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陳情令 吹替版感想

金曜日の夜中から見始めて、土日の休みと月曜と火曜を半休にして、仕事と家事と食事と睡眠以外もほぼ全てを費やして陳情令の吹替版50話を一気見しました。
見終わってから読むと決めてたので、原作の翻訳版を読んだり、こうして感想をまとめるのに水曜も半休にしました……が、残念ながらそれでは時間は足りませんでした(翌週の金曜日が終わったとこ)

ネタバレなしの感想としては毎回必ず、最初に登場したときに名も字も号も、読みやら漢字やらを表示してくれるので、キャラクターの漢字表記も覚えつつ、顔も覚えられるのがすごくよかったなと思いました。
実は陳情令を見る前に我慢できずにアニメ魔道祖師を7話まで見たんですが、同じ世家のメンバーが同じような服で、顔も似ていて、たくさんキャラクターが出てきて割とパニックで、感情置いてかれがちなところを、がんばって声で聞き分けてたんですよね笑
ドラマでは当然顔が全然違いますし、あと、とっっっっても繊細な表情の演技を俳優さんたちが魅せてくださるので、些細な心の揺れがなんの言葉もなくても伝わってきて、そこがとってもいいので、原作もアニメもドラマもCDもまだって人はドラマから入るのきっと楽しいんじゃないかと思いました。
と、思ったら、良平さんや立花さんもインタビューで同じこと言ってて、笑いました。みんな思うんや……。

以下はネタバレあり。鬼長い。
全話書くのは無理過ぎたので、印象深かった話数のみですが、全部好きですよ……!
呼び方は、基本、魏無羨がその人をなんと呼ぶかに準拠……笑
本当に最後まで名前を覚えられなかった中心人物は「姉さん」と「沢蕪君」でした。だってずっとそう呼ばれてるから、脳がそう覚えてしまったんです……。原作読んでようやく覚えた。


27話 揺るがぬ誓い/28話 双傑の対峙

「俺がなんの、道に背くんだ」
「俺とお前が交わした誓いはなんだったんだ!」
という台詞に息が詰まりました。
「一生心に、恥じることなく正義を、貫けるように」という2人で立てた誓いをずっと大切にし続けていたからこそ、ここに至った魏無羨。
そして、彼の心が本当に変わってしまったのかを確かめ、彼を止めるつもりで追いかけてきた藍湛の対峙……でありながら、この後の魏無羨の台詞がずるい……。
「死ぬにしても、少なくとも、含光君の手にかかって死ねる。悔いはない」
本気で藍湛になら殺されてもいいと思ってるのが伝わる肖戦さん表情と、良平さんの台詞回しが最高すぎる……。
固い決意で恩氏の人たちを救うと決めていながら、藍湛の手にならかかってもいいと言う。それはつまり、藍湛なら彼らのことも悪いようにはしないと思っているからなのかもしれないなと、そんな風に思います。
このあたりは文化(もしくは感情表現)の違いなのかなと思うんですが、めちゃくちゃみんな泣きますよね。
しかもみんな、とんでもなく美しく泣く。
どちらかの目からつーっと流れる涙が、もうほんっとに綺麗です……ここも、魏無羨の正義を感じて熱くなり、それでも彼の破滅を予感し、けれど共に行くことはできなかった、なにもできなかった無力感から藍湛が流す涙が美しすぎる……。
彼と同じように雨に打たれるのもたまらないです……。

金子軒と姉さんの恋模様が永遠にもどかしかったのも、最高でした……。
「一生守ってみせる」
って言葉がもう……ついに伝えられたね、よかったね……ってなりました。
蓮を蘭陵に植えて(しかも自分で!!やらせるとかじゃなくて!)
「私が、君のために蓮花塢を作る」
と言ったのもぐっときましたね……。
最初からどう見ても両想いだったのに、周りがめちゃくちゃ言ったり、素直になれなかったりで、こじれにこじれて、婚約解消になって……みたいになってしまった関係が、ようやく解きほぐされてここに至ったんだなぁと思うと、金子軒、本当によかったねってなるシーンで大好きです。

