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病気は気づくことから~下痢~

皆さんは「下痢」とはどの程度の便の状態から表現されますか。
臨床現場では「下痢しました」という主訴で来院される患者が多くいます。その際に必ず聞くことは「どんな下痢でしたか」です。下痢の感覚は個人差があるようで、水のような便の場合もあれば、少しでも軟便になれば下痢と表現する人もいます。

下痢には大きく2つのタイプがあります。1つ目は「大腸性下痢」であり、特徴は頻回の排便としぶり、粘液状の便が認められることが多いです。しぶりとは、排便姿勢を取りますが、便が出ない状態を指します。2つ目は「小腸性下痢」であり、特徴は1回の排便量が多く、しぶりは認められません。

また、便の色も重要です。黒色のタールのような便は消化管、とくに小腸などの上部消化管の出血の可能性が高いです。また肛門付近の出血の場合は鮮血の便になります。

下痢をした際は病院に糞便を持ってきていただけると検査が可能となります。また、水様性の下痢で採取が困難な場合は写真を見せていただくことも診断に役立ちます。下痢は感染性のリスクもあるため続くようなら早めの受診をお勧めします。

最後に嘔吐や下痢の際に「絶食」を行うことが必要なのか、についてお話させていただきます。オレオ君の場合、嘔吐がひどいときは絶食させていました。嘔吐がひどいときは「誤嚥」、つまり吐物が気管に入る危険性があるからです。しかし、吐かなくなったあとは食欲廃絶でも少量頻回で少しずつ食事を始めました。これは以前獣医のセミナーで聴講した内容ですが、長い絶食は腸の絨毛を萎縮させる可能性があり、完治を遅らせるそうです。私は消化管の機能を維持する目的で、少しだけご飯を強制的に給餌していました。

排便は特に食事の影響も受けますので、日ごろから糞便の状態をよく観察すると異常に早く気付けるようになります。


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