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2020年10月の記事一覧

詩「雨とロックンロール」

ねえずっと倒れそうなまま生きてきたのではなかったっけ? 川沿いの道に石が幾つか転がって ああその日も雨が降っていたな ポケットに手を突っ込んで 傘は持っていなかったから 下を向いて歩いていく 石のひとつを蹴飛ばして 表層化しない反抗の渦がうかつにもまだ底のほうにあって 髪から滴る雨が肩を伝って ノーカラーの白いシャツを濡らしては 立ち止まったら息が止まりそうだって 誰に言えただろう 気付いたら 老体にタバコ まるで酸素呼吸器のように 葉が揺れて滴にうるおっていくだけの世界を