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人は何故”アイドルヲタク”になるのか

僕は女性アイドルが好きだ。

簡単に自分のプロフィールを名乗るなら“野球が好きなアイドルヲタク”だし、画像フォルダはアイドルばかりだし、部屋には無数のCDが溢れている。

僕と女性アイドルの出会いは小学校高学年。当時世を席巻していたAKB48の事が僕は嫌いだった。休み時間に流れる言い訳Maybeが不快で、ヘビーローテーションを踊る同級生女子を軽蔑の眼差しで見ていた。今になってから分析すると、(今と違って)当時は斜に構えていた訳ではなく、単純に何がいいのか本当に分からなかったのだと思う。テレビを見ない人間なのでそもそも芸能に興味がなかったというのもあるし、小学生男子は素直に可愛い女の子に可愛いと言えない生き物である。

そんな僕も色々あってアイドルヲタクになった。本格的にハマったのは中学2年生。当時は周りにも親にも言えなかった僕にとって最初は自分だけの話題だったアイドルという趣味だけど、Twitterを初めて共有できる話題になった高校1年で僕のヲタクは加速し、現場に行くようになり、いつしか生活の中心になっていく。

詳しい経緯や推しメンはこちらこちらを見ると読めます、暇な人どうぞ

「人は何故アイドルを好きになるのか?」

なぜ人はアイドルを好きになるのだろう。とても難しい議題だが、その1つに「心の穴埋め」があると思う。


リアルが楽しくない。周りに可愛い子がいない。現実に目を向けたくない。人によって空いている穴はたくさんあるけど、それを色んな方面から埋めてくれるのがアイドルだと思う。これは男女関係ない・・・と思うけど、どうなんだろう。

僕はリアルが楽しくなかったのが1番の要因である。アイドルヲタクのご多分に漏れずいわゆる“陰キャ”の僕は友達が特別多いわけでもなかったし、仲のいい友達はいても昔から集団に属するのが苦手な僕は学校生活がとても苦手だった。

退屈で嫌なことばかりだった中学生の僕に、文字通り笑顔をくれたのはアイドルだった。AKBINGO!や有吉AKBを見ている時間は学校で会った嫌なことも忘れられたし、高校生になって現場に行き始めてからは退屈な日々のモチベーションが現場になった。ルートは違えど、他のアイドルヲタクの人達も似たような感じでアイドルをモチベーションにしている人が多いのではないだろうか。

「アイドル」という言葉の定義

インターネットの海にアイドルとは何かを問うと「成長過程をファンと共有し、存在そのものの魅力で活躍する人物」「崇拝される存在」「あこがれの的」と返ってくる。

アイドルという言葉の定義として、この言葉は正しいと思う。ここでは3つを「アイドルという言葉の定義」として色々見ていこうと思う。

僕にとっては1番目、「成長過程をファンと共有し、存在そのものの魅力で活躍する人物」が1番近い。今思えば小学校の頃、間違いなく周りのヘビーローテーションを踊っていた(僕が軽蔑の目で見ていた)女子たちにとって前田敦子や大島優子は2番目「崇拝される存在」であり3番目「あこがれの的」であったと言えるだろう。今の小中学生にとってのそのポジションには韓国アイドルがいるのだろうか。

「どんなアイドルが好き?」に対する僕の答え

これもまた、ヲタク-ヲタク間で(時には一般人に聞かれることもあるけれど)よく交わされる議題だろう。

良くも悪くも、特に近年は誰でもアイドルになれる時代である。それがAKB48なのかハロープロジェクトなのか地下アイドルなのかは問わず「アイドル」である事実に変わりはない。王道かわいい、かっこいい、パフォーマンスで見せるアイドル、SNSでのパフォーマンスを生かしたアイドル。言い方は悪いかもしれないが文字通りピンからキリまで、多種多様なアイドルが存在している。

そんな中から、皆さんは推しメンをどんな基準で決めるだろうか。もちろん僕は髪型が好み(僕で言えばロング派)とか顔が好み(たぬき顔は神)とか対応がいいとか無論そういう要素は僕にも存在はするけど、1番は「アイドルになりたくてアイドルになった子」を好きになることが多い。

アイドルにもモデルになりたいから、とか女優になりたいから、とか友達が受けてて一緒に受けたらこうなっちゃった、とか親が勝手に、とか色々な経緯でアイドルになった子がいる。その子たちを否定する訳では無いんだけど、それはそれぞれ憧れの職業に直接行けばいいのでは?と僕は思ってしまう。「憧れのアイドル(例:渡辺麻友、大島優子)みたいになること」や「アイドルとしての何か(大きなステージに立つとか歌番組で歌うとか)」が目標なのか、「アイドルになった先、辞めた先にあるもの」が目標なのかの違いである。悪い極端な言い方をすればゴール地点がアイドル活動の中に存在するのか、アイドル活動がステップアップの場なのかとも言い換えられると思う。
実際、僕のことを知ってる人は僕の好きなアイドルを思い浮かべてもらえればいいのだが、たぶん思い浮かべた子は「アイドルになりたくてアイドルになった子」「もともとアイドルが好きな子」が多いと思う。(というかたぶん当てはまらないのは丹生ちゃんぐらいな気がする)

