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暗箱

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2020年11月の記事一覧

詩「帰途」

見覚えのある名前だと思ったら 昨日見た求人情報に載っていた会社だった 川沿いの 耳を澄ませば電車の音が聞こえるその場所は 今まで何度も通り過ぎていたはずだった 駐車場の脇の灰皿を囲むように 女性社員が数名 談笑している 午後四時を回ったところだから丁度 パート社員が上がったところかもしれない 近頃は歩き方がわからなくて困る 比喩ではない 白線を静かに脱線する体の 睫毛の辺りにクモの巣が絡まっている それは日に日に糸の数が増えて 瞼が重くなっていく 千鳥足で道路を渡る男が曲が