四天王・三銃士世代が20年ぶりのプロレス生観戦!G1CLIMAX34長岡大会
プロレスとの出会い
私の母は、ジャイアント馬場の中学時代の同級生。そのため、小さい頃からプロレスは私の身近にあり、テレビのプロレスも割と見ていました。
中学生の冬、たまたま見ていた全日本プロレス中継。その日はオープンタッグ選手権最終戦の放送。プロレス史に残るザ・ファンクス対ブッチャー・シーク戦が行われていました。この試合でテリーファンクにしびれ、以後プロレスにのめり込んでいきました。
初の生観戦は大学時代。それから約20年間、毎年どこかの会場へ生観戦に行っていました。新婚旅行で天龍対大仁田の有刺鉄線金網電流爆破デスマッチを見るというのめり込みようです。
最後の生観戦
最後の生観戦は 平成16年7月10日、プロレスリング・ノアの初の東京ドーム興業。三沢選手と武藤選手がリング上で初対決した日です。当時、これが最後の生観戦になるとは思ってもいませんでした。
この後、仕事や勤務地の都合で生観戦の余裕がとれない状態が続いていました。プロレス自体も四天王・三銃士といった私と同世代の選手の実力に陰りが見え始めてきました。それなのに、下の世代の選手がなかなか育ってきません。プロレス自体が格闘技にお株を奪われ、人気も下火になっていきました。ノアのプロレス中継が打ち切られた後、私のプロレス離れを決定的にしたのは、三沢選手のリング禍でした。悲しかった。
その後、プロレス界は離合集散を繰り返し、誰がどこの団体にいるのかも分からなくなりました。
プロレスへ戻るきっかけ
私がプロレスに戻るきっかけになったのが、平成28年から始まったAmazonプライムビデオの「有田と週刊プロレス」という配信番組でした。懐かしの週刊プロレスを題材に語る有田さんが、直近の新日本プロレスを語ることがあったりしたので、少しずつ今の新日本プロレスの知識も入るようになってきました。興味も出てきました。CSで放送される1.4東京ドーム大会も見るようになっていきました。
気持ちの中で、「またプロレスを生で見たいな」という気持ちも芽生えてきました。せっかく気持ちが盛り上がってきたところでコロナ騒動が始まります。管理職として、土日であろうとイベントに出かけている場合ではなく、いつ電話が鳴るか常に緊張感をもった日々が続きました。コロナ騒動に相当の気力を奪われ、定年延長の1年を残し、疲れ果てて退職しました。
いざ、G1へ
今年退職をしてかなり自由な時間が増えたので、気力も充実し色々なイベントに出かけています。プロレス復帰も一つのめあてでした。
長岡に新日本プロレスのG1が来る。G1が地方巡業をやっていることも知らず、気付いたのは、大会1週間前くらいだったので、よい席が残っていません。行くか行くまいか迷っていた大会前日、知人から「都合で行けない。1枚チケットが余った。知り合いでプロレスファンはあなたしか思い浮かばなかった。」という嬉しい声が掛かりました。即答で「ありがたくいただきます」と返答しました。渡りに船とは正にこのことです。
入場前
チケットはA席の西通路脇。すごくよいチケットでした。
新日本プロレスの生観戦は平成16年1.4東京ドーム以来です。(メインが中邑対高山!)
アオーレ長岡は初めて入る会場です。
久しぶりの生観戦で、気持ちも高揚してきました。
ただ、対戦カードを見ても知っている選手がほとんどいない。生で見たことがあるのが、棚橋・邪道・外道・金丸の4選手だけ。前情報も入れてないので誰が優勝戦線に絡んでいるかも分かりません。選手紹介のページを見てもほぼどの選手もチャンピオン経験ありで、誰が今強いのか分かりません。ベルトの種類も多く、どのベルトがどれほどの価値を持っているのかも分かりません。ベルトの乱立にもほどがあるだろうというのは昔気質のファンのわがままでしょうか。だって、創設者のアントニオ猪木は、乱立するベルトを統一するという壮大な構想でIWGPを始めたのに、「IWGP以外にベルトがいくつもあるってどういうことだよ!」と突っ込みたくなります。平成16年1.4東京ドームの中邑対高山だって、IWGPとNWFの統一戦だったんだよ!
