見出し画像

はじめまして。AKIと申します。

現役医師 兼 医師系tiktokerのAKIです。

普段は医師として複数の病院で勤務しており、その傍らでtiktokerとして医学教育を行なうべく活動しています。

私がtiktokerとしての活動を開始したのは2019年。何か創作活動をしたい、作品を残したいという気持ちから始めました。しばしの活動休止を経て2021年4月から本格的に活動を再開し現在は疾患に関する情報提供、医療相談、Liveでの医学教育を中心に行なっております。

私がTiktok、noteなどで医学教育の活動をしている理由は次の2つが主軸です。

① 正しい医療知識の流布
② 医療従事者と一般人の壁を取り払いたい


①正しい医療知識の流布

 皆さんは普段、健康・病気に関してどこから情報を得ていますか。医学論文や症例報告を読んで情報を得ている方はまずいないでしょう。多くの方が、テレビ、雑誌、SNSで得られた情報を頼りに知識を得ていることと思います。

 しかし、よく言われることですが大衆向けのこれらのツールには重大な欠陥があります。それは正しい医学知識を提供することを必ずしも想定されて作られた情報ではないということです。彼らが最も重視しているのは集客して利益をあげることです(資本主義の原則)。そのために不必要な程に不安を煽ったり、事実を歪曲・捏造したり、断片的な情報のみを提示したりして、皆さん視聴者に情報を買わせようとするわけです。私も医学を勉強するまではマスコミの報道を鵜呑みにして生きてきました。ところが医学を勉強すればするほど、それらが不正確な報道・表現であることに気づかされ、今では基本的に医学書、論文、専門家の記事から情報を得るように心がけています。

 誤った情報が氾濫している世界の中で、皆さんが自分の力だけで正しい情報にアクセスすることは困難です。むしろ正しい情報を得ようと頑張れば頑張るほど、誤った情報しか蒐集できないパラドックスに陥ります(例:だからこそ誇大広告のダイエット食品やぼったくり商品を買うはめになるわけですよね)。

 そういう現実を目の当たりにした上で、医師である自分にできることは何かと考えた時に、「できる限り正確な医学情報を一般の人で理解してもらえる形で届ける」ということかなと思ったわけです。


②医療従事者と一般人の壁を取り払いたい

医学は日進月歩変化し続けます。新しい疾患概念の登場、新しい検査・治療法、法整備や制度、目まぐるしく変化し情報は指数関数的に増え続けています。私たち医療従事者は最新の医療情報を取得しようと努力し続けているわけですが、正直なところ追いつけておりません。なので今は専門領域が細分化され、その道のスペシャリストをどんどん新設し対応している流れになっております。

医療従事者の立場としてはそれでいいかもしれません。しかし、医療は誰のためにあるか?患者さんのためです。患者さんが自分の病気や検査、治療に関する情報を正確に知る必要があります。なぜならば、自己決定能力が低下した方(高齢、障がい、疾患などで)を除いて自己決定は患者さん自身がすべきだからです。そのために医療従事者は他職種で連携し、情報提供を行っております。

が、おそらく多くの方が理解できていないと思います。内容も多岐にわたり難解です。そもそも医学の基礎概念(=棚)が分かっていないのに疾患や治療に関する情報(=本)をを提供しても十分理解できるはずがありません。だからといって病院で棚を構築することは限られた時間の中では現実的ではないですし、実際、患者さんは体調が悪い中勉強に注力することはできないと思います。

例をあげたいと思います。1年前から咳が続き、CTで肺癌の疑いと診断されたとしましょう。「転移の有無を調べるために造影CT、PET、頭部造影MRIが必要です。診断には気管支鏡検査やCTガイド下生検が必要です。その組織型や発現遺伝子によって治療法が異なります。従来手術、化学療法、放射線の3つが主軸の治療でしたが、免疫チェックポイント阻害剤の使用も可能であり、この免疫チェックポイント阻害剤はPD-1という分子を阻害する抗体で、これによって癌細胞が免疫寛容を・・」。この説明を聞いて理解できる一般の方はいないでしょう。時間をかけてゆっくり丁寧に説明するとしても、そもそも癌とは何か、癌の治療は何があるか、遺伝子とは何かくらい知っておかなければ、いざ癌になって病院で説明を受けたとしても、「なんだかよくわからないのでお任せします」ということになってしまいそうです。

そもそも一般の方、患者さんに医学に対する基礎知識がないことが、自己決定を取り巻く諸問題の主要な原因であり、これこそが「医療従事者」と「患者」を隔てる「壁」なのだと思うわけです。自分が病気になる前から医学の基礎知識を持っておくことこそが、自分が病気になった時に治療計画をスムーズに決められる鍵になるのではないかと考えます。そういった意味で私は医学教育を通じて、できるだけ多くの「壁」を取り払いたい、いや取り払うのが困難だとしてもせめて「壁」を低くしたいのです。


以上が私が医学教育を行う理由です。

今回の記事を通じて皆さんの何かしらの行動変容につながれば幸いです。

もしよろしければ各種SNSのフォロー、noteの記事購読をお願いいたします。

一緒に人生を豊かにしていきましょう。


2021.7.26 AKI

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?