合理化とサービスは表裏一体で

昨日、75歳の従姉妹とランチに行ったら、注文した料理がネコ型配膳ロボットで運ばれてきた。しかし小鉢がたくさん乗った盆は大変重くて、これは従姉妹のような高齢者には取るのが難しい。飲み物もセルフでドリンクバーとなっていて、料理にはお茶もついてこない。足の悪い人は混雑時のランチタイムのドリンクバーを使うのは困難だ。

ランチの予約も祭日は混むからと、私がネットで料理もあらかじめ決めて事前予約していたので、スムーズに入店して料理も早く出てきた。一方で、ネットに明るくない高齢者は、入口で順番に名前を記入して長時間待たされていた。食事後の支払いもタッチパネル式自動精算機なので、慣れていない高齢者はなかなか支払いが進まない。

世は「人手不足」である。その解決策が機械による合理化で補っているのであるが、コロナを機に急速に進みすぎたのではないか。同時に高齢化もどんどん進み、ファミレスなど客層の大半は高齢者だというのに、入店しても高齢者に対して配慮がない機械化で、店内で狼狽えている高齢者の何と多いことか。合理化を進めることで、今まで日本が世界に誇るサービスが二律背反になってきている。

75歳の従姉妹も63歳の私も、幸いパソコンやスマホも使いこなすので、今のところ不便はないが、従姉妹はコロナの予防接種を機に、近所の高齢者の為にパソコンでの予約や手続き代行のボランティアをしている。情報リテラシーが生活の利便性の差になっているのである。従姉妹も私もITCの利便性を得る為に必死で学びながら生きているのである。

しかし現実として、経済的な理由も含めてパソコンも無い、スマホもほとんど使えない高齢者がワンサカいる。一方的にある日突然機械化されて戸惑う高齢者を置き去りにするような企業や自治体はいかがなものかと思う。

先日も、機械化でみどりの窓口の閉鎖で混乱したJR東日本は一部窓口を復帰したように、市場に合わない施策はサービス低下以外の何物でもない。旅行の上客は高齢者が多いのに、自分で切符を買えないなんて有り得ない。

カスハラ対策を打ち出す前に、カスタマーにストレスをかけるようなサービス低下を考え直してもらいたいと思う。合理化とサービスは表裏一体であると考えてやってもらいたいですね。

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