当たり前だけど、「アイドルになりたくてアイドルになった子」よりも「アイドルになりたいけどアイドルになれない子」の方が多い。プロ野球選手だろうが、漫画家だろうが、どんな職業でもきっとそうだろう。当たり前の現実だけど、この現実はとても厳しい現実である。僕は候補生SHOWROOMを見るのが好きだから分かるけど、どれだけアイドルが好きでもアイドルにさほど興味のない可愛い子が受かるのが現実なのである(繰り返し言うが、そういう子達を否定する訳では無い)。

分かる人は分かってくれると思うけど、例えば48Gの若い子が昔から代々受け継がれてきた衣装を着て代々受け継がれてきた曲を歌うのは男である僕でも羨ましいなと思う時がある。アイドルになれるかもしれない(なれたかもしれない、になってしまった人たちも含め)女の子達にも憧れの気持ちがきっとあると思う。アイドルが「あこがれの的」である、という定義はここでも生きてくる。

だからこそ、「アイドルになりたかった子」が実際にアイドルになって歌うアイドルソングは“重さ”が違うなと僕は感じる。

アイドルになってすぐから選抜に入る子。ヲタクにも運営にも推される子。運営に貰ったチャンスを生かせなかった子。そもそもチャンスを貰えない子。これだけアイドルヲタクをしていると、色んなアイドルに出会う。自分で言うのもなんだけど、すぐ色んなところを見る僕は余計にそうだった。アイドル個人だけでなく、グループとしてもすぐ売れたグループ、売れないグループ、売れるまで時間がかかったグループ、色々見てきた。


ある候補生SHOWROOMで、僕が応援していた子が途中で辞退してしまった。その子はもう就職していたけど、夢を諦められず受けたオーディションから「自分が憧れてたキラキラしたアイドルになれる自信が無くなってしまったし、今後素直にアイドル応援出来なくなるのが嫌だから」と言ってフェイドアウトしていった。その子はきっと今もどこかで普通の女の子として働いていると思う。
でも、期間中毎日工夫して楽しく配信して僕に笑顔をくれたあの子は、間違いなくあの期間アイドルだったと思う。

こんなことを書くとアイドル側から怒られるかもしれないけれど、いつの日からか売れているグループに合格出来ることがアイドルとしての最善策だと僕は思わなくなった。所属しているグループが売れることや有名になることはもちろんアイドルのみんなにとってひとつの目標で夢だと思うけれど、名選手が必ずしも優勝経験者でないように、売れていない中にだって素敵で立派なアイドルは沢山いる。さっきの定義でいえば「成長過程をファンと共有」してくれるみんなは売れているか売れてないかに関わらずアイドルだと僕は思う。

毎週のようにつながりバレが流れてくるこんなご時世だから、アイドル舐めてるじゃんって思う内容もよく見るようになった。アイドルは恋愛しないでほしい!と言うと幻想主義者というかアイドルだって女の子なんだからするだろwみたいな意見が飛んでくるし、それもとても分かるし、こんなことを言っておきながらアイドルの8割には彼氏がいると思っているけど、僕がアイドルが恋愛してるのを見ると舐めてんなと思うのはアイドルになりたくてなれない子やアイドルにはなれたけど真面目にやってても報われない子が沢山いるからである。

いつか大きなステージに立って欲しい気持ちやもっといいポジションで歌って欲しいなという気持ち、多人数のグループで言えば選抜に入って欲しいという気持ちもちろんあって、それのために応援しているけど、それだけが全てだとは僕は思わない。垢抜けていくのを見たり、昔は話さなかったバラエティ番組で喋れるようになっていたり、公演で見たら前より歌が上手になっていたり、ダンスが良くなっていたり、そういう成長の過程を見れることがヲタクは何よりも嬉しいのではないだろうか。もちろん、それに結果が伴えばそれに越したことはないのだけど。

まとめ

アイドルは必ずしも売れている事が条件じゃないんだよな、売れてなくてもアイドルとして頑張ってる子は見てて嬉しいし応援したくなるよねという話でした。

努力が報われるに越したことはないんだけど、その努力が報われなくても君の努力はヲタクは見てるし、その成長の過程を共有できることがアイドルヲタクの醍醐味で僕がアイドル好きな理由なんだよな。

というわけで、僕が「どんなアイドルが好きですか?」と聞かれたら「アイドルになりたくてアイドルになった子」と答えるのはこういう理由でした。
わかってくれる人がいると信じて、今日はこの辺で絞めたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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