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FP学習日誌(2) -お金ってきたないもの?

-パーソナルファイナンス教育
前回のnoteへいただいたコメントをもとに今日は思うところを話したいと思います。
「金融リテラシー教育」が必要だと昨今言われていますね。その中でもFPが携わるパーソナルファイナンスまわりの教育は非常に重要だと思います。大人はもちろん小さいころからもです。
わたし自身は商業高校だったので、授業に「簿記」や「珠算」、「商法」、「民法」などがありました。これらはパーソナルファイナンス教育とはいえませんが、お金や法律に関する教育という意味ではとても有意義でした。また、もっと幼い子どもの頃には母が小さな商店をやっていて、店番や帳簿付け、仕入れから値付けも手伝っていましたので、お金に関してはわたしはかなりませた子どもだったと思います(いまやったら児童労働で虐待やと言われるかもしれませんね)。笑

-お金は汚い?
日本では「お金(もうけ)は汚いもの」というカルチャーがあるように思います。「株式投資はバクチ」みたいなことを、現代でも真面目に口にする人がわたしのまわりにも多くいます。
商売の基本は利益を出すことですが、「安く売って高く売る」は日本人の美意識に合わないんでしょうね。「勉強しときますわー。もうえらい損ですわー!!」みたいなのが好まれる。しかしそれを続けてると商売は成り立ちません。「他店より1円でも高ければ・・・」みたいな格安ショップでばっかり買い物してたり、激安居酒屋しか行かん、みたいになってると、あなたやあなたの家族の給料は上がらないんですよ。。。こういう当たり前のことを、頭では理解しているけれど行動にはつながらない、という感じでしょうか(自戒も込めて!)。モノやサービスに対して消費者として適切な価格を支払う、または商売している側からすると「正しい値付けをする」ということがうまく理解されていないように感じることがよくあります。

-わが国の賃金事情
日本人の賃金がここ10~20年上がっていない、むしろ下がっている、というような統計がよく出ています。データの取り方によってさまざまな数字が出るのでここでは詳細にはふれませんが、一昔前のような右肩上がりでないことは事実でしょう。
これ、諸外国も同じだと思っていませんか?実はそうではないんです。1997年を100とした「実質賃金指数の推移」というデータ*があります。そこでは、スウェーデンの138.4をはじめ、フランス126.4、イギリス125.3、米国115.3と続きますが、日本はなんと89.7!グラフの中で唯一100を下回っています。スウェーデンとの差はなんと48.7ポイント、米国とでも25.6の差があります。これはいわゆる「発展途上国」のデータではありません。この20年で、わが国と同じ先進国といわれる国々でも賃金は緩やかに上がっているのです。
このことの原因のひとつが、さきに述べたようないわゆる「低価格競争」であることは間違いないでしょう。
*「実質賃金指数の推移の国際比較」全労連(2020/10/23閲覧)
https://www.zenroren.gr.jp/jp/housei/data/2018/180221_02.pdf

-給付金もらえて喜んでませんか?
また先日、新型コロナの「特別定額給付金」が追加であるかも、みたいな報道がちょっとありましたが、その際あんまり困ってなさそうな人たちの「もらえたらうれしい!」という街頭インタビューを見ました。そのたびにわたしは「それ、あんたの税金やからな!!」とTVに向かって毎回突っ込みを入れていました。特に若者を見ていると「将来かわいそうに。。。」といつも同情しています。また別の機会に書きたいと思っていますが、わが国の財政状態は、世界でも類を見ないほどのひどい状況です。本当に必要な方々をサポートすることは大切だと思いますが、バラマキで将来大きな影響を受けるのは若者たちです。若者だけでなく、「逃げ切り世代」と考えられている方々も、今回の新型コロナによって将来の公的年金が減額される、というような可能性もあるでしょう。こういったことも、個人のパーソナルファイナンスに大きな影響を与えます。
しかし、「そうか。。。影響あるんか、けどワシにとっていくらやねん?」とか考え始めると難しくて眠くなって思考停止、ですよね。そういう方のためにもFPの存在意義はあるのだと思います。(つづく)

※画像と本文は関係ありません。
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