魏無羨と江澄。
「踏むな! これも使うんだ。危なかった」
「散らかしておいて踏むなだと!」
みたいな丁々発止のやりとりは変わらないのに、見てるものが全然違う2人……。
「この期に及んで温氏が、始末されようと関係ない」
「江澄! その言い草はなんだ! すぐに撤回しろ、ぶん殴られたいか!」
からの台詞の押収が、本当に苦しいです。
魏無羨は自身の正義を、江澄は家族への愛と夢を大切にしていて、それは間違いではないけど、どちらかを立てればどちらかは倒れるしかないもので、歩み寄ることが不可能なので、絶対に相容れることはないという……まさに地獄です……。
「お前が温氏を守れば、私がお前を守れない!」
この言葉に魏無羨が息を飲むんですけど、ここ本当に、肖戦さんと汪卓成さんの表情が素晴らしい。
この瞬間までずっと、魏無羨は自分が守られている……言い換えれば江澄の重荷になってしまっていることに、気づいてなかったんじゃないかなと思うんです。
だからこそ
「守れないなら……捨ててくれ」
という言葉が出てくる。
まして、側にいたら霊力がほとんどないことを隠せなくなるし、剣で戦えない、正道には戻れないことをもう魏無羨は知っています。
それになにより、温氏の人たちを見捨ててしまえば、彼は自分自身を許せません。
でもこの言葉は、江澄にとっては絶望でした。
ずっと「雲夢双傑」を夢見てきたのに、いきなりその夢を一緒に見ていたはずの相手が"あっさりその夢を捨てた"ように見えますからね……。
この後、ずーっとこのときに夢を捨てたことを、江澄は怒っていますけど、そりゃそうだって感じもあります。
魏無羨のモンペ気味な私でもわかります……。
せめて「一緒に見ていた夢を叶えられなくてごめん」とか言ってくれたら違った……いや、違わないですね。
たぶんそんなん言われても江澄は「じゃあなんで江氏を選ばないんだ!」ってキレてただけな気がします。
つまり魏無羨が金丹を失っている以上は、たぶん、決別しか2人にはなかったんです……切ない。
ここの江澄を見送る魏無羨の表情と、ただ一筋の涙がとてもとても美しいです……また一筋の涙にやられました。


29話 我が道を行く

最強のほのぼの号泣回と呼びたいです。
姉さん、を言い換えて江殿と呼ぶところでもう号泣。涙腺よ帰ってきて。
阿苑と藍湛とのほのぼのシーンとかも泣けてしまうし、温寧が戻ってきて、乱葬崗でみんなで宴会をやっているところとかはもう、めちゃくちゃ泣きました。
なんて温かいんだろうと思って……。
命を助けて、助けられて、そして助けて、助けられて……。
温姉弟と魏無羨の関係、乱葬崗の温氏の人たちと無羨の関係って、血のつながりもないし、一歩間違えれば因縁めいたものがあってもおかしくないというか、ほとんど仇同士みたいなものなのに、本当に作中1番といっても過言じゃないぐらいの美しいつながりで、それを感じるだけで尊くて泣きました。
感謝がつないでいく絆ですよね。ここは。本当に美しい。
でももう、悲劇は見えていて、だって最後は1話の冒頭シーンにたどり着くんだよね?と思ってしまうので、ここからの乱葬崗ほのぼのシーンはもう全部、号泣の嵐です……。
あんなに寂れてた場所に緑が溢れて、蓮も咲いて、大根もとれるようになって、美しくなっていく度に涙が出ます。
ここでずっと生きていけたらそれでいいのに、それでは終わらないことをもう知ってしまっているのは本当に辛いです。


