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FP学習日誌(1) -なぜいまFP?

-FPと税理士のちがい
わたしが税理士だというと「金のことに詳しいんやろ、増やす方法教えてや!」とよく聞かれます。しかし税理士というのは、できるだけクライアントのために節税する、というのがミッションのひとつなので、誤解を恐れずにいうと、どちらかといえば増やすより減らす方向の仕事だったりします。
そしてわたしが今回勉強を始めたファイナンシャル・プランナー(FP)はというと、「できるだけ増やす」けれど「最大化することが目的」ではなく、「人生の目標を達成するための最適化プラン」を提案するものだそうです。なるほど。
資産を最大化するのは投資アドバイザーさんの仕事ですね。
ファイナンシャル・プランというと、つい「最大化」に気持ちが向きがちですが、極端なたとえだと、たとえば30歳の人が老後のお金を貯めるために、毎日カップラーメンで過ごして、病気になって40歳で死んじゃう、というのは人生の目標=幸せ、ではきっとないでしょう。
こういう極端な例でなくとも、老後不安に備えて生活費をギリギリに切り詰めて、たくさんの生命保険に加入したり、という方は少なくないと思います。逆に、「自分や家族への投資」として何かを学び、月々の収支はある期間悪くなるけれど将来の収入増を見込む、という人生戦略もあるかもしれません。
ライフデザイン=どういう人生にしたいか、がファイナンシャル・プランニングのはじまりであり最終目的なんですね。

-なぜFPが必要なのか
1990年代のバブル経済崩壊やその後の金融機関の倒産などを経て、「お金」を取り巻く環境は変わってしまいました。
「経済成長の鈍化」「金利低下」「新たな金融商品の登場」「年金の給付減」「日本版401Kの導入」「年功序列や終身雇用の減少」などなどのキーワードがありますが、これらの大きな原因のひとつは、「少子高齢化」です。
そして「個人の生き方の多様化」もあります。好むと好まざるにかかわらず、フリーランスとしての働き方や、外資系企業や海外での就業も一般的になってきました。そしてコロナ禍で副業・複業も増加傾向です。結婚しない、子どもを持たない、という人も多くいます。離婚も多いしね。
「正社員で定年まで」「子ども2人の4人家族」「専業主婦」といったステレオタイプは、ずいぶん前から通用しなくなっています。
そういったことを経て、われわれの親世代では考えなくてもよかったことが、「自己責任」で「選択」しなければならないことになってしまいました。これについては、さきの菅首相の「自助」発言などもあり、国家としてどうあるべきかは議論の分かれるところですが、現状でそうなってしまっていることは否定できません。

ひと昔前は、エスカレータや動く歩道があって、みな同じ方向に向いて乗っていれば目的地に着いたけれど、いまはそれがいくつもの場所で分岐していて、そのたびに選択を迫られるのです。止まってる「歩く歩道」とかもある。しんどいな。笑
ファイナンシャル・プランニングを行ううえで選択する具体的なアイテムとしては、資産運用、年金、税金、住宅ローン、保険、介護、相続などですが、その前に自身のライフデザイン=人生の目標、つまりどう生きるか、ということを考える必要があります。(つづく)

※画像と本文は関係ありません。

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