また、グループもいくつかあるようですが、そのグループ自体も把握していないので、誰と誰が対立構造なのかが分かりません。試合を見る目は肥えていてもストーリーを把握していないので、復帰へのハードルは高いなあと感じながら会場に入りました。
会場の変化を感じる
会場内は若い人たちがいっぱい。座席はぎっしり満員。会場規模大きくないとは言え、観客がぎっしり詰まっているのをみるととても嬉しく思いました。新潟市体育館の2階席ガラガラの状態を何度も見てますからね。
最近の会場に慣れている人には当たり前でしょうが、20年ぶりのプロレス会場の様変わりに驚きました。
・雰囲気が明るい。
・女性客が多い。
・客層が若い。
・入場ゲートが設置されている。
・大型モニターが2か所に設置されている。
・カメラなどの機材が多い。
・何代もテレビカメラがある。
・イベントスタッフがたくさんいる。
・始まる前から観客ができあがっている。(昔は、観客を盛り上げていくのが前座の役目でした。)
・前座試合がない。(G1という大会で出場選手が多いからかな?ヤングライオンの出場はなし。)
・第1試合からド派手な演出。
・どの選手にもコールが起こる。
・写真撮影OK。(アーティストのライブに慣れていると撮っていいのか不安になりました。ガラケーだった時代は写真を撮ろうとも思いませんでした。)
テレビでは見ていましたが、実際に会場に行ってみるとアーティストのライブのような雰囲気でした。
いよいよ試合開始
17時。時間きっちりに始まりました。
テーマ曲がかかります。
「誰のテーマ?」
そういえば、今日出る選手の誰一人として入場テーマ曲を知りません。有田プロレスのリアルイベントでは、知ってるテーマ曲ばかりだったし、曲一つで自分自身が盛り上がっていました。テーマ曲の予備知識がないと誰が入ってくるか分からないし、期待感も上がりません。入場テーマの予備知識が大事だと実感しました。
第1試合に社長の棚橋。やっぱり華がある。20年前のドームではU-30無差別級選手権試合60分1本勝負
<王者>○棚橋弘至
(17分6秒、ドラゴン・スープレックス・ホールド)
<挑戦者>●吉江豊
でした。最初に見たことがある選手が出ると落ち着きますね。棚橋選手はリングに上がると東西南北の各方向にアピールしました。これ、テレビだとあまり意味を感じませんが、生観戦では「こっちを向いてくれた」という嬉しさがあります。それをやってくれたのは全試合を通して、棚橋選手だけでした。
ほかの選手は、テレビカメラに向かってアピールしていました。北方向にいた人はよかっただろうけど、西側の私の席からはほぼ背中しか見えませんでした。モニターの方を見ればいいじゃないかって?だって、モニターより選手の方が近いんだよ!今の選手、会場へのアピールの仕方、もうちょっと考えてほしいと感じました。昔の永源選手のつば攻撃は、会場の四方に向かって行われていましたからね。
選手の立場から言えば、会場のモニター放映だけでなく、「新日本プロレスワールド」の配信があるから、アピールしているんでしょうけどね。全試合配信だと、手も抜けなくなっているんだよね。これはこれで、大変だなあと言うことも感じました。
公式戦のちょっとした感想
第4試合からはいよいよ公式戦。
カラムニューマン対ゲイブキッド。ニューマン動きのいい選手。負けたけど目にとまりました。
第5試合、SANADA対ザックセイバージュニア。ザックセイバージュニアがトップを走っているようだが、ねちっこいだけで強さを感じない。昔のマレンコブラザーズみたい。勝ってトーナメントへ勝ち上がり。嬉しさで、西側客席に入ってきました。生観戦していると選手が近くに来てくれるだけで嬉しいです。これは今も昔も変わりません。(昔タイガージェットシンとアブドーラ・ザ・ブッチャー組が場外乱闘、ブッチャーが客席になだれ込んできたので逃げたら、その方向からシンがこちらに向かってやってきた。この時の恐怖たるや、もう本当に言い表しようがないです。)
第6試合、鷹木 信悟対ジェイクリー。全然知らない選手だけど、調べると鷹木はIWGP王者だったし、ジェイクリーも三冠とGHC持っていた選手だと知りました。全日・ノア派だった私からすれば、三冠・GHC経験者のジェイクリーに勝ってほしかったけど、負けちゃった。三冠・GHCの過去を知っている人間からすると、これでいいのかなあ?という感じ。ジェイク選手は、鶴田・天龍・三沢・川田・小橋・田上・秋山に匹敵する選手なの?
第7試合、海野 翔太対EVIL。EVILもIWGP王者経験者か。格からすればEVILの勝ちだろうけど、若い海野がどう戦うかが見所。武藤敬司新日本プロレスラストマッチをテレビで見て知っていたからちょっと期待。試合は、いじめっ子軍団が次々乱入し来て、レフリー不在の状況が何回も続く。海野選手が自分の目の前まで飛ばされてくる。椅子がバタバタ倒れた中で、みんながスマホのカメラで撮ってる。生観戦の醍醐味です。最後は父レッドシューズ海野がレフェリング。父がレフリーをするということはもしかして海野勝つんだろうか?会場は大「翔太」コール。EVILがこれで勝ったら、観客の不満大爆発だぞ、と思ったけど、そこは心得たもの。最後はきっちり海野が見事勝利で会場を盛り上げました。これだから生観戦はやめられない。こういう試合していくといい選手になるよね。EVILとか周りのいじめっ子軍団もあおりがうま過ぎます。
第8試合、メインイベント。内藤哲也対グレート-O-カーン。最近テレビでよく見るのは内藤の試合。星取り表から見ると内藤が勝って決勝に行くんだろうなと思っていた。そうじゃないと5勝4敗が何人も出てしまうから。もう一方のグレート-O-カーンは知らない選手。元ネタのキラーカーンは燕市(旧吉田町)出身の選手。経歴見ると面白そうな選手で、キャラもしっかり作り込んでよいです。奇声を上げてのモンゴリアンチョップはキラーカーンにそっくり。試合が進んでいくと内藤のフィニッシュを返しカーンが勝った。
「5勝4敗が4人になったぞ。このうち2人選ぶのどうするんだ。もしかして、トーナメント進出者決定戦やるのか!」と期待したが、リングアナがあっさり「大会規定により鷹木選手とカーン選手のトーナメント進出です」と発表しました。こんなにあっさり決まるのね、とちょっとがっかり。これが今のプロレスなんだね、と実感しました。(古い人間は、平成9年の全日チャンピオンカーニバルの三沢・川田・小橋による巴戦が忘れられない。)
まとめ
イベント全体でちょうど3時間。
選手のことはよく知らなかったけれど、イベント全体としてはとても満足な時間を送ることができました。20年のブランクがあってもこれなら十分ついていけそうと思えました。プロレスは、アーティストのライブに参加するのと何ら変わらないイベントになっていました。
古いプロレスファンの癖として、深読みしすぎるのですが、それもプロレスの楽しみ方ですよね。
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