32話 絶望の叫び

乱葬崗のみんなが殺されてしまったと知ったときの魏無羨の台詞。
「どうする気だ」
「話はもう終わりか。俺をどうするって」
「お前らといても時間の無駄だ」
ここの肖戦さんもぞっとするほど美しいのですが、良平さんの声も本当に美しく、ぞっとするほど怖い。低く囁くような演技をされていて、ギラギラ光っているような感じがして震えました。
魏無羨がヒーローではなくダークヒーローである証みたいなシーンだと思うのですが、これはほんと、嫌な奴とか悪役とかもこなせる良平さんならではの悪い演技……。
基本のラインは明るく柔らかな声なのに、夷陵老祖として立つときや、深い絶望の中にいるときの低い声の使い分けが素晴らしくて、鳥肌ものです。
そしてなにより、私はこの人の、自分の感情を隠しながら言う台詞が大好きなのですが、この話はもうそれが炸裂していました……。
「あはははは。ああ、なるほどな。俺を殺すときは手段を選ぶ必要はなくて、俺が身を守るときはああするなこうするなと気を配らないといけない」
「乱葬崗にいた温氏の者たちにも罪はない! なぜ彼らまで巻き込んだ!」
決起に来た者たちの言葉ひとつひとつに答え、嗤う声に、切なさと怒りがいっぱいに詰まっていて、本当に素晴らしかったです……。
悲しみに満ちた声が、どうしてこんなに上手いの。
この嗤い声と肖戦さんの演技がものすごくリンクしていて、見ているだけで本当に胸が苦しくなります。
誰よりも情に厚く、誰よりも義を重んじる人なのに、お前は間違っている、憐れみの心はないのかとか言われているのを聞くと、本当にしんどいです。
それでも戦いが始まっても江氏のことは攻撃しない、みたいな愛の深さを見せつけられて、もう心がぼろぼろです。

姉さんのシーンは……もう言葉がありません。
「姉さん」
「阿羨」
「姉上」
とお互いを呼び合いながら探し回る3人の姿を見るだけで涙でした。
江宗主たちが亡くなってしまった、蓮花塢のところも、最後、虞夫人だってわかってるじゃん、お父さん……涙
っていう感じだったんですけど、この姉と弟たちも本当に、どこまでも切ないです。
この3人での楽しそうなやりとりが前半にたくさんたくさんありますし、蓮根と骨付き肉の汁物(蓮根が入っているのは、蓮花塢に蓮がいっぱい咲いているからですよね……)みたいな印象的に出てくるものもたくさんあって、そしてなにより、この本当に直前で(物語としては1年前ですが)全てが解決したかのように金如蘭という名前を決めていただけに、切なさが溢れました。


33話 16年後

負傷して、陰虎符を取り出して、泣きながら笑ってるのほんと、助けてください、肖戦さんが美しすぎます。
それをじっと見つめている藍湛の表情も切ないです。
本当の絶望に魏無羨が沈んでいくところで、もう世界なんてなにも見えていないような感じに見えるのに
「魏嬰、戻るんだ」
と言って、手を差し伸べる藍湛と、その手を見て、ふと正気に戻る魏無羨がいいです。
でもその手をとって生きることはできず、最後は自ら落ちていく。
なによりも優しい声で、
「手を離すんだ」
と言う魏無羨が本当に美しい過去編のラストでした。

ここまでの怒涛の展開に体力を削られながらの16年後。
血みどろの展開からのとても静かな雲深不知処での会話が静かで、そして切ない。
あの重苦しい過去を引きずってたまま、傷ついたままの藍湛と魏無羨……。
記憶をたどるように、魏無羨が雲深不知処の中を歩くのも、その思い出のほとんどに、姉さんと江澄がいるのも、あまりにも苦しいです……。

藍思追、めちゃくちゃかわいいなって思ったのはこのときでした(声オタ的には、一緒にいる藍啓仁の方が好きなんですけど笑)
なんでこんなにいい子なんだ?しかも賢いし、ピックアップされてるんだけど?と思って、ここから先、最終話まで、彼にはずっとずっと泣かされました……泣かされてばっかりです……笑
でもこの子のシナリオはずっと幸せしかないので、そういう意味ではとっても穏やかです。

