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暗箱

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2022年12月の記事一覧

詩「じかん」

白い部屋にこどもはいて 画用紙にひとつの家を書く 「これがぼくたちのいえってことね」 そこには椅子も机もなく タンスも皿もフォークもなく ベッドもタオルも時計もないから 次々と線は書き足されていく 「スプーンもいるよ」 輪郭だけを持つそれらは 色を持たない この部屋も白いから どこまでも線を書き足せた 表出した途端に消えるそれらは やがて時計を動かすだろう かきまぜる スプーンで 色を掬いながら 気がつくと 白い画用紙だけがある 白い部屋