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2/16(木)社説

 原子力規制委員会は、原発の運転期間を「最長60年間」と定めた法律の改正を了承した。これにより日本でも60年超運転が可能となる。しかしこの了承は、規制委のうち1名が最後まで反対する中での異例の多数決となった。反対した1名は「安全審査が伸びるほど古い原発を動かすことになる」と懸念を表明したが、「新たな審査制度によって安全は強化される」との意見が大多数を占めたのである。
 結論を急いだ背景には、他の法案と一括して今国会で審議したいという政府の意向がある。しかし議論の進め方については賛成した委員からも「外から出された締切に急かされてじっくり議論できなかった」などと批判が出た。
 「独立した意思決定」を活動原則に掲げる規制委が、他の要因に左右されて議論を急いだり、生煮えの結論を出したりすることは許されるべきではない。日本は今も福島原発の事故によって出された「原子力緊急事態宣言」下にある。そのことを念頭に置き、規制委には安全を追求し続ける姿勢で取り組んで欲しい。

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