「叔父と父親の悪いところだけ似て、母親のいいところを全く受け継いでない」
という金凌との再会も、なにも知らずに見ていたころと同じようには見れません涙
この子のために、魏無羨が心を込めた贈り物をしようとしていたことを、もう知っちゃっているんですよ、こっちは……。
このあたりコミカルなシーンなのに、勘弁してほしい……ここから先ずっと、金凌と魏無羨の会話はめちゃくちゃ泣いてしまいます。


38話 束の間の安息/39話 こぼれ落ちた飴

暁星塵と宋嵐と薛洋の愛憎はもうなんか、すごかったですね……。
殺して、殺されて、殺して……
宋嵐のボイスは江口さんのトーンの中で私が1番好きなやつなので、過去で出てきたときもかっこいいなーだったんですが、いやはや……どこまでも本当にイケメンでした。
星塵と共に、と言ってラストに去っていきますけど、昔は2人で歩いて行ったのに、1人になってしまったのかと思うと、それだけでもまた切ない……。
でも薛洋の思っていたこともこっちは知ってしまっているので、どっちが……とかもう言えないです。薛洋がもっと完全なる悪役なら、嫌い!ってなれたんですが、最後の飴のシーンはずるすぎる。
暁星塵はもう……優しいし、イケメンだし、正義に生きる人だし、そしてものすごく……人たらしですね苦笑
彼の周りの3人は3人とも彼を好きですし、彼も3人をそれぞれの形で大切にしていたから余計……それ故に悲劇なんですけど。

そしてここが視聴者的確信ポイントですよね、阿苑。
でもほんと、阿苑のこと思い出して切ない気持ちになっている魏無羨のことを見てしまうと、早く教えてあげて藍湛……ってなります……。
子どものころを覚えていないのに、自然と魏無羨のことをかばってくれる阿苑……。
生きてたことだけじゃなく、真っ直ぐに生きていることに涙が出ます。

そしてこのあたりから、沢蕪君は本当に、一生可哀想な人オーラ出てます。
悲劇しか見えないんですよね……。
ほんと、お願いだから沢蕪君を幸せにしてください、という気持ちにさせられました。
友だからこそ斂芳尊を信じている、信じたいという彼の表情が本当に辛い……。
相手を信じるか、信じ合えるかという話は、沢蕪君と斂芳尊、魏無羨と藍湛の関係における重要ワードなんですけど、沢蕪君が1番辛い、本当に。


42話 清心音の謎

この前に1度抜いてますけど、魏無羨が随便を抜くシーン、ここ本当にかっこいいシーンだなって思います。
まあ、そのことで夷陵老祖だってバレてしまうんですけど。
随便、めちゃくちゃ義理硬すぎますよね。
金丹を失って、陳情を手に入れてからは、ずっと、身につけることもできず、言ってみれば置いていかれていた、みたいな形なのに、魏無羨以外には抜かれないように自らを封じたなんて、すごすぎます……。

藍湛を突き放そうとするシーン。
「含光君までいっぱい食わせるとは」
「まあな」
「違う」
「魏嬰だと知っていた」
もういい、慣れてる、独りでいいと言った魏無羨の隣に藍湛が寄り添ってくれた瞬間に、涙が止まらなくなりました。
窮奇道では共に行けなかった、不夜天では味方できなかった藍湛が、本当に全てを捨てて側に来てくれた瞬間です。
感謝の気持ちや恩があるから助けたとかじゃなくて、ただ同じ志を持っているから側にいて、しかもそのために自分の持っている全てを捨ててくれるって……愛が深すぎる。
ここの迷いが全くない藍湛の表情が最高。
後々、金光瑶が、16年前、江澄と魏無羨の絆を裂こうとしていたんだよ、と言ってきますが(実際、あのあたりの金氏の話し方見てるとそんな感じがあって、見返すと興味深い)ここも金光瑶は魏無羨と藍湛を引き裂こうとしていたと思うんですよね。清廉潔白な藍湛が魏無羨の側にいるとやりにくい、ふたりに組まれたくない、という意図で。
でも、江澄が江氏と魏無羨を比べたときに魏無羨を選ばなかったのと異なり、藍湛は迷いなく魏無羨を選んだ。これが愛だと思いますし、本当に尊いです。

