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永平寺

福井県にある曹洞宗の大本山である永平寺。道元禅師が越前の地で、1244年に大仏寺を開き、2年後に「永平寺」と改称されたお寺。私は何故か永平寺に惹かれて、20代の頃に何度も何度も通った。男性だったら、出家していたのではないかというくらい、永平寺と修行僧の佇まいに心を奪われた。

永平寺には3泊4日の参禅修行?というコース(今は感染症対策のため中止だそう)があり、修行僧の1日をお客様の立場から少し垣間見れるというもの。

そこで衝撃を受けたのが、トイレを素手で洗うこと。トイレ掃除は、とても大切な修行の一環だそう。確かに、どんな心でトイレ掃除をするかやトイレをどのような状態に保つのかで、価値観とか色々なものが炙り出されそう。

そんなある日の夏、当時中学1年の妹を座禅宿泊と、永平寺大灯籠流しに誘った。まだ幼い妹は、何故か興味を興味を持って着いてきてくれた。永平寺大燈籠流しは、毎年8月下旬の土曜日に開催される永平寺町の夏の風物詩。曹洞宗大本山永平寺の高位の僧侶や若い修行僧による読経が営まれた後、先人たちへの「愛と感謝」、供養の想いを込めた約1万個の燈籠が流される。

その時に見た灯籠流しが、忘れられない。とても幻想的で荘厳で厳粛で、この世とあの世の端境にいるのが、ヒシヒシと感じられた。あの時の時空間は、色々な時代や場所と繋がっていたように思う。そして、本当にたくさんの人がいたけれど、みんな思いは同じだったんじゃあないかな。「ありがとう。大好き。」

一緒に見た妹も、連れて行きたいと思っていた母も、今はもう居ない。

でも、またあの場所に行ったら、二人にも会えるような気がする。いつかまた、3人で訪れたいな。

#永平寺 #灯籠流し

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