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FP学習日誌(26) -損害保険の制度と仕組み その4「傷害保険」

4.傷害保険
傷害保険では急激かつ偶然な外来の事故による傷害に対して、「死亡したとき」「後遺障害を生じたとき」「医師の治療を要したとき」にそれぞれ「死亡保険金」「後遺障害保険金」「入院保険金・手術保険金・通院保険金」が支払われます。靴擦れやしもやけ等の軽微なもの(笑)や、原則として病気は補償されません。また、細菌性・ウイルス性食中毒や地震・噴火・津波についても対象外です。逆に補償される傷害として、有毒ガスによる急性中毒、溺死、窒息死、微傷に基因する創傷伝染病(丹毒、リンパ腺炎、破傷風等)があります。
なお、傷害保険の保険金は、健康保険、労災保険、生命保険からの給付金、賠償金の受領などとは関係なく支払われます。

主な商品
(1) 普通傷害保険
① 補償内容
国内外を問わず、家庭内、通勤途上を含む就業中、旅行中など、日常生活における多くの傷害を補償する最も基本的な傷害保険です。特約により、日常生活に基因する賠償責任も補償対象とすることができます。
② 特徴
被保険者の健康状態や性別・年齢が違っても保険料は同一です。被保険者の職業・職務の危険度によって保険料が異なるため、「契約締結時に正確に申告する」「契約期間中に職業・職務の変更が生じた場合は保険会社に通知する」という契約者または被保険者の告知義務・通知義務があります。
(2) 家族傷害保険
① 補償内容
ひとつの保険で家族全員を被保険者として普通傷害保険と同様の補償をする、普通傷害保険の家族版です。本人(生計維持者)のほか、その配偶者、生計を共にする同居の親族や別居の未婚の子が、自動的に被保険者となります。契約締結後に生まれた子どもも被保険者となります。本人と本人以外の被保険者の続柄は、事故発生時におけるものです。
② 特徴
普通傷害保険と同様に、被保険者の職業・職務に関する、契約者または被保険者の告知義務・通知義務があります。保険料は本人の職業・職務によって計算されます。
(3) 交通事故傷害保険
① 補償内容
国内外を問わず、交通事故や駅改札内での事故、道路通行中に建物から物が落下した場合および建物や電車・バス・エスカレータ等の火災などによって傷害を被った場合に保険金が支払われます。
② 特徴
普通傷害保険と異なり、保険料は被保険者の職業・職務による差はありません。
(4) ファミリー交通傷害保険
① 補償内容
ひとつの保険で家族全員を被保険者として、交通事故傷害保険と同様の補償をする交通事故傷害保険の家族版です。特約により、日常生活に基因する賠償責任も補償対象とすることができます。
② 特徴
被保険者の範囲は家族傷害保険と同様ですが、「本人」は生計維持者に限定されません
ところで、「普通」の方は「家族傷害保険」なのに、「交通」の方は「ファミリー」ってカタカナなんですね。なんでやろ?笑
(5) 国内旅行保険
① 補償内容
国内旅行行程中(住居を出発してから帰着するまで)に被った傷害を補償します。特約により、賠償責任、携行品損害、救援者費用等を補償対象とすることができます。
② 特徴
傷害保険では対象外となる細菌性・ウイルス性食中毒についても補償の対象になります。
(6) 海外旅行保険
① 補償内容
海外旅行行程中(住居を出発してから帰着するまで。国内移動も含む)に被った傷害を補償します。また、疾病、賠償責任、携行品損害、救援者費用、旅行のキャンセル費用等を総合的に補償対象とすることもできます。
なお、ケガで医師の治療を受けたとき、普通傷害保険や国内旅行保険では入院日数・通院日数に応じた定額の入院保険金・通院保険金が支払われますが、海外旅行保険では実際に支出した費用が障害治療費用保険金として支払われます(保険金額が限度)。
② 特徴
傷害保険では対象外となる細菌性・ウイルス性食中毒についても補償の対象になります。また、国外での地震・噴火・津波による傷害も特約なしで補償します。

傷害保険の類似商品
「所得補償保険」「医療費用保険」「介護費用保険」があります。これらの保険は病気の場合も補償範囲になっていますので、他の傷害保険と異なり被保険者の年齢によって保険料が異なります
(1) 所得補償保険
国内外を問わず、病気やケガで就業不能になった場合、その間の所得を補償する保険で、社会保障制度を自助努力により補完するものです。入院中だけでなく、医師の指示による自宅療養中も補償の対象となります。特約により、ケガによる死亡・後遺障害も併せて担保することができます。原則として、被保険者は、一定の業務を持ち収入を得ている健康な人(会社員・公務員・自営業者など)です。特約を付帯することで専業主婦(夫)も加入できることがあります。
(2) 医療費用保険
病気やケガで、公的医療保険制度を利用して入院した場合の費用のうち、公的医療保険制度で支払われない部分(一部負担金、差額ベッド費用・付添費用・先進医療費用等)を実損填補する保険です。
(3) 介護費用保険
被保険者が寝たきりまたは認知症により所定の要介護状態が原則として180日を超えて継続した場合に、介護に要した諸費用を填補する保険です。
(つづく)

※画像と本文は関係ありません。

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