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FP学習日誌(6) -リスクマネジメント

今日からテキスト2冊目、「リスクと保険」です。
ほんとはカリキュラム通りだと先に「金融資産運用設計」で、実は少し学習を進めていたのですが、母の保険の見直しに迫られ、先にこちらを勉強しようかなと。
ではさっそくまずはリスクについてからです。

-リスクの定義
ネット辞書によるリスクの定義は、「将来いずれかの時に起こる不確定な事象とその影響」だそうです。危険や危機などと訳されることが多いですが、「悪いこと」ばかりではありません。FPにおいては、「不測の事態によって生じる経済的な不確実性」を指します。

-リスクの分類
さまざまな分類方法がありますが、FPでは一般的には「純粋リスク」と「投機的リスク」に分類されます。
「純粋リスク」は損失のみを発生させるリスクであるのに対して、「投機的リスク」は利益または損失いずれかを発生させるリスクです。具体的な例は次の通りです。
純粋リスク・・・災害による財物の損傷、人の死亡、過失による賠償責任など
投機的リスク・・・宝くじの購入、投資、人口構造の変化、新発明・技術革新など
「投機的」がちょっとわかりづらいかもしれませんが、前記の通りプラスもマイナスもある、たとえば「新発明」「技術革新」は、それが自身にとって有利に働く場合もあるけれど、他社の革新によって自社の技術が陳腐化することもあるということですね。

-ペリルとハザード
「ペリル」と「ハザード」聞いたことありますか?ペリル(Peril)とは損失発生の直接的原因となるもの、ハザード(Hazard)とは損失の発生頻度を高め損失規模を拡大させる要因のことです。これも例をあげると、たとえば自動車事故においては、事故そのものがペリル、道路の凍結やスピードの出し過ぎなどがハザードに当たります。

-リスクマネジメントの手法
生きているとさまざまなリスクに直面します。。。それがライフプランの実現や企業活動の大きな妨げになることがあります。そのリスクへの対策をリスクヘッジといいます。リスクヘッジをしていても、リスクを100%完全に回避することは無理ですが、それぞれに対策を講じておくことは必要ですね。
リスクマネジメントは、次のプロセスで行います。
1) リスクの発見
2) リスクの分析
3) 処理方法の選択
4) 費用対効果の検討と処理の実施
5) 結果の分析
この中で、上記2)リスクの分析ですが、リスクはその発生「頻度」と損失の「大きさ」によって4象限で表すことができます。以下はその例です。

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Aの「頻度は低いが損失が大きい」に当たるところが、保険を活用する分野で、FPの範疇になります。
対して、Bの「頻度も損失も大」というところは、例にもあるような環境汚染など、保険では十分にカバーすることが不可能な分野、Cの「頻度も損失も小」は特別に備えずとも手持ちの資金でカバーすることが可能な範囲のリスクとなります。Dについては、頻度が多く一般的な保険では保険料が高くはなるものの、保険によってカバーすることも可能ではあるといえます。

そして3)リスクの処理方法は、「リスクコントロール」と「リスクファイナンシング」に大別されます。
リスクコントロール
コストを最小限にし、損失の可能性そのものを低くする手法です。
①回避
文字通り、リスクそのものを生じさせないことです。
例:リスクの高い新規事業の立ち上げを断念する
②損失制御
発生頻度を低減させるor損失の大きさを軽減するものです。
例:火事に備えて、耐火構造住宅にする(頻度低減)または消火器を設置する(損失軽減)
③結合
リスク対象を統合して集中管理する方法です。
例:同じ設備が必要な複数の工場を合併する
④分離
上記③の結合とは逆に、リスク対象を分散させる手法です。
例:サーバ設置場所を地方に分散させる

リスクファイナンシング
損害を復旧させるための資金を調達するための手法のことです。
①移転
不測の事態の発生に伴う経済的損失を他者に転嫁する。
例:民間の保険や共済
②保有
不測の事態の発生に伴う経済的損失を自己負担する。
例:自己資金や借入金、自己保険

わかりやすくいうと、「リスクコントロール」で損失を回避(または軽減)できればそれに越したことはないけれど、出来なかった部分を経済的にどう補填するか、が「リスクファイナンシング」だということです。

これらをベースに、費用対効果を検討してリスクマネジメントを「実施」することになります。
次回以降は、上図のAに当たる部分に係る保険のしくみについての学習、まずは生命保険からスタートです。

※画像と本文は関係ありません。

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