金凌は……辛かったですね。
40話で金凌が魏無羨から喧嘩の仕方とかを学んでいたのとか、めちゃくちゃかわいかったんですよ。
甥っ子を悪い方に教育してるじゃんと、笑いながら泣いてたんですが(2人が会話してるだけで泣いてしまうオタク)上げてから絶望に落とすのが上手すぎる……業の深いシナリオです……。
莫玄羽だと思ってはいたにせよ、間違いなく「ちょっと面白い、変な奴」と思うようになっていたところに、彼は魏無羨で、両親の仇なんだと突きつけられて戸惑い、苦しむ金凌と魏無羨の姿が辛すぎます……。

ところで清心音の変な部分、ってところ、やけに日本の昔の音楽っぽいなーと思ったら、原作では日本の曲だと明言されていて、納得……!笑


43話 重なり合う心

沢蕪君への気持ちが破裂する……無理です、むごいです……。
沢蕪君はずっと寄り添ってたと思うんですが、斂芳尊にとっては違った……いや、違ってはいないし、斂芳尊にとってもちゃんと沢蕪君は特別ではあるんです。
でも一歩足りなかったというか、それ以上に許せないものを彼は持ってしまっていた、って感じですかね……。

雪の中のふたり。
「この世にはお前を信じる者がいる」
「藍湛、お前に捧げる。人生でひとりの知己を得れば、満足だ」
言葉を交わすのではなく、心の声なのにお互いの気持ちが通じているのがしっかり伝わる名シーン……。
魏無羨が「人生でひとりの知己を得れば、満足だ」という台詞を、自暴自棄で言ってるとか、辛いのを隠して言っているとかでなく、本当に心の底から、自分の心に恥じないように生きられて、それを理解してくれるたった1人(藍湛)がいてくれるなら、それでいいと言ってくれているのがわかるので、ものすごく幸せな気持ちになります。
この世は無常で、これから先もきっと魏無羨の犯していない罪だって、彼の罪のままです。でも、心に恥じなければそれでいいと心の底から彼が思えたのは、藍湛がいてくれたからこそ、なんですよね。
藍湛を見つめて微笑む魏無羨が、本当に美しいです。
語彙力なさすぎて、感想が、美しいと泣いたの2種類しかないですが、本当に美しいので許されたい。
「藍湛、ごめんな、ありがとう」
温情が魏無羨に告げ、大切な言葉なのだと魏無羨自らが金凌に伝えたのが、ごめん、とありがとうという言葉です。
藍湛を突き放そうとしたことへの謝罪や、側にいてくれることへの感謝が、いっぱいに詰め込まれていると思います。
この後乱葬崗へ向かうとき、魏無羨は藍湛に
「明らかに今回は危険が待ち受けてる。でも、少しも怖くない」
と言っています。
側に誰かいてくれることの心強さを感じるのは、魏無羨にとって初めてなんですよね。
過去の乱葬崗では藍湛に対してだって、助けはいらない、守ってくれなくていいという感じだったじゃないですか。
そもそもスペックが高いから1人でなんでもできてしまうし、誰かを守ることに対して無尽蔵にがんばれてしまう彼が、「他人が共にいてくれることへの安心感」を感じて、不思議だけど、恐怖を感じないのだと言うのは、泣けてしまいます。
魏無羨のモンペ(私)は、藍湛への感謝の念が耐えません。


46話 金丹の真実

タイトル見て、まさか……と思ったけど、本当にまさかでした。
温寧が知ってるって、ぼかされてましたよね?
だから、もうこの真実は温情が亡くなったときに闇に葬られたんだと思ってました……。
自分のこれまでの言葉が、槍のように江澄に刺さっていくのを見ながら、ボロボロボロボロ泣きました。
江澄がこれまでぶつけてきた言葉にどれだけ傷ついても、笑って受け流して、でも心の奥深くに、誰よりも深い江澄への愛情と、虞夫人との約束があったわけじゃないですか。
本当は共にありたかったし、江氏のことだって心配していて、でも、霊力のほとんどない身体では側にいてもなんの役にも立てないと悟ってしまった。
それでも素直に「そうだったのか、ありがとう、俺は心を入れ替えた」とか言わないでいてくれるのが江澄。
人間ですから、そんな急に突きつけられた真実を受け入れられないなんて当たり前だし、そこが江澄の愛おしい、人間らしいところなんですよね……。

そして、このシーンは藍湛も最高です……!
真実を聞きながら涙し、温寧と会話しながら、魏無羨が金丹を失ったから詭道に走ったという事実を知らずに、彼を責めてしまったことを思い出す……。
彼がこのときにもう1度、魏無羨と共にあろうと決意を強くしたのがよくわかります。
藍湛は台詞が少なく、ほとんど表情しかない……のに、その表情もそれほど豊かじゃないわけですが、それでもちゃんと全部伝わってくるんですよね。王一博さんがすごいし、短い台詞に感情を乗せていく立花さんもすごい……(いや、立花さんがすごいのなんてもう、何年も前から知ってるけども)
温寧と藍湛の舟の上の会話は、とても心が穏やかになりました。
阿苑の話、魏無羨の金丹の話……2人は魏無羨のことを本当に大切にしている人たちで、彼の感情も理解しようとしてくれます。
だから、絶対に魏無羨のことを責めないし、辛かったんだねなんて安っぽいことも言わない。
秘密にしたがる魏無羨のことさえも受け入れて、側にいる。
でも、彼が罵倒されたり、理不尽に傷つくことはやっぱり許容できない。
ものすごく心があたたかくなるシーンです。
その後の、蓮の実のお話もかわいい。
藍湛、やっぱり現代ではとっても柔らかくなってますよね……。

ところで、話が少し前後しますが、姚(ヤオ)宗主はあまりにも調子がよすぎませんかw
真実を知ってもなお、それを認められない江澄との差が激しすぎる笑
いや、まあ、こういうキャラは必要ですし、いいんですが、ついつい「こいつ~!!」って思ってしまいます笑


48話 暴かれた呪い

江澄と魏無羨の会話ですが、緑川さんと汪卓成さんの演技が最高です……。好き……。
江氏双傑の夢を見て、それを裏切られたから魏無羨を憎んでなにがいけないのかと江澄が言いますが、やっぱり何度考えても、全くいけなくないと思います……。
本当はずっと江澄は知りたかったんだと思います。
魏無羨にとってあの約束は軽かったのか、重かったのか。自分と同じように思ってくれていたのか。
だから「ごめんな、約束を破った」という言葉を聞いて、穏やかな笑みを浮かべて自嘲し、ようやく自身も
「ごめん」
と言えたんだなと思います。
もうこの言葉に全部が詰まってました。

沢蕪君の「もう信じられない」という言葉が重かった……めちゃくちゃ重かったです……。
沢蕪君は、私の中の可哀想ランキング堂々の1位です。
マジでなにも悪いことしてないのに、あまりに報われなさすぎてるんですよね……。
本当に誰か彼を救ってほしいです、一体、なんの罪があってこんな可哀想な目にあっているんですかね涙


50話 忘羨

「達者で」
江澄が最後に魏無羨に贈る言葉(聞こえてないけど)がこれなの、めちゃくちゃ素敵でした。
お互いになにか言おうとしながらも、言わずに別れる。
もしかしたらこれから先、ずっと会わないのかもしれないし、あるいは意外にすぐ会うのかもしれないけど、きっと会ったときには、元気そうだな、みたいななんでもない言葉から始まるんでしょうね……そしていつもの丁々発止になる予感がしました。

そしてついに来ました。
ご褒美……というか、ずっと藍湛が隠していたことが明かされるシーン。
阿苑が生きているということは、乱葬崗での生活が無駄ではなかったこと、魏無羨のやったことが間違いじゃなかったことの証です。
「私は、温氏の者だと」
はい、号泣。
もうこのシーンは号泣しかないです。
左足に自然とぎゅっと抱きつくところなんてかわいすぎるし、愛おしすぎました。
思い出すだけで涙が出てくるぐらい、大好きなシーンです。
あと、ここの音楽がとっても好きなんですが(ぎゅっと抱きつくところ〜温寧たちが旅立つところまで)これって、もしかして配信されてるサントラには入ってない……どこかに収録されているのかしら……。
藍湛の表情もとっても柔らかい笑顔……!魏無羨と阿宛をとても愛おしんでいるのがわかる、反則級の表情でした。

それぞれの道を行くために1度別れ、そして雲深不知処で再会するラスト。
忘羨を吹き、呼びかけられて吹くのをやめるときの、魏無羨の期待に満ちたような表情、そして振り向いて藍湛を見つけたときの優しい笑顔がとっても素敵でした。
本国ではこの後のシーンたちが前に挟まっていて、ここがラストシーンだとか……?
希望に満ち溢れた本当に素敵なシーンなので、ここで終わるのはすごくアリというか、いいな……!と思いつつも、再会した後に視線をあわせながら合奏してるのも、とっても尊いですし、滝の上で
「さすがは魏嬰だ」
って言ってくれて顔を見合わせているラストもすごくすごく素敵なので、どっちもアリですね……!


原作との差

基本的にドラマの方が原作よりめちゃくちゃ重いですよね。
後半でいうと斂芳尊が魏無羨の首に紐を回すシーンとか。
原作だと相当なおもしろシーン(とっっても重要だけど、なんといっても魏無羨の言葉選びに問題があるせいで)
でもドラマは、おふざけ一切ナシでバチバチに緊迫しています。
原作では過去と現在を行き来するから、魏無羨が藍湛に嫌がらせをする、みたいなところもポンポン出てきますけど、ドラマだとがっつり過去をやってから現在に至るため、嫌がらせしてきゃっきゃする、なんて微塵もない。
再会直後の雲深不知処のお部屋でいきなり「でもあのときは本当に、俺を信じていたか?」ですもんね……苦笑
なので、先にドラマを見て、重々しく苦しい展開に「しんどい」となった後に、原作見てその中にはさまっているポップなラブシーンたちに救われる……という感じて作品を楽しませていただきました。


アニメとの演じ分け

少しは声オタらしくアニメとの演じ分けについてなんかも。
せっかく吹替を見たわけなので。
良平さん自身もインタビューで魔道祖師では夷陵老祖になってからの変化をはっきりわかるようにしてほしいオーダーがあったけど、陳情令ではそれはやっていない、というような話をされてますが↓

陳情令では少しずつ変化を滲ませていくような、繊細なお芝居
魔道祖師はパキッとしたわかりやすいお芝居
という感じでしょうか。パクに差があるので台詞は全く同じではないにしろ、同じニュアンスこ台詞、同じキャラクターを同じ人が演じていて、こんなにもアプローチが違うのかと驚きます。
それでも、過去編のラストのところとかは似たような部分もあり、同じキャラクターなんだよなぁと思いました。
このあたりは立花さんも同じですが、なんとなく、魔道祖師の方がぎゅっと詰まってて少し早口な気がします。
あと、立花さんは台詞数が魔道祖師の方が多いですかね。陳情令は台詞がものすごく少ない笑
アニメは声優という仕事が独立していて、ドラマは「演じる」の中に言葉が入っているから、自然とそうなるのかもしれないですが。
アニメ完結編のお芝居も楽しみです……!


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