チリのリチウム販売価格に対するCORFOと交わしたロイヤリティについて(SQM)
こんばんは今回は以前SQMを保有してた時に調べたSQMがCORFOに支払うロイヤリティの税率に関することについてnoteに書きます
CORFOとは?
チリの政府組織です
SQMやALBなどはCORFOからアタカマ塩湖からリチウムを抽出する権利を与えてもらって操業し、事前に契約で取り決められた各種ロイヤリティをCORFOに支払ってます
今回はその中でリチウムの販売価格に応じたロイヤリティのことについて説明したいと思います
下のURLは2018年1月のSQMとCORFOとのロイヤリティに関する契約合意のニュース記事です
https://s25.q4cdn.com/757756353/files/doc_news/archive/8040d7f8-9418-4d14-8ec6-86e3fd10cf38.pdf
この中に以下の今でもベースになってるリチウム販売価格に応じたロイヤリティの支払い税率の早見表があります
一見するとリチウムの販売価格が10000ドルを超えると一律40%課税と思ってしまいますが実はそうではありません
実際は割合に応じた課税になります
どういうことかというと例えば販売価格が12000ドルの場合は
6.8%の税率の0~4000ドル(価格幅4000ドル)は12000ドルの価格の0~12000に対して33.3….%の割合を占めてます
同様に以下も価格幅12000ドルに対して
8.0%の税率の4000~5000ドル(価格幅1000ドル)は8.33….%
10.0%の税率の5000~6000ドル(価格幅1000ドル)は8.33….%
17.0%の税率の6000~7000ドル(価格幅1000ドル)は8.33….%
25.0%の税率の7000~10000ドル(価格幅3000ドル)は25%
40.0%の税率の10000~12000ドル(価格幅2000ドル)は16.66….%
の割合を占めてます
各々の税率に対するこの割合に応じて計算された税率が適応されます
ですから12000ドルの販売価格の場合は40.0%の高い税率は10000ドルを超えた16.66….%の割合に対してだけ適用されます
計算すると販売価格12000ドルの場合12000ドルのトータル額に課せられるロイヤリティは18.1%となります
計算式は以下になると思います
4000÷12000×6.8+1000÷12000×8.0+1000÷12000×10.0+1000÷12000×17.0+3000÷12000×25.0+2000÷12000×40.0=18.1
先ほどの早見表の下にも
2017年3Q時点の12600ドルの販売価格を例にして税率が40.0%ではなく19.14%になってます
ある程度時間軸長めの将来企業価値に基づくバリュエーションなどを考慮した投資をする際にリチウム価格が将来は供給量の増加とともにじょじょに落ち着いていきリチウム価格が下がるという予測モデルを立てた際に期待する純利益などからバリュエーションを計算する際のコストの計算の場面でコストの一部分を担うロイヤリティを計算する時にリチウム販売価格が10000ドル以上の時はロイヤリティは40%で計算しちゃうとまずいかなと思います
コスト計算をしないとしてもいずれにしても知っておいて損はないことかなと思いました
普通に決算後に現状のロイヤリティの税率を確認すればいいという人はSQMの決算プレゼンテーション資料を確認すればOKかもしれません
前回の3Qからプレゼンテーションの様式が以前と変わりCORFOの税率に関する資料がありました
上の部分がそれぞれのロイヤリティの早見表になっており
Exampleで3Qの販売価格の56000ドルと50000ドルと40000ドルの場合のロイヤリティのトータルにかける税率がそれぞれ35.3%、34.7%、31.2%と記載されてます
ちなみにこの40000ドルの場合の税率31.2%は計算してもそうならずもしかして30000ドルの場合の税率の間違いではないかと思い計算したら30000ドルだと31.24%となり、ばっちりの数字になりました
このようなプレゼンテーションが常態化すればある程度は確認ができて楽ですね
それではこれで終わりです