見出し画像

オキは沖縄に移り住んだのではありません。自然捕獲されて連れてこられたのです。


2021年5月17日付け朝日新聞デジタル記事「イルカのオキちゃん 沖縄と半世紀 何度も荒波乗り越え」について事実に反する表現があると思い、ご連絡差し上げております。

まず冒頭の「沖縄に移り住んだ1頭のイルカがいる」という記述についてですが、オキちゃんと名付けられたこのイルカは、奄美大島の大島海峡で捕獲され、海洋博会場にヘリコプターで運ばれた野生動物です。貴稿のこの記述は、自然捕獲され、沖縄まで連れてこられたという事実に反し、このイルカが自然に沖縄に移り住んだような印象を読者に与えます。

また「荒波を乗り越えながら、オキちゃんは今日もジャンプ」という記述についても、人間の都合により海洋博のマスコットにされ、人間を喜ばせるために芸をするよう強いられている、このイルカの悲しい現実にそぐわない表現だと考えます。

オキは自ら望んでジャンプしているわけではない。ジャンプを強いられている。「観光ブームやテロ事件の波紋、コロナ禍」による荒波(経営難)を乗り越えたのは水族館です。オキではありません。オキは水族館が荒波を乗り込めるための客寄せに利用されたのです。

意識して書かれたわけではないかもしれませんが、貴稿のこうした表現は、自然捕獲され47年間も水族館に利用されているイルカについて、現実からかけ離れたイメージを固定観念として広く社会に刷り込むものではないかと危惧しております。

ご検討いただけましたら幸いに存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?