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暑い夏は男性もノースリーブを。

8月なのに梅雨のようなお天気が続いていたので、ようやく真夏になった気がします。
先週は雷や豪雨がすごかった地域も多いですが、ようやく8月らしいお天気になっていくみたいで、ホッとしている人も多いと思います。

夏といえば、ノースリーブ。
この暑さですから、街ゆく人の装いはまさに真夏。カラフルな日傘に、涼しげなサンダル、そしてノースリーブのトップスやワンピース。
「真夏モード」でオシャレを楽しめるのは35℃に近づく勢いの今の季節ならではですね。

私はノースリーブのファッションが好きです。
夏のノースリーブは、着ている人が涼しいのはもちろん、見ている方も涼しげな気持ちになります。夏といえばカラフルなノースリワンピにストローハットとサンダルが定番ですが、やはりうだるように蒸し暑い日本の夏に合っていますね。

ノースリーブは上半身が引き締まって華奢に見えますし、なかでもワンピースはやっぱり夏の全身コーデの定番。
ワンピースというアイテムは、半袖や長袖よりもやはりノースリーブが最強に身体のシルエットを美しく引き立ててくれますね。


でも、なぜか男性でノースリーブを着ている人を見ることはそれほど多くはありません。まわりを見渡しても、この暑さのなかスーツを着ている信じられない男性はいても、ノースリーブの男性というのはごく少数派。

もちろんこの暑さですから、いわゆる「ランニングシャツ」を着ている男性もいますが、ファッション的にはまったく雰囲気が違いますよね。ワンピースとはいわないまでも、夏らしく涼しげで清楚なデザインのノースリーブは男性が着てもいいのではと思います。

私は以前にnoteでこのテーマについて意見を聴いたことがありますが、実際には、「男性も真夏はノースリーブを楽しみたい」という声が多かったです。

ひと昔前までは、男性はノースリーブを着てはいけないような時代の雰囲気があったように思いますが、おそらくそれは単なるイメージであり、旧態依然たる風習の残像なのだと思います。実際には、男性でもノースリーブが似合う人はいるし、自分らしくアレンジすることで自然に着こなせる人もいますね。

ひと昔前なら、男性と女性は社会的な役割が違うからという理由で納得していた人も多かったかもしれませんが、今は国を挙げて男女平等、女性活躍推進をうたう時代。不思議といえば不思議な光景ですね。

男性=ひたすら稼得労働に専念して家族を養う。女性=一家に大黒柱を支えてケア労働に一生を捧げる、といったステレオタイプなイメージは、まったくもって普遍的な価値観とはいえない時代です。女性的なファッションはいわば社会においてサブ的な役割を担う女性だからこそ許されたカルチャーだと受け止められた時代もありましたが、今はもはや女性的なファッションやメイクなどを積極的に取り入れる男性が好感をもたれご時世です。

服飾には性差がありますし、中高生の制服のように、むしろ性差は服飾文化によって具体的に形づくられてきている面が大きいと思いますが、どうも当事者の意思や希望と、今までの服飾文化の流れとにズレが生じているのかもしれません。


似合うのであれば、男性が暑さをしのぎ夏の風情を装うノースリーブを着るのはありだと思います。かつては「男のくせにノースリーブ?」といった目線を浴びた時代もあったかもしれませんが、今やもうそんな時代ではないのではないでしょうか。

なかには「男の人がノースリーブなんて気持ち悪い」とか「男性の骨格にノースリーブは似合わない」と考える人もいるかもしれませんが、冷静に考えたらあまり合理的な意見だとはいえないように思います。

涼しいという機能性と、夏らしいという季節感と、自分らしさという個性が交差するファッションのひとつとして、真夏のノースリーブはやっぱり欠かせないアイテムなのではないでしょうか。

今どきは「男性らしい可愛さ」や「男らしいしなやかさ」が矛盾でも異端でもなく、ありのままの魅力とされる時代。もう少し先の視界には、「男のくせに気持ち悪い」ではなく、「新しい男らしさかな」と素直に思える姿が待っているような気がします。




今はファションにおいても男女の垣根がなくなりつつありますが、少なくとも、男性はワイシャツかポロシャツかTシャツしか着てはいけないといった固定観念が弱まり、それぞれの人が自分の感性と選択に基づいて自己表現できる時代になっていけばよいのではと思います。

ファッションをめぐる考え方や感性には男女差があるのかもしれませんが、基本的にはまったくの性差というよりは、その人そのものに由来する価値観に依る要素がかなりあるといえ、本質的には個体差による個性の方がはるかに大きいと感じます。

その意味では、女性がさまざまな社会生活や経済活動のさまざまな側面で男らしさや男性的なカルチャーに学びあやかり、自分自身に具体的に取り入れているのと同じように、男性もまた女性のすぐれた感性やファッションをめぐる表現や文化をおおいに学び取り入れたらいいのではと思います。

男性も、季節感に合わせたオシャレを。こんな柔軟で豊かな発想が、いい意味で男女が等しく活躍する時代をバランスよく後押ししていくのではないでしょうか。

今どきは「日傘男子」がずいぶん増えましたが、「ノースリ男子」や「ワイドパンツ男子も違和感なく社会に受け入れられていく日はもうそこまできているような気がします。

学生時代に初めて時事についてコラムを書き、現在のジェンダー、男らしさ・女らしさ、ファッションなどのテーマについて、キャリア、法律、社会、文化、歴史などの視点から、週一ペースで気軽に執筆しています。キャリコンやライターとしても活動中。よろしければサポートをお願いします。