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FP学習日誌(7) -生命保険の制度としくみ その1

今回は、みなさんにもなじみのある「生命保険」です。まずは登場人物の説明から。

保険者・・・保険金を支払う人、一般的には保険会社です。契約の一方の当事者になります。
契約者・・・保険契約のもう一方の当事者として、契約する保険に関する一切の権利と義務を持つ人です。契約者には、自然人だけでなく法人でもなることができます。
被保険者・・・保険がかけられている人、つまりその人のけがや病気・死亡などに対して保険金が支払われます。これは自然人しか対象になれません。
受取人・・・文字通り保険金の受け取りをする人です。これは契約者同様、自然人に限らず法人でもOKです。

例を挙げると、
1) 契約者=お父さん、被保険者=お母さん、受取人=子ども
という保険であれば、お母さんに万一のことがあったときに子どもが保険金を受け取ることができるように、お父さんが毎月保険料を支払ってあげる、というものになります。
2) 契約者=被保険者=受取人=お父さん
という、すべて本人で完結するパターンも可能です。しかし、死亡の際の受取人は別途設定することになります。
その他、3)契約者=会社、被保険者=社長、受取人=会社
という設定であれば、社長に万一のことがあったときのために、会社が保険契約をするというものになります。「被保険者は自然人のみ」というのは、会社は「死亡」しないので、「会社に万一のことがあったときのために」というのは成り立たないからですね。

次に関連する用語の説明です。
保険事故・・・その発生に対して保険金が支払われる約束がされた出来事のこと(例:被保険者の死亡など)
保険期間・・・保険事故が発生したときに、保険会社が保険金を支払う期間のこと(例:「〇年間」、「終身」など)
保険金・・・被保険者の死亡などの事故が発生したときや、満期を迎えたときなどに、保険会社から受取人に支払われる金額のこと
保険料・・・契約者が保険会社に対して支払う対価のこと。保険の種類・期間・保険金額・被保険者の年齢等によって額は異なる
高度障害状態・・・経済的死亡ともいう、重度の障害状態になること。この場合、死亡保険金と同額の高度障害保険金が支払われて契約は消滅する
給付金・・・災害や疾病により入院したときや手術を受けたときなど、主として生死以外の支払事由に該当する状態になったときに保険会社から支払われる金銭のこと→これは基本的には被保険者に支払われることになります。

「保険料」と「保険金」ってどっちがどっちだっけ?ってなることがあるかもしれませんが、保険料は支払うもの、保険金はもらうもの、です。

つづいて生命保険の機能についてです。
生命保険には、「保障機能」と「貯蓄機能」があります。ここまでで述べた通り、「万一のときのため」が保障機能です。なるべく少ない保険料でなるべく多くの保険金等を受け取りたいですよね。
対して貯蓄機能とは、満期や中途解約の際に、満期保険金や解約返戻金を受け取れるというものです。保険以外の他の金融商品では、「貯蓄機能」はありますが、「保障機能」はありません。
保険の種類によって、同額の保険料を支払っていたとしても、「保障機能」と「貯蓄機能」のバランスで、死亡保険金や満期返戻金の額に大きな影響が出ることになります。
たとえば、同じ保険料月1万円であっても、
(A)死亡保険金大、しかし60歳時返戻金はゼロ
(B)死亡保険金、返戻金ともほどほど
(C)死亡保険金少、しかし返戻金は多い
というような商品設定があるでしょう。そして商品によっては「配当金」があるものもあるので、それらを総合的に考慮する必要があります。

そして本日最後は、生命保険の分類についてです。
「生命保険」は、「死亡保険」「生存保険」そして「生死混合保険」の3つに分類することができます。
死亡保険・・・一般的にイメージする生命保険はこれでしょう。保険期間中に被保険者が死亡または高度障害になった場合に保険金が支払われます。
生存保険・・・契約後一定期間、被保険者が生存していた場合のみ保険金が支払われる保険です。
生死混合保険・・・死亡保険と生存保険を組み合わせた保険です。死亡等した場合には死亡保険金等が支払われ、一定期間まで生存していたときには生存保険金が支払われます。満期保険金が支払われるものはこの分類になります。

その他の分類方法としては、保険金額の変動があるかどうかによるものがあります。生命保険会社の運用実績によって受け取る保険金が変動するものを「変額保険」、そうでないものは「定額保険」です。

そして生命保険の契約についてですが、保険契約は、主契約と特約から構成されています。
主契約・・・その名の通り保険の基礎となる部分の契約
特約・・・主契約に付加する部分のこと
主契約が存在せず特約のみで契約を締結することはできないけれど、主契約だけという保険は存在します。また、主契約が満期などにより消滅すると、特約も消滅します。
ただし近年では、複数の特約を自由に組み合わせる「組立型保険」を取り扱う保険会社もあり、この分類が当たらないものもあるようです。(つづく)

※画像と本文は関係ありません。

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