間が同一になっているものです。被保険者の生死に関係なく、一定の年金受取期間だけ年金が支払われます。
(3) 終身年金
被保険者の生存中に限り、一生涯年金が支払われるものです。
(4) 保証期間付終身年金
保証期間中は被保険者の生死に関係なく年金が支払われ、保証期間経過後は生存している限り一生涯年金が支払われます。年金受取に代えて、一括受取りを選択することも可能です。
(5) 夫婦(連生)年金
終身年金の一種で、夫婦いずれかが死亡しても年金の支払いは終了せず、もう一方が生存している限り年金が支払われます。
※いずれの商品でも、年金受給開始前に被保険者が死亡した場合、一般的に被保険者の相続人は、被保険者が死亡の時までに払込んだ保険料の総額を死亡給付金として受取ることができます

3.投資性のある年金
(1) 変額個人年金保険
生命保険でもありましたね「変額」。これは年金型の投資商品です。特別勘定で運用され、国内外の株式や債券に投資し、受取る年金額は運用実績によって変動します。解約返戻金の最低保証はありませんので、リスクがありますね。
大事なポイントは、運用期間中の収益に対して課税がされないことです。解約時または年金受取時まで課税が繰り延べられます。
(2) 外貨建て個人年金保険(定額)
保険料や年金額が米ドルやユーロなどの外貨建てとなっている商品です。積立金も外貨で運用されるため、一般的に予定利率が高めに設定されていますが、為替リスクがあるため、円貨での受取総額が払込保険料を下回ることもあります。

個人年金保険の中には、保険料の払込が終了してから年金を受取るまでに据置期間を設けているタイプもあります。据置期間中も年金の原資となる資産は運用されているので、据置期間が長いほど将来の年金受取率は高くなります。が、据置くかどうかはその間に死亡するリスクとの兼ね合いでしょうか。。。

以上、さくっと個人年金保険についてでした。次回は「第三分野の保険」です。

※画像と本文は関係ありません。

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