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なぜ授業デザインを学ぶ必要があるのか? 大前暁政著「本当は大切だけど、誰も教えてくれない 授業デザイン 41のこと」(明治図書)

なぜ「授業デザイン」を学ぶ必要があるのでしょうか?

答えは簡単です。

子ども主体の学習をつくりあげるためです。

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子ども主体の「学習」をつくるには,教師の「授業」のデザイン力が必要。

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本書には、このことを,これでもかと実例が出てきて,気付かされます。

授業デザインに関して,0から100まで,全て網羅した書籍です


目次を読むだけで、勉強になります。

例えば、次のように目次が続きます。


第1章 本当は大切だけど、誰も教えてくれない[授業方法]7のこと

1 よい授業方法は、自明のものではない2 ゴール次第で、望ましい授業方法は変わってくる3 授業のゴールには、構造がある4 隔たりが大きいほど、新しい手立てが見えてくる5 授業の上手い下手は、3つの要素で決まる6 第四の要素「システム・形態」によって、授業に差がつく7 「臨機応変に授業を変化させる力」で、授業のレベルが一段上がる

第2章 本当は大切だけど、誰も教えてくれない[できる・楽しい授業づくり]7のこと

8 「できる」授業が、すべての学びの出発点になる9 「できる」に至るには、4つの段階がある10 「楽しい授業」には、子どもの認識の飛躍がある11 「できる・楽しい」授業の段階で、「学び方」を身につけさせる必要がある12 「深く学ぶ」と「学び方を学ぶ」が、「主体的な学習」を促す13 授業の各段階には、相互的な因果関係がある14 教師にとってのカギは、学びの過程で行うべき「指導方略」

第3章 本当は大切だけど、誰も教えてくれない[認識の飛躍を促す深い学び]8のこと

15 よい授業は、認識の飛躍を促している16 教師が自身の「論理・考え方・見方」を、自覚する必要がある17 子どもが間違えそうな状況が、認識の飛躍を促す18 図や式をはじめに見せるのは、授業力の低い教師19 習得、活用、探究の過程を通して、認識の飛躍が起こる20 初学者には、価値ある問いの発想は難しい21 知らないものは、見えてこない22「獲得主義」と「参加主義」は、両立できる

第4章 本当は大切だけど、誰も教えてくれない[主体的な学習]7のこと

23 学習の「主体性」には、3つの意味がある24 予想や仮説を検証するサイクルが、主体性の高まりを促す25 発問の優先順位は3番目26 内容知と区別し、方法知としての「学び方」を学ばせる27 単元の学習中に、内容知と方法知をメタ認知させる28 問題解決の力を高めるポイントは、方法のメタ認知を促すこと29 主体性を高めるもう1つのカギは、「環境づくり」

第5章 本当は大切だけど、誰も教えてくれない[協同学習]6のこと

30 「協同学習=グループ学習」ではない31 意欲を高めるカギは、成功体験と教師の語り32 協同学習を成立させるには、3つの条件がある33 自由な活動ほど、即時のフィードバックが必要34 「システム・形態」は、課題の内容や解決のさせ方に応じて選ぶ35 討論に導くカギは、意見の食い違いを意図的に生み出すこと

第6章 本当は大切だけど、誰も教えてくれない[授業展開]6のこと

36 ゴールと実態の隔たりから、望ましい授業展開が見えてくる37 望ましい授業展開は、「学習者の認知の仕方」でも決まる38 「わかった」の先の授業展開が、教師の腕の見せ所39 「わかっていると思い込んでいる世界」は、かなり広い40 「大きな知識」と「個別の知識」を区別する必要がある41 話し合いが、かえって問題を見え難くすることがある


この本のよいところは、まず、「先人の優れた授業」が紹介されていることです。

先人の優れた授業から学べることは多くあります。

優れた授業モデルから、どういう理由で、子供主体の学びが生まれたかを、分析しているわけです。

実例はたくさん出てくるので、その授業例を知るだけでも、はっきりいって、相当な勉強になります。

続いて、認知科学や心理学、発達心理学などの知見が出てきます。

ここには、2030年に育てたい資質・能力の具体例や、構造などもでてきます。

そうして、理論も踏まえた上で、次のことを明らかにしているのです。

「では、どう授業を行えばよいのか?」

つまり、様々な現代科学を取り入れた「具体的な授業例」が紹介されているのです。

授業例を読めば,「なるほど,こういう授業をすればよいのか」とよく理解できます。

「子ども主体の授業をつくるには?」

「協働的な学びをつくるには?」

「授業を0(ゼロ)からデザインするための方法は?」

「個別最適化を取り入れた授業をつくるには?」

「主体性を高めるためには?」

そんな様々な疑問に対して,具体例を示してくれる本です。

具体的な授業記録とともに,解説が入るので,理解がしやすいはずです。

「授業をデザインするためにどうしたらいいのか?」

教師の具体的な悩みに応えてくれる書です。


大前暁政著「本当は大切だけど、誰も教えてくない授業デザイン41のこと」(明治図書)より

明治図書のホームページ

著者による解説

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