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FP学習日誌(17) -第三分野の保険その1 「医療保険と医療特約」

第三分野の保険」って何でしょう?
「生命保険」「損害保険」につづく第3の、ということのようです。医療保険やガン保険、生前給付や、それぞれの特約などになります。

1.医療保険と医療特約
(1) 医療保険
① 特徴
病気やケガで入院したり、所定の手術を受けた場合などに給付金が支払われる保険です。一般的に死亡・高度障害保険金もありますが、入院給付金・手術給付金などの医療保障に重点が置かれ、死亡保障機能は大きくありません
② 入院給付金の支払要件
病気やケガによる治療を目的とする入院に対して入院給付金が支払われます。正常分娩による入院や人間ドックの検査入院で異常が発見されなかった場合などには支払われません。
たとえば5日以上継続して入院した場合に5日目から支払われる「5日型」(免責4日)や、2日以上継続して入院した場合に初日から支払われる「1泊2日型」、日帰り入院でも給付の対象になる「日帰り型」などがあります。
③ 入院給付金の支払限度日数
入院給付金の支払には上限があります。保障期間全体での上限である「通算支払限度日数」と、1回の入院における上限である「1入院支払限度日数」があります。
1入院支払限度日数は複数(30~730日など)のなかから選べるものや、1入院支払限度日数を短くする代わりに一定の生活習慣病など特定の疾病に限って支払限度日数を拡充することで保険料負担を軽くしたものもあります。
同一の傷病等を直接の原因として再入院したときは、1回の入院とみなされます。ただし、疾病入院給付金が支払われることとなった最終の入院の退院日の翌日から180日経過後に開始した入院については、新たな入院とみなされます。
④ 手術給付金の金額
手術の種類によって入院給付金日額の10倍・20倍・40倍のいずれかが支払われるものに加えて、手術の種類に関係なく給付金の額が一律のものが登場するなど保険会社により多様化が見られます。
なお、同時に2種類以上の手術を受けた場合には、原則としてもっとも給付倍率の高いいずれか1種類の手術についてのみ手術給付金が支払われます。
ただし、支払対象となる手術は治療を目的として約款で定められたもので、美容目的の手術や正常分娩に伴う手術は対象になりません。
⑤ 死亡保険金の金額
従来の死亡保険金は入院給付金日額の100倍が一般的でしたが、近年は、死亡保険金を無くしたり、低く抑えたりすることによって保険料を割安に設定したものも増えています。
⑥ 保障期間
保障期間には、10年更新タイプ、70歳・80歳・90歳満了タイプ、終身タイプなどがあります。更新タイプの医療保険は、更新時に告知・診査は不要で、健康状態等に関わらず更新できますが、保険料は更新時の年齢および料率料率で再計算されます。
また、終身タイプの医療保険には、60歳・65歳等の所定の年齢で保険料の払込が満了する有期払込みと、払込が一生涯続く終身払込みがあります。

(2) 基本となる医療特約
終身保険などの主契約に付加することによって、病気やケガで入院したり、所定の手術を受けた場合などに給付金が支払われる特約です。給付内容の詳細は、保険会社によって異なる場合があります。
① 災害入院特約
不慮の事故で180日以内に継続して5日以上入院したときに、5日目より入院給付金が支払われます。一般的に1入院120日・通算700~1,095日(2年弱〜3年)を限度とします。
② 疾病入院特約
病気で継続して5日以上入院したときに、5日目より入院給付金が支払われます。一般的に、1入院120日・通算700~1,095日を限度とします。
また、病気やケガで所定の手術をした場合に手術給付金が支払われるものもあります。手術給付金は、手術の種類によって入院給付金日額の10倍・20倍または40倍など所定の金額が支払われるのが一般的です。同時に2種類以上の手術を受けた場合には、原則としてもっとも給付倍率の高いいずれか1種類の手術についてのみ手術給付金が支払われます。
昔は、「せっかく(笑)入院したのに、早めに退院させられて保険下りなかった!」みたいな「5日型」が主流だったと思いますが、近年は、「総合医療特約」などの名称で、「1泊2日型」または「日帰り型」の災害・疾病入院保障および手術保障等をする特約が増えているそうです。
③ 短期入院特約(初期入院特約)
病気や不慮の事故で継続して2日以上入院したときに、1日目より入院給付金が支払われます。1入院4日分が限度となっており、疾病・災害入院特約の5日型と一緒に付加します。
④ 長期入院特約
病気や不慮の事故で長期(125日以上など)継続入院したときに、所定の入院給付金や一時金が支払われます。
⑤ 通院特約
入院給付金の支払い対象となる入院をした後、退院日の翌日から120日以内にその治療を目的として通院したときに、通院日数分の給付金が支払われます。一般的に、1入院30日等が限度です。退院後の通院だけでなく、入院前の通院について保障するものもあります。

(3) その他の主な特約
① 生活習慣病入院特約(旧「成人病入院特約」)
ガン・心疾患・糖尿病等の生活習慣病に対する特約です。
② 女性疾病入院特約
乳がんや子宮筋腫、分娩の合併症など女性特有の病気に対する特約です。
③ 先進医療特約
全額自己負担となる先進医療の治療に対する特約です。対象となるのは、契約時点ではなく治療時点で先進医療に指定されている技術料です。
④ 特定損傷特約
不慮の事故での、所定の骨折・間接脱臼・腱の断裂といった特定損傷に対する特約です。
⑤ 傷害特約
不慮の事故で死亡したときや約款所定の感染症で死亡したときに上乗せして災害死亡保険金が支払われます。また、一定の障害状態となったときには障害給付金が支払われます。
⑥ 災害割増特約
不慮の事故で死亡・高度障害になったとき、または約款所定の感染症で死亡・高度障害になったとき、主契約の保険金に上乗せして災害死亡・高度障害保険金が支払われます。

次回は「がん保険・特約」からスタートです。

※画像と本文は関係ありません。

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