ここに居るだけで誰かの役に立っている
人の利用が多い駅で、掃除の仕事をする女性を見かけた。
歳の頃は50代後半か、60代。
エスカレーターの手前で、壁を拭いていた。
ちょうど帰宅ラッシュの時間帯で人の往来が多く、
邪魔だと思っている人もいたかもしれない。
でもその人は、周りが見えていないかのように
腰を低くして、膝をついて
壁の下の方を一心に拭いていた。
私は息子の保育園のお迎え時間が迫っていたので
足早に通り過ぎたのだが、
その姿が妙に脳裏に焼きついた。
不特定多数の人が利用する場所。
いつだって汚れがあるところを掃除するというのは、
どんな気持ちなのだろう。
私たちは当たり前のように
日々、駅を快適に利用している。
でもそれは決して当たり前ではないのだ。
例えばあの女性が心を込めて磨いてくれたから、
それが叶っているだけだ。
そう気づいたら、
とてつもなく感謝の気持ちが溢れた。
ときどき自分の“役割”に思いを馳せる。
私はこの世でどんな役割を果たすために生まれ、
ここにいるのだろうと。
誰もが必ず“役割”を持っていて、
誰もがこの地球に「必要な人」で。
だからどんな人に対しても、
どんな行いに対しても、
いい、悪いのジャッジをする必要は
たぶんなくて。
…そう頭では分かっているつもりでも、
いい顔しながら陰で悪口を言う人
(私が一番苦手な人)とかに会うと、
遠ざけたいと思うし、
否定したい気持ちになったりするし、
家族に対しては
ムダにジャッジしてしまっていることも
正直多い。
私が魂レベルでそう捉えられるようになるまでには
まだまだ時間はかかりそうだけど…
それでも今、私がここに居ること、
今、ここに生きていることが
それだけで誰かの役に立てていると思えたら…
ものすごく励まされるな!
自分が自分そのままで役に立てたら